2014/3/10

2915:帰路  

 帰路についた。山伏峠の頂上まで戻り、そこから一気に下っていく。冷気のなか、びゅうびゅうという風切り音を後方へ押しやりながらロードバイクは引力の流れに乗った。

 体の熱は否応なしに奪われていく。ふと「神田川」の一節「洗い髪が芯まで冷えて・・・」という歌詞を思い起こしてしまった。

 熱をすっかりと奪われて筋肉は硬直していく。小刻みな震えを伴う体を支えながら、下り終えた。帰り道は緩やかな下り基調である。ハイペースでトレインは進んだ。

 体が暖まることのないまま、帰路におけるミニバトルの第一会場である「小沢峠」に差し掛かった。上る距離はそれほど長くはないはずであるが、疲れ切り、寒さに震える体には「まだあるのか・・・」と思わずにはいられない上りが続く。

 前半は比較的スムースに上っていた。問題は後半である。後半に行くに従って徐々にペースを上げていく計画であったが、後半に入ってから体が急に重苦しくなってきた。脚に力を込めようとするが、体が反応しない。逆に後半に入ってペースが保てなくなる「フェードアウト現象」が起こってしまった。

 「やっぱりかなりきてるな・・・体の消耗度はレベル8といった具合である。」

 小沢峠の頂上で隊列を組み直して、トレインはまた下って行った。それほど長い距離ではないとはいえ上りを経験したのに体は暖まらなかった。そして下りに入ると体は再び冷え切った。

 しばらく走った。太陽は雲に隠れていた。ところどころ青い色が空には垣間見えるが、太陽はなかなか上手い具合にその青と交わらない。

 ミニバトル第二会場は「笹仁田峠」である。ここは斜度は緩い。なだらかな上りがしばらく続き、最後に少し斜度が上がる。ここをハイスピードで駆け抜けていくことは体重の重い私にとって得意科目である。

 しかし、体はいつもよりも重く、脚のエネルギー残量も心もとない状況であった。私は隊列の2番手で緩やかな上りに入っていった。

 先頭のメンバーがハイペースで引いてくれていた。私はぴったりとくっついていった。「これは展開が良いな・・・このままついていって最後のスプリントポイントで一気に勝負をかければ、こちらに分がある・・・」そんなことを思っていた。

 そして、そのスプリントポイントが近づいてきた。斜度が少し上がった。それが合図である。先頭のメンバーがダンシングでラストスパート態勢に入った。

 私もダンシングに切り替えて追った。そしてスプリント態勢に移行・・・前のメンバーをかわした。さらにスピードを上げてその差を広げようとした時であった。

 鋭い痛みが右足の太腿の内側を襲った。筋肉が攣ってしまった。激しい痛みのためダンシングを継続できずに急速にスローダウン・・・

 こうなるとどうしようもない・・・止まる寸前のゆっくりとしたペースでどうにかこうにか残りの上りをこなした。

 脚が攣ったのは久し振りである。やはり1ケ月のブランクは大きい。定期的にロングライドをこなす重要性を思い知った帰路となった。



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