2013/10/28

2783:ヨンジュウヨン  

 「44か・・・44・・・44・・・44・・・」携帯電話を切った後、少しの間「44」という数字が頭を離れなかった。

 「寧々ちゃん」の年齢ではない。彼女の誕生日は1968年6月14日である。現在45歳である。44歳ではない。

 「45歳でこの体型を維持しているのは、結構稀だよね・・・無残なことになっているケースの方がはるかに多いと思うよ・・・」

 先日、私は彼女にそういった覚えがあった。

 彼女は嬉しそうに微笑んだ。そして、私のお腹に右手を添えて、静かな声で言った。

 「50歳でこのお腹も相当稀だと思うよ・・・だらしなくなっている人の方がきっと多いでしょう・・・主人のお腹なんか見るも無残なことになっている・・・」

 携帯電話をスーツのポケットに仕舞った。「特別な取り計らいなんです・・・」という先ほどの会話の一部が、ノートのちぎれた一部が風に舞うように耳元にリピートされた。

 「44か・・・44あれば・・・」

 ふと先日、チームメンバーのIさんが最近新調したshimanoのDURAACEのコンポーネントとホイールのまぶしい輝きが脳裏のスクリーンに映し出された。

 と同時に「最新型のDURAACEのコンポーネントと35mmハイトのホイール、両方で40万コースでしょうね・・・」というメンバーの話がすっと横切る。

 「44あれば、おつりが来るな・・・」
 
 「投資するのであれば、やはりロードバイクに投資すべきか・・・」

 「新しいDURAACEは全く別物って感じのスムースさだったからな・・・今まではULTEGRAで十分と思っていたけど、あの感覚を味わうと、やっぱり違うもんだと思わずにはいられない・・・」

 本のページが風にめくられるように、言葉が浮かんでは消えていく。途中からはまったく脈絡のない袋小路のようなところへ流されてもいく。

 「44か・・・シシジュウロク・・・16歳といえばん高校一年生ぐらいか・・・16歳の高校生の頃44万円なんて非現実的なお金だったよな・・・16歳の頃からもう何年経ったのかな・・・34年か・・・16歳を三回繰り返して、さらに2年もの月日を生きてきたのか・・・16の倍数は、16、32、48・・・なんとなく節目のように思えなくもないな・・・」

 「ロッキーインターナショナルに交渉した結果なんです・・・」販売店は、かなり良い条件を引き出してくれたようである。

 「その努力には感謝すべきであろう・・・投資すべきか否か・・・」その点に関しては、もう少し考慮を要することになりそうである。

 「44・・・44・・・」なんだか痛いところを突いてくる数字である。「ヨンジュウヨン・・・」44歳の頃の自分であれば迷わなかったであろうが・・・ 



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