2014/6/29

3925:A3 SEDAN  

 A1の試乗を終えて、Audiのディーラーに戻った。A1を駐車場に停め、建物内に入っていった。接客用のテーブルに座って、簡単なアンケート用紙に必要事項を記入した。

 建物のなかには数台のAudi車が展示されていた。私がアンケート用紙に記入している間、彼女はその展示車を見て回っていた。

 そして戻ってきてそっと耳打ちした。

 「あのA3 SEDANって試乗できないのかしら・・・」

 営業マンに確認すると、試乗車があるとのことである。

 「試乗されますか?」

 「いいのですか・・・」

 「ええ、今日は平日ですから、試乗のお客様それほど多くないのです・・・大丈夫ですよ。A3 SEDANはこちらが予想していた以上に売れているんです。日本ではセダン需要は落ち込んでいましたからね・・・」

 日本ではセダンに対する需要はずっと低迷している。ファミリーカーとしての役割は日本ではセダンからミニバンへ完全に移行してしまっている。

 しかし、子育てが終わり、大きなクルマや多人数が乗れるモデルの必要性が無くなった世代にとっては、プレミアムコンパクトセダンは魅力的に映るに違いない。潜在的な重要はしっかりとあったのである。

 日本におけるかつてのセダンはどちらかいうと万人受けする大人しいデザインが多かったが、プレミアムコンパクトセダンにおいては、積極的に選ばれるアグレッシブなデザインが採用される。

 その代表格の一つがAudi A3 SEDANである。用意された試乗車は、1.8LTFSIエンジンを搭載するクワトロでA3 SEDANのトップグレードであった。色は赤。

 インテリアはA1と同様なデザインテイストでプレミアム性を充分に感じさせる。メタルの使い方と直接手で触れる場所の処理が上手いのだろう、上質な質感が気分を落ち着かせてくれる。表面だけの豪華さではない大人の高級感を感じることができる。

 彼女が運転する際に後席にも座ったが、A1と違い頭部周辺の余裕もしっかりある。サイドから見たラインは、やはりセダンらしい伸びやかさに溢れている。クーペを思わせるようなルーフラインは見ていて目に心地よい。

 エンジンは充分にパワフルである。TFSIらしくエンジン回転が低くくてもトルクが力強い。スペックとしては特に尖ったモデルではないが、1.5tを切る車重が効いているのか、体感上の印象はしっかりとスポーティーである。

 VW GOLFよりも足回りもシートもやや硬め。味付けにもブランドイメージどおりの調味料が使われているようである。

 明らかにA1よりもロードノイズやエンジン音が低く抑えられいて、静粛性のレベルが高く、高級感を感じさせる。

 ハンドリングも正確で気持ちいい。従前Audiのハンドリングは軽すぎるという印象を持つことがあったが、最近その味付けも少し修正が加わったようである。

 試乗車は1.8LTFSIのエンジンを積みクワトロである。エントリーモデルは1.4LTFSIのエンジンを搭載しFFである。そのエントリーモデルの価格は334万円。301万円のA1とそれほど変わらないプライスである。

 「これなら、A3の方が良いかも・・・」

 彼女はふっと洩らす。助手席に座った営業マンはしたり顔で微笑んでいた。

 「確かに・・・これは良い・・・」

 彼女の言葉に頷く。A3にもスポーツバックと呼ばれる5ドアハッチバクもあるが、このA3 SEDAN、想像以上に良くできた車である。

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