2014/2/5

2882:レッグマジック  

 「痩せた・・・?」

 彼女は不意に訊いてきた。二人はホテルのベッドに横になっていた。エアコンの暖房が効き過ぎなほど効いていて、室内の空気は乾燥していた。私は仰向けに、彼女はこちら側に顔を向けて横向きになっていた。

 「体重はほとんど変わっていないけどね・・・なんとなく体が少し締まってきた感じがする。」

 「このライン、以前は無かったよね・・・」

 「ライン・・・?」

 「骨盤の上から斜め下に向かって伸びているでしょう・・・この窪みのライン・・・」

 そう言って彼女は右手の人差指でその窪みのラインをなぞった。

 「それから、脇腹の部分のえくぼのようなくぼみも・・・こんなにはっきりしていなかった・・・」

 彼女の指はあみだくじのラインをなぞるかのように右に左に動いた。

 「これが腹筋の縦のラインでしょう・・・それと直角に交わる横のラインが3本・・・筋トレしてるの・・・?」

 「筋トレはほとんどしてないんだ・・・たまに軽くするだけ・・・ローラー台でロードバイクを1時間ほど漕ぐだけだよ・・・」

 「週にどれくらい・・・?」

 「週3回のペースで・・・」

 「疲れない・・・?」

 「疲れるけど・・・だんだん慣れてくるよ・・・」

 部屋の中には有線放送のBGMが流れていた。「環境音楽」というのであろか・・・シンセサイザーの音の重なりがゆったりと流れ、幽遠な雰囲気を醸し出していた。

 「私もレッグマジックやらなきゃ・・・せっかく通販で買ったけど、続かなくて・・・」

 「レッグマジックって、誰か言ってたけどゴルフにも良いんだって・・・脚の内筋を鍛えられるから・・・ゴルフのスウィングって脚の内筋が重要なポイントだからね・・・」

 「1回5分程度で良いのだけど・・・だんだん億劫になってきて・・・部屋の片隅に忘れられたように置かれちゃってしまってる。」

 「それは、もったいないよ・・・」 



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