2014/9/10

3098:弱虫ペダル  

 乗鞍からの帰り道は長い。まず松本インターチェンジに乗るまでに時間がかかる。インターまでの道が必ずと言っていいほど混んでいるからである。

 松本インターから高速に乗って、しばらくは順調であるが、高速道路の渋滞情報を表示する掲示板には、小仏トンネルから続く大蛇のように長い渋滞のありさまが伝えられている。20kから30kの渋滞となっていることが多い。

 そこで、いつも勝沼インターで高速を降りて、塩山から柳沢峠を越えていく下道を選択する。これらのことから、帰り着くまでに数時間は要することとなる。

 メンバーの車に乗せてもらっていると、体の疲労と睡眠不足から時折意識が遠のくことがある。運転するメンバーに悪いとは思いながら、ふと気付くと首ががくっと垂れていたりするのが今までであった。

 しかし、今回は意識が遠のくことがなかった。その理由は帰りの車のなかでリーダーが持ってきた「弱虫ペダル」のDVDを観たからである。

 「弱虫ペダル」は、もともとは漫画である。作者は渡辺航。まずは漫画として大ヒット。そして、それがテレビアニメとして放送されたようである。これも話題となり、ローディーのなかでは特に人気が高い。私は残念ながら知らなかった。テレビで放送されたものがDVDになったようである。

 1話から5話まで時間にして2時間半観た。最初は「アニメか・・・」とそれほど期待していなかったが、すぐさまその面白さに引き込まれた。

 主人公はじめ登場人物のキャラクター設定が実に面白く、ストーリー展開も楽しい。これはローディーにとっては必見のアニメであろう。

 5話まで車のなかで観終えたが、6話以降の展開が気になる。全部で38話あるそうである。「これはいずれ全部制覇しなければ・・・」そう思った。

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2014/9/9

3097:戦友  

 私と「赤」以外にもゴール直前でスパートするロードバイクが2,3台いた。それらが一団の群れとなって、計測ラインをほぼ同時に次々に越えていった。

 ゴールしても座り込むことはできなかった。預けたリュックが保管されているバスまで、ロードバイクに乗ってしばしの間よたよたと進まなければならなかった。

 私は押して歩いたほうが速いのではと思えるようなゆっくりとしたスピードで前に進んだ。次々にゴールしたローディたちはほっとした表情か、腑抜けた表情を浮かべながら、前に進んでいった。

 「いや〜きつかったね・・・」誰かが背後から声をかけた。振り返ると「赤」であった。にこやかな笑顔であった。「お疲れ様でした・・・」私は頭を下げながらそう返答した。

 「赤」のゼッケンの色は私と同じ色であった。つまり同じグループである。51歳から60歳までのグループである。ヘルメットをかぶりサングラスをしているので、はっきりとはわからないが、私よりも少し年上のように感じられた。

 「赤」と心の中で呼び捨てにしていたが、すぐさま「赤さん」と心の中で修正をした。「赤さん」はほとんど止まらんばかりにのろのろ進む私を置いてずんずんと前に進んでいった。

 もちろん面識は全くない。今日まったくの偶然にヒルクライムレース前半部で小さなトレインの構成員として出会った。トレインから切れてしまってからは、誘導灯のように私の進む少し先を走っていた。そしてゴール直前ではスパート合戦も演じた。「赤さん」も私の存在に気づいていたようである。そしてさらりと声をかけたのであろう・・・

 即席の「ライバル」であると同時に長くきつい坂に一緒に挑み続けた「戦友」でもあった。彼がいたから最後までだれなかったのであろう、きっと。

 リュックを担いで、チームメンバーが集まるエリアに向かった。そこでチームメンバー全員がそろうまでの時間、まったりとして過ごした。スタート時の天気が信じられないほどに良い天気になっていた。

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 スタートした時間とゴールした時間から推定するに、タイムは1時間21分ほどであった。距離が短縮されることがなければ、本来のゴール地点までは、あと1.4kmを上らなければならない。「1.4kmを9分で上り切れるか・・・」ふと頭の中で暗算をした。「19.1kmを1時間21分かかったということは、1kmあたり4分15秒ほどのペースで上ったということになる。同じペースであれば6分ほどで1.4kmは上れるはず・・・ということは、本来の20.5kmを上ったとしたら、1時間27分ほどでゴールできたはずなのか・・・1時間半を切れた可能性が高いのか・・・」

 下りは集団となってゆっくりと下っていった。下りきってスタート会場に行くと、皆「完走証」がもらえる。そこには計測されたタイムが記入されている。私もその完走証をもらった。そこに印刷されていたタイムは「1時間20分42秒」であった。

 昨年、一昨年と比べてもかなり良いタイムである。「乗鞍って案外楽しいかも・・・」少々苦手意識を持っていた乗鞍であったが、思いのほかがんばれたようである。

 普段のロングで「坂バトル」を繰り返しているメンバーたちも皆一様に良いタイムであった。「あれ、皆レベルが相当上がっているな・・・」私も1年前よりは少しレベルが上がっているが、「坂バトル・メンバー」たちも皆レベルがぐんと上がっている。

 「相乗効果」としか言いようがない気がした。そういったメンバーたちは私にとって「ライバル」であると同時に「戦友」でもある。ヒルクライムという辛い行程を一緒に戦っているのであるから・・・そして、彼らがいるから頑張ろうという気になれるのであろう。

 乗鞍が終わっても「一日置き作戦」は継続しようと心に決めた。まだしばらくは「坂バトル」で抜いたり、抜き返されたり、仕掛けたり、仕掛けられたりといったことが彼らとしたいからである。 

2014/9/8

3096:アカ  

 自然発生的に形成されたトレインには、10kmほどまではついていけた。しかし、心拍も脚も目いっぱい感が徐々に広がり始めてきた。

 このペースでずっと行くと終盤がくっとペースが落ちてしまう危険性がひしひしと感じられてきた。「我慢してついていくか・・・少しペースを緩めるか・・・」思案のしどころであった。

 しかし、体は正直である。ペースダウンを声高に要求してきた。そして、連結器が切り離された後方車両のように私は4両編成の列車から少しづつ遅れ始めた。

 175にまで達していた心拍数は170ほどに下がってきた。「このペースであればキープできるはずである・・・」そう自分に言い聞かせながら、今までよりは少しゆっくりめにクランクを回し続けた。

 道には数多くのローディー達が一様に苦しげな表情で上り続けていた。それは川の流れのようである。唯一違うのは重力の流れに逆らっているということである。

 自然な流れではなく、鮭の遡上のように重力に逆らって苦しげに進んでいく。その向かう目的地には自分の命に代えてまでも重要なものがあるかのように、皆必死である。

 私同様くるしげで近所迷惑気味な大音量の呼吸音を響かせながら走るローディーも時折見かけた。たまにではあるが「この人大丈夫であろうか・・・どこか体が悪いのでは・・・」と、自分のことは棚に上げて、思ってしまうような呼吸音のローディーもいた。

 第2チェックポイントが近づいてきた。チェックポイントではスポーツドリンクをコップに入れて配っている。救護所もある。私はそのコップを受け取ることも、救護所に行って倒れこむこともなく第2チェックポイントを通過した。これで15km上ったことになる。残りは4.1km。もう少しである。そしてこれからが真に辛いエリアでもある。

 第2チェックポイントを過ぎてしばらくすると風景が一変した。さっと開けたのである。高度が高いために大きな木が育たない「森林限界」を超えたようである。

 風景とともに天気も大きく変わった。すっかりと晴れ渡った空が見えた。なんだかトンネルを抜けたときに目に飛び込んでくる明るい景色のように、その風景は新鮮で雄大に感じられた。

 その目に入ってくる物々の大いなる変貌によって心は軽くなったように感じられた。しかし、残念ながらその変化は体や脚まで軽くしてくれることはなかった。

 心拍数は170前後をキープしていた。残り距離が少なくなってきたので一気にペースアップを図りたいところである。

 視界が広がって明るい空の色以外にもう一つ私の目に鮮明に飛び込んでくる色があった。10メートルあるいは15メートルぐらい先であろうか・・・見覚えある赤のサイクルウェアが目に入った。レーサーパンツは薄いベージュである。

 前半部でくっついて走っていた小さなトレインの1両である。その小さなトレインは終盤に入ってすっかりと解体したようである。

 私同様トレインから振り落とされたその「赤」を視野に入れながら、体の許す範囲でペダルに込める力を少しづつ上げていった。その「赤」はそれにつれて少しづつ近づいてくる。

 心拍数は174まで上がった。呼吸のテンポも小刻みで早急なものとなり、腰に痛みが走り始める。体がきしみ始める。酸素が薄くなっているのであろうか・・・体の疲労感の高まりと上っていくロードバイクのスピードはぴったりとは正比例してくれない。

 それでも「赤」との差はすこしづつ縮まってきた。「赤」と私のロードバイクとの間には、1,2台のロードバイクが挟まっていた。

 「残り3km」の表示が道路わきに見えた。もう少しである。私はあえいでいた。あえいでいたが、スピードはもう上がることはなかった。

 脚はそれ以上の負荷に対して明確な拒否反応を示していた。私と「赤」とは一定の距離を保ち続けて、終盤の道を走り続けた。

 「残り1km」の表示が出ていた。「赤」はここから徐々にペースを上げていった。私と「赤」との間に挟まるロードバイクの数が増えてきた。

 「これ以上離されるとまずい・・・」とは思うが、脚に込められる力の限界値は上がりようがない感じであった。

 残り500mを切った。「赤」はまた10m以上先の位置に戻ってしまった。「ア〜カ、アカ、アカ・・・アカアカ・・・アカ、アカ・・・」私は心のなかで妙なメロディーで歌った。

 それと同時に腰を上げた。そして力いっぱいクランクを回した。「ぐい・・・ぐい・・・」一漕ぎごとにスピードに乗っていった。

 「赤」の背中がまた近づいてきた。残り200mほどから「赤」もラストスパートを開始した。前を行く「赤」の後輪と私のORBEA ONIXの前輪はほぼ横並びになった。計測ラインがどんどん目の前に迫ってきた。

2014/9/7

3095:霧雨  

 ヒルクライム大会本番の朝は早い。4時起床、朝食は5時。6時にはスタート会場へ出向いて下山時に着る防寒着などの入ったリュックサックをバスに預ける。

 残念ながら天候は雨であった。朝起きてから何度か宿の窓から外の様子を確認したが、無情の雨はなかなか止むことはなかった。

 そして、寒かった。防水仕様のウィンドブレーカーを着こんでも肌寒さが和らぐことはなかった。スタート直前までウィンドブレーカーを着込んで、体を冷やさないことにした。

 リュックを預けてからスタート時間まで少し間があったので、アップした。冷えてしまった脚を暖め、心拍をあげておくことにした。

 雨は霧雨状に降り続いていた。アップで少し暖まった体もすぐに冷えてしまう。アップを終えてメンバーが集まっているところ行くと「距離が縮まったようだ・・・」という話であった。

 昨年も悪天候により距離が大きく縮められた。「またか・・・」と少々落胆したが、今回は1.4Km縮まっただけであった。ゴール地点ではかなり強い風が吹いていたために、安全を期しての措置であった。本来は20.5km上るところであったが、19.1kmとなったのである。まあ、このくらいの短縮であれば、乗鞍らしさはそれほど阻害されることはないであろう。

 スタート地点へ向かった。年齢別にグループ分けされて、グループごとに順次スタートしていく。雨はずいぶんと小雨となった。これであれば大きな影響はなさそうである。

 私たちのグループのスタートの番になった。「スタートまであと10分です」女性のアナウンスが響く。そのアナウンスを聞いてからウィンドブレーカーを脱いだ。脱いだウィンドブレーカーを畳んでサイクルウェアの背中のポケットに入れた。

 「あと3分です・・・」「あと1分です・・・」そして秒読みが始まる。いよいよスタートした。スタートゲートの少し向こう側に計測開始ラインがあった。右足首に取り付けたアンクルベルトに取り付けられた計測チップに反応して「ピッ!」と音が静かに響いた。

 雨はほとんど止んだようである。しかし、霧のような細かな粒子の群れが視界をぼんやりしたものにしていた。

 心拍は徐々に上がっていく。1kmを過ぎるころには160を超え、2kmに達すると170を超えた。「心拍数を170から175までの間でコントロールして最後までだれることなく上りきる・・・」それが今回の乗鞍の唯一の作戦である。

 前半は比較的快調に進んだ。しかし、サイコンの設定がおかしかったのか、タイマーが上手く機能しなかった。とりあえず心拍数のみを注視しながら上がっていった。

 3kmほど経過すると自然発生的に形成された4名のトレインのしんがりにくっつく形になった。そしてそのトレインに引っ張られながら、少し速めのペースでクランクを回し続けた。トレインに引っ張られている間、心拍数は174ぐらいで推移した。

 第1チェックポイントを通過した。ここでようやく7km経過である。まだ序盤が終わっただけである。次の第2チェックポイントまではあと8Km・・・ヒルクライムレースは中盤へ入っていった。

2014/9/6

3094:宿  

 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍へ向けて出発した。本番は明日。今日は受付である。チームで数台の車に分乗して、現地へ向かい、乗鞍の麓を皆で軽めに走った後受付を済ませ、宿に泊まる。

 心配された天候は今日のところは大丈夫であった。しかし、国立・府中ICから中央道に乗ったところ、掲示板に不吉な文字が並んでいた。

 「事故のため大月JCから勝沼まで通行止め」とはっきりと表示されていたのである。「これはさい先が悪い・・・」少し心が沈みがちに・・・

 「通行止めではしょうがない・・・降りて一般道を行くのもきっと大渋滞であろう・・・」との判断のもと、談合坂SAで通行止め解除を待つことにした。

 時間にして1時間半ほどであろうか・・・あるいは2時間ほどであったか・・・休憩しながら待ていると、ようやく通行止め解除の放送が流れた。

 まったりした時間をすごしたのち高速道路に戻った。流れてはいるが予想通り渋滞していた。車の大河は車線分の流れとなりゆっくりゆっくりと進んでいた。

 予定よりも2時間ほど遅れて、ようやく乗鞍の麓に到着した。空気はさわやかである。気温も低い。雲は空の多くを覆っていたが、色合いは明るく、ところどころからは陽の明るさも漏れ出ていた。

 ロードバイクを車から降ろし組み立てた。サイクルウェアに着替えて、チームで隊列を組んで麓の林道を軽めに走った。涼しい・・・実に涼しい・・・下りでは肌寒いほどである。

 受付会場の近くには自転車を積んだ車がずらっと路上駐車していた。そして、私たちと同じように多くのローディーがさわやかな高原の空気の中、ロードバイクの乾いた走行音を響かせていた。

 受付を済ませた。サイクルウェアやヘルメットに貼るゼッケンや足首に巻く計測チップの入ったアンクルバンドなどを受け取った。「いよいよ明日か・・・」気分は徐々に盛り上がってくる。

 受付会場周囲にはいくつかのブースが出ていたが、時間がおしていたので、ほとんど見ることなく宿に向かった。

 宿は穏やかな風情の建物である。窓からは山々のなだらかな稜線が木々の向こうに見える。その表情も穏やかである。

 明日帰るときにこの山々の青い稜線を眺めながら、どのような心境でいるのであろうか・・・ほっとしているのであろうか・・・あるいは悔しい思いをしているのであろうか・・・できれば穏やかな心境であってほしいものである。

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2014/9/5

3093:疲労  

 BMWもそうであったが、2,3週間ほど洗車を怠ると、Mercedes-Benzはホイールがブレーキパッドの削れた粉によって黒くなる。

 それを確認した私は午後ガソリンスタンドに寄った。セルフで軽油を満タンに入れてから、泡手洗い洗車を頼んだ。

 洗車が終わるまでスタンドの待合室で待つ。椅子が幾つか並んでいた。そのひとつに座った。目の前にはテレビが置かれていた。電源は入っていなかった。椅子の前の小さめのテーブルには黒い縦長のリモコンが置いてあったが、それには手を伸ばさずにいた。

 鞄から本を取り出した。ケヴィン・パワーズ著「イエロー・バード」である。洗車に要する時間は30分ほどであろう。待合室で洗車が終わるのを待っているのは私一人であった。

 「ゆっくり、本を読める・・・」そう思った。自動販売機で購入した缶コーヒーを飲みながら、本のページをめくった。

 ふっと気付くと寝ていた。しかも、相当熟睡していたようである。手には本が軽く掴まれたままであった。

 一昨日はゴルフの後にテニスをし、昨日はスポーツジムで1時間ほど汗を流した。51歳の回復力では疲労をすっかりと取り除くことは難しい状況であったようだ。

 明後日は「乗鞍」本番である。疲労感で重くなった体を少し休めないと・・・今日はトレーニングを休止し、体を休めた。

 そして、夕方から杉並区「PRO・FIT」に出向いた。1時間半ゆっくりと体のゆがみやこりを取り除いてもらった。疲れてくると背筋に強い張りを感じる。その張りが姿勢を悪くさせるようである。施術が終わると背中の張りがすっきりと解消される。脚に溜まっていた疲れも取れたようである。

 明日は朝が早い。チームで数台の車に分乗して乗鞍を目指す。そして、雨が降らなければ、軽めのトレーニングとして乗鞍の麓を皆で走る。

 そして、明後日はいよいよ「乗鞍」の本番である。天候は少々不安定なようである。昨年は大雨による落石により距離が短縮された。そのようなことがなければいいのであるが・・・

 ここ最近、調子は決して上向きではない。夏の疲れが出やすい季節でもある。それほど良い記録は期待できないかもしれないが、今の状況での最善を尽くすだけである。

2014/9/4

3092:ベストフォー  

 昨日はゴルフを終えて、自宅で軽く夕食を食べた後、テニスウェアに着替えた。そしてMercedes-Benz E350に乗り込み、インドアのテニスコートヘ向かった。

 8時10分から9時40分までの1時間半、テニスで汗を流した。BIG BOXの中にはテニスコートが5面ある。大型のエアコン装置が稼働していたが、涼しい気候が続いているので、それほどのありがたみはなかった。

 テニスにおいて今最も注目されているのは錦織圭であろう。今年最後のグランドスラム大会である全米オープンで、ベストフォーに進出する歴史的快挙を成し遂げたからである。

 次の準決勝の相手はランキング1位のジョコビッチである。冷静に考えると分が悪いのは事実である。しかし、マイケル・チャンがコーチについてからの錦織のテニスは確かに変わった。従来は少し線の細さというか危うさが見え隠れしていたのが、かなりがっしりとした足腰の強さを感じさせるテニスになった。相当なハードトレーニングの結果であろう。

 なので、「もしかしたら・・・」という期待感を十分に抱かせる。準決勝でジョコビッチを破るようなことがあれば、グランドスラム大会制覇という大きな目標も現実化する可能性がぐっと高くなる。

 今、テニスにおいて取り組んでいるのはフォアハンドのフォーム改造である。一言でいうと今風のフォアハンドに変えている最中である。

 今風のフォアハンドは私がテニスを始めた30年前とは全く違っている。グリップは極めて厚く握る。足を肩幅に広げて立ち、その真ん中にテニスラケットを置く・・・それを上から掴む。その手の形がフォアハンドのグリップである。

 そして、ラケットは車のワイパの動きのように右手のリストを利かせて鋭く振りぬく。振りぬいたラケットが収まるのは右肩の上ではなく、右腰の下・・・テニスパンツの左のポケットあたり。

 ネットに近い位置で打つ場合にはほぼリストワークのみで、エンドラインよりも後ろで打つ場合には、腕全体の振りも大きく加えて、飛距離を調整する。

 確かにこのスウィングであると、ボールに鋭い順回転がかかる。ネットを越えてからぐっとボールが落ちるのでアウトしづらい。そして、相手コートではねるので、相手は打ちづらい。

 このフォアハンド、錦織はじめ現在の多くのトッププロが使っている。もちろんそのスピードとパワーはけた違いであるが、原理は同じである。

 このフォアハンドに変え始めてからまだ日が浅い。完全に身につくにはまだ多くの時間が必要であるが、バシッと決まると今までのフォアハンドは大きく違うキレキレのボールが飛んでいく。結構快感である。

 錦織圭の次試合は土曜日の深夜・・・日付が日曜日に変わってからである。日曜日が本番である「乗鞍」に向けて熟睡中であるはずなので、テレビ観戦はできない。乗鞍が終わった後でインターネットで結果を確認することになるであろう。

2014/9/3

3091:強欲  

 天気予報は暑さが戻ると言っていたが、今日も比較的過ごしやすい気温であり、吹き寄せる風はさわやかさを感じさせるものであった。

 美里ロイヤルカントリークラブのINコース、スタートホールである10番ホールのティーグランドに立ったとき、「絶好のゴルフ日和かもしれない・・・」と心の中でつぶやいた。

 税理仲間3名と共に今日はプライベートでゴルフを楽しんだ。美里ロイヤルカントリークラブは、初めて来るコースである。

 関越道の花園インターから10分程度車で走ったところにある。自宅からは高速道路が空いていれば1時間ちょっとで着く。

 綺麗なコースである。距離もそれほどなく、また比較的広々していて気持ちよくゴルフができる。唯一、グリーンが重く、パットがショートしがちであったのが難点ではあった。

 前半のINコースは、無難な展開であった。ドライバーショットは精度を欠いてあちらこちらに乱れはしたが、アイアインで立て直し、アプローチでしのぎ・・・という感じでボギーを続けていた。

 ハーフで二つあるショートホールでどちらもワンオンすることができて、パーを取ることが出来た。

 私としてはとても珍しいことであるが、前半はダブルボギーがでなかった。パーが二つでボギーが七つ・・・スコアは「43」であった。

 天候がさわやかであったからであろうか・・・いつもはOBがらみでダブルボギーやトリプルボギーが二つ三つ出るのであるが・・・前半を終わった段階では「今日は良いスコアが出るかも・・・」と期待感を膨らませていた。

 昼食休憩を済ませて午後のOUTコースへ向かった。OUTコースはINコースと比べて少々癖があるというか変化に富んだ構成であった。

 前半同様ボギーでしのぎながら3ホールを終え、後半最初のショートホール・・・キャディーさんの「ピンまで145ヤードです・・・」という距離表示に併せて手にして8番アイアンで打ったボールはピンにしかりと絡んだ。1.5m程のバーディーパットをどうにかねじ込んでバーディーを奪った。

 ここまでは良かった・・・「これは80台前半も夢でない・・・」という裏付けのない欲望がむっくりと頭をもたげた。

 これがいけなかった。もともと安定していなかったドライバーショットが次々と乱れ始めた。OBを2発献上し、OBが出たホールはどちらもトリプルボギーにしてしまった。もう一つのショートホールでパーを奪うが、結局OB2発が効いて後半のOUTコースは「46」。

 トータルで「89」・・・どうにか90は切れたが、心の中には多少の悔いが残った。「強欲はゴルフの敵」「欲望との戦いがゴルフ」というゴルフ格言を思い出すラウンドなった。

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2014/9/2

3090:帰路  

 正丸峠での休憩を終えて、帰路についた。正丸峠をしばし下り、山伏峠への上り返しの道へ曲がる。上り返しの道は短く、皆ゆっくりめのペースで上がる。それでも脚は重い。かなり疲労していることが分かる。

 山伏峠の頂上を越えると長めの下りが待っている。当然のことながら上っている時と下っている時では同じ峠であっても見える景色が全く違う。そして、いつも思うのであるが下っている時の方が斜度を強く感じる。

 「こんな坂を上ってきたのか・・・辛いはずである・・・」そんなことを思いながら下っていった。強く体に受ける風はさわやかなものであった。

 下り終えるまでに数名の上ってくるローディーとすれ違った。皆つらそうな表情で重いクランクを回していた。

 下り終えて少しいったところに名水ポイントがある。小さな神社のようなところで、その名水をボトルに詰め込んだ。有名な名水ポイントなのか時折車で来て、大きな容器にその名水を詰め込んでいる人を見かける。

 帰りは下り基調である。スピードに乗って長めのトレインは「快速」で走っていった。しかし、下りばかりではない。

 やがて、小沢峠の上りへ向かう交差点を右折した。右折するとすぐに上りが始まる。上りは1.5kmほどであろうか・・・短いが、坂バトルで傷めつけた脚には負担は重い。

 ここでもミニバトルするのが恒例である。ペースが上がっていき、隊列は縦に長く伸びる。脚が重く、なかなか速いペースにもっていけない。ようやくという感じで上り終えた。

 隊列を再構成してから、小沢トンネルを通り、今度はやや長めの下り。左右に曲がる幾つかのカーブをやり過ごしながら下っていく。

 最後の試練は「笹仁田峠」・・・ここは斜度は緩く距離も短い。ゆっくり走れば、特に試練というほどの存在ではない。しかし、高速バトルに参加すると、れっきとした試練となるのである。

 ここでの高速バトルは実は好物であったりする。体や脚は疲れているのに、ここでは脚が回るのである。

 いつものように高速バトルに参戦。最後の上りで思いっきりクランクを回した。その頂上を超えた時、「これで、終わり・・・どうにかやりきった・・・」という思いがふっと沸き上がる。

 惰性で下り、昼食休憩ポイントであるコンビニへ向かう。最後の休憩ポントに着くとほっとする。自宅まではあとわずかである。そしてもう峠はない。周囲では時折蝉が鳴いていた。

2014/9/1

3089:疲れた光線  

 先を行くRIDLEY FENIX号の背中からは少々疲れた様子が窺えた。山伏峠の終盤でペースをぐっと上げたのでその疲れが出たのであろう。

 「疲れた光線」は背中から発せられる。ローディーは前傾しているので、その光線は斜め45度の角度で後方に放射される。上方に放たれたその光線は重力の力によりやがて反転し地面に落ちる。その光が届く範囲は後方10メートルである。10メートル以内の範囲にいればその光明を受け取ることができる。

 私はぎりぎりその光を受け取った。「追いつけるかもしれない・・・」そう思う気持ちがクランクを回す脚に力を注ぎ込む。

 RIDLEY FENIX号の背中は徐々に近づいた。次は私が仕掛ける番である。追いついた勢いでそのまま右を通り抜けた。そしてペースをさらに上げた。心拍数もぐっと上がった。

 数メートルは差が開いたはずである。しかし、その差は10メートルを超えることはなかったのかもしれない。

 私も当然のこととして疲れ果てていた。速いペースを長時間は維持できない。今度は私の背中から「疲れた光線」が放出されはじめた。この光線は漏れ始めるとなかなかシャットダウンできない。私の背中から放出された光線は10メートル後方まで達する。

 そして後方から追ってくるメンバーがその範囲にいたならば、花の蜜の匂いがミツバチを吸い寄せるように、そのメンバー吸い寄せる。

 RIELEY FENIX号は、私の「疲れた光線」に導かれるように追ってきた。そしてFENIXという名のとり、「不死鳥」のようによみがえって、スピードを上げて抜き返してきた。そして、あっという間に5メートルほど前に・・・「これで万事休止か・・・」と思った。ゴールは近づいてきていた。

 しかし、わずかな望みが・・・「不死鳥」の尾羽は長い。その尾羽に手が届けば、手持ちの数少ないカードに残っている「ニトロ・スパート」を繰り出す可能性が若干残っていた。

 そのかすかな望みにかけて手を伸ばした。クランクを回すペースは早鐘のようにせわしないものに変わった。幸い斜度が緩んだ。

 「不死鳥」の尾羽を左手でつかんだ。その触感を確かめたのちすぐさま「ニトロ・スパート」のカードを切った。そのカードには「注意:一日一回しか使用できません。体と脚に回復不能な強い疲労を残します。」と注意書きがされていた。

 仕掛け・仕掛けられ・抜き・抜き返され・・・の繰り返し。たまたまゴール直前で私の仕掛けの番が回ってきただけのことである。少しシチュエーションが違ったら抜き返されて終わっていたであろう。

 こういった「坂バトル」はロングライドの楽しみの一つである。実力が違いすぎるとバトルにならないが登坂能力が近いと楽しく苦しいバトルとなる。

 正丸峠からの眺めは素晴らしい。しかし、「ニトロ・スパート」を使い、疲れ切った私にはその景色を楽しむ余裕はなかった。帰りには「小沢峠」「笹仁田峠」という小さな峠でミニバトルが待っているが、そのための余力は全く残っていないようであった。

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