2014/9/16

3104:巻島先輩  

 今日の午後、私は西京信用金庫西荻窪支店の応接室にいた。顧問先の会社の社長と経理担当の女性社員とを連れだって信用金庫の融資課長に会社の現在の状況を報告するためである。

 現在この会社はリスケを行っている。資金繰りがここ2,3年急激に悪化したためである。ようやくこの1年は若干経営状況が好転し始めていた。

 リスケの継続を信用金庫に依頼し、もう1年間の支援をお願いするのが今日の目的である。社長はまじめな人間であるが、財務のことには疎く、口下手でもある。そこで私が会社の現在の状況を詳細に説明をすることとなった。

 「売上高に関しましては対前期比102.7%と若干の伸びを示しております。限界利益率につきましても1.1ポイントの改善が見られます。これは売上高が比較的好調だったことと、仕入につきましてアイテム数を絞る努力をいたことにより、廃棄による損失が軽減したのが要因と思われます。限界利益は対前期比で105.7%となっています。固定費に関しましては対前期比で91,7%に抑えられています。これは人件費が4.6%下がっていることが一番の要因です。経常利益は326万円と対前期比で173%となっていますので、経営状況は改善していると判断していいッショ・・・あっいや・・・げほげほ・・・ちょっと喉の具合が・・・すみません」

 「資金繰り状況はこちらの連月資金繰表をご覧ください。経常収支のプラスが280万円です。一方銀行借入れの元本返済が240万円ですので、ほぼ資金の回転はきっちりと回っていますが、余裕のない状況です。リスケ前の元本返済額に戻すにはやはり無理があるかと思います。現状の条件でのリスケをもう1年継続していただき、経営状況のさらなる改善が見られましたら1年後において元本返済額の上乗せを行うというのが、会社の現状から見た最善策ッショ・・・あっと、いえなんでも・・・いや・・・そうなんです・・・げほげほ・・・」

 少々冷や汗をかいたが、どうにかこうにかリスケの継続を取り付けて銀行を後にした。しかしなんで肝心なところで「巻島先輩」の口調が出てしまうのであろう・・・感染力が強いな・・・

 最近「弱虫ペダル」に嵌まっている。YouTubeで観つづけている。とうとう話はインターハイに突入した。

 とにかく面白く心を熱くさせてくれる。そしてそれぞれ強烈な個性を持った登場人物のなかでも特に異彩を放っているのが「巻島先輩」である。必ず語尾に「〜ッショ・・・」とつける癖のある人物である。

 何故だか惹かれるものがある。そしてその口調がなんだかとてもうつるのである。今晩はスポーツジムでなく自宅で固定式ローラー台を回していた。玄関を入ったすぐのところである。

 始めて30分ほど経過した時に上の娘が帰ってきた。玄関を開けると嫌な顔をした。「またここでやってんの・・・凄い邪魔なんですけど・・・」

 「しょうがないッショ・・・ここしかないッショ・・・」思わず口をついた。

 「そのへんな喋り方やめてくれる〜まじむかつく・・・」娘はいらいらした感じでリビングに消えた。

 「まあ・・・いいッショ・・・」私はクランクを回しながらぼそっとつぶやいた。



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