2013/10/31
2786:Cクラス

Mercedes-Benzの次期Cクラスのインテリアが公開された。エクステリアはまだ公開されないが、一足先にインテリアを公開することにより、新型に対する期待感を高める効果を狙ってのことのようである。
そして公開されたインテリアは、否が応でも新型Cクラスに対する期待感を高めるような刺激に満ちた造形であった。
大きく変わった。ハンドル中央のスリーポインテッドスターがなければ、Mercedes-Benzのインテリアとはすぐには分からないようなデザインである。
より大胆に、より流麗に、よりスポーティーに・・・そういった印象である。まずディスプレイが埋め込み式からポップアップ式に変わっているのが目を引く。さらにセンタコンソール上部に並んだ三連式の丸型のエアコン吹き出し口が若々しい。
従来は垂直気味に立って多くのスイッチ類が整然と並べられていたセンタコンソールはよりなだらかな傾斜でするすると降りてきて、スイッチ類は必要最小限に抑えられている。さらに従来は丸型であったコマンドコントローラーが、スマートフォンのような造形のものに変わっている。きっと様々な機能が盛り込まれているのであろう。

こちらの写真は現行型のCクラスのインテリア。質実剛健、あまり遊び心のない堅実な造形である。如何にもドイツ車らしい機能美の追及が隅々まで行きわたっていて、今私が乗っているEクラスと同じテイストに彩られている。
高級感は乏しいが、見飽きない。良妻賢母型と言ってもいいかもしれない。それが新型ではイタリアンテイストをその表面にたっぷりとまぶしたような、より刺激的で官能的なものに変わっている。
新しいMercedes-Benzのデザインの方向性が明確に表れている次期Cクラスのインテリアである。EクラスとともにMercedes-Benzの屋台骨を支えるCクラスでの大胆なイメージチェンジは、大きな英断であったはず。これが効を奏するのか・・・それは来年以降に明らかになるであろう。
2013/10/30
2785:ハンカチ王子
巨人VS楽天の日本シリーズは第4戦を終わって2勝2敗のタイとなった。がっぷりよつに組んだ感じである。総合力では巨人に分があるように感じられるが、第2戦で田中投手が完投で勝利を収めたことにより、もつれた展開となった印象を受ける。
田中投手は両リーグを通じて今季もっとも輝いた選手であろう。記録づくめの連勝街道をまっしぐらに走りきるその姿は、爽快感を観るものに与えてくれる。
田中投手といえば、高校3年生の時に甲子園の決勝で早稲田実業の斉藤投手に競り負けたことが記憶に残っている。
その時はルックスの良さやハンカチで汗をぬぐう優雅とも言える所作から「ハンカチ王子」ともてはやされた斉藤投手に注目が集まった。どちらかというと田中投手は斉藤投手の引き立て役に回ってしまったのである。
その斉藤投手、今季は怪我の影響もあり成績はぱっとしなかった。斉藤投手は体も大きくなく、少し線が細い印象がある。
田中投手は体の基本構造体が実に強靭な印象を受けるの対して、斉藤投手にはそういったどっしりとした躍動感は薄い。
コントロールの良い変化球でかわすピッチングが斉藤投手の持ち味であろう。150kmのストレートをズバッとバッターの胸元に投げ込むというタイプではない。
我が家のリスニングルームでは今現在片手で軽々持ち上げられるぐらいに小さなスピーカーがマウンドに上がっている。エースの急な怪我によるリリーフである。
「これで、十分かな・・・」そうなふうに思えるようなピッチングである。ストライクゾーンを広く使い、変化球のキレはまずまず。コントロールも悪くない。
しかし、少々線が細く感じられる。どっしりとした躍動感や強靭な体躯からズバッと投げ込まれるストレート感は薄い。
音楽と音楽の合間にはお尻のポケットから水色のハンカチを取り出し、汗をぬぐう様がかすかに見えるような気がする。「小粋で優雅・・・」とも言えるであろうか。
田中投手は両リーグを通じて今季もっとも輝いた選手であろう。記録づくめの連勝街道をまっしぐらに走りきるその姿は、爽快感を観るものに与えてくれる。
田中投手といえば、高校3年生の時に甲子園の決勝で早稲田実業の斉藤投手に競り負けたことが記憶に残っている。
その時はルックスの良さやハンカチで汗をぬぐう優雅とも言える所作から「ハンカチ王子」ともてはやされた斉藤投手に注目が集まった。どちらかというと田中投手は斉藤投手の引き立て役に回ってしまったのである。
その斉藤投手、今季は怪我の影響もあり成績はぱっとしなかった。斉藤投手は体も大きくなく、少し線が細い印象がある。
田中投手は体の基本構造体が実に強靭な印象を受けるの対して、斉藤投手にはそういったどっしりとした躍動感は薄い。
コントロールの良い変化球でかわすピッチングが斉藤投手の持ち味であろう。150kmのストレートをズバッとバッターの胸元に投げ込むというタイプではない。
我が家のリスニングルームでは今現在片手で軽々持ち上げられるぐらいに小さなスピーカーがマウンドに上がっている。エースの急な怪我によるリリーフである。
「これで、十分かな・・・」そうなふうに思えるようなピッチングである。ストライクゾーンを広く使い、変化球のキレはまずまず。コントロールも悪くない。
しかし、少々線が細く感じられる。どっしりとした躍動感や強靭な体躯からズバッと投げ込まれるストレート感は薄い。
音楽と音楽の合間にはお尻のポケットから水色のハンカチを取り出し、汗をぬぐう様がかすかに見えるような気がする。「小粋で優雅・・・」とも言えるであろうか。
2013/10/29
2784:研修
「ジェニファー」は、10日間の海外研修から戻ってきた。海外の一流のダンサー達との厳しいトレーニングは彼女のテンションをグンと上げたようである。
雰囲気が変わった。従前はすっぴんに近いメイクであったものが、結構気合の入ったものになっていた。女性はメイクで結構雰囲気が変わるというが、確かにそうである。
レッスンそのものもは従前とがらっと変わることはないが、一言一言の熱の入り方が微妙に変わったような気がする。かなり良い刺激を受けてきたようである。
こういった研修を受講することは、テンションを上げるのにかなり効果的なのであろう。少し種類は違うかもしれないが、私にも似た経験がある。
独立して自分の事務所を立ち上げる時に、いわゆる「自己啓発セミナー」を受講した。1泊2日、会場で様々メニューをこなしていくものであった。
その閉ざされた空間と時間のなかで、心理状態は急上昇や急降下を繰り返していく。その振幅幅が大きければ大きいほど、最終的にはテンションが上がる。
研修受講後はテンションが高い状態がしばらく続く。テンションが高いと行動がすばやい。行動を起こす際の抵抗値がとても低いのである。行動がすばやいと実績も上がる。その実績がさらに次の行動を誘発する。
寒い冬は家から出たくないが、空気が柔らかくなる春先には家を出て活動したくなるようなものであろう。
しかし、そのテンションの高さはずっと維持できるものではない。徐々に日常生活の中に紛れ込んでいく。そのため、アフターケアのセミナーを定期的に用意しているところが多い。そうすることによって、自然に下がってしまうテンションをまた上昇させるのである。
「ジェニファー」は海外研修に年に1,2度参加するようである。そうすることによって、ダンスに対するテンションを高いポジションにキープしているのであろう。
普通の日常生活においては大きく心理状態が揺り動かさることはそれほど多くはない。あったとしても「むっとする」とか「いらいらする」といったネガティブなものの方が多い。そうするとテンションは下がり固まってしまいがちになる。意識的に自分で揺り動かすことも、必要なのかもしれない。
雰囲気が変わった。従前はすっぴんに近いメイクであったものが、結構気合の入ったものになっていた。女性はメイクで結構雰囲気が変わるというが、確かにそうである。
レッスンそのものもは従前とがらっと変わることはないが、一言一言の熱の入り方が微妙に変わったような気がする。かなり良い刺激を受けてきたようである。
こういった研修を受講することは、テンションを上げるのにかなり効果的なのであろう。少し種類は違うかもしれないが、私にも似た経験がある。
独立して自分の事務所を立ち上げる時に、いわゆる「自己啓発セミナー」を受講した。1泊2日、会場で様々メニューをこなしていくものであった。
その閉ざされた空間と時間のなかで、心理状態は急上昇や急降下を繰り返していく。その振幅幅が大きければ大きいほど、最終的にはテンションが上がる。
研修受講後はテンションが高い状態がしばらく続く。テンションが高いと行動がすばやい。行動を起こす際の抵抗値がとても低いのである。行動がすばやいと実績も上がる。その実績がさらに次の行動を誘発する。
寒い冬は家から出たくないが、空気が柔らかくなる春先には家を出て活動したくなるようなものであろう。
しかし、そのテンションの高さはずっと維持できるものではない。徐々に日常生活の中に紛れ込んでいく。そのため、アフターケアのセミナーを定期的に用意しているところが多い。そうすることによって、自然に下がってしまうテンションをまた上昇させるのである。
「ジェニファー」は海外研修に年に1,2度参加するようである。そうすることによって、ダンスに対するテンションを高いポジションにキープしているのであろう。
普通の日常生活においては大きく心理状態が揺り動かさることはそれほど多くはない。あったとしても「むっとする」とか「いらいらする」といったネガティブなものの方が多い。そうするとテンションは下がり固まってしまいがちになる。意識的に自分で揺り動かすことも、必要なのかもしれない。
2013/10/28
2783:ヨンジュウヨン
「44か・・・44・・・44・・・44・・・」携帯電話を切った後、少しの間「44」という数字が頭を離れなかった。
「寧々ちゃん」の年齢ではない。彼女の誕生日は1968年6月14日である。現在45歳である。44歳ではない。
「45歳でこの体型を維持しているのは、結構稀だよね・・・無残なことになっているケースの方がはるかに多いと思うよ・・・」
先日、私は彼女にそういった覚えがあった。
彼女は嬉しそうに微笑んだ。そして、私のお腹に右手を添えて、静かな声で言った。
「50歳でこのお腹も相当稀だと思うよ・・・だらしなくなっている人の方がきっと多いでしょう・・・主人のお腹なんか見るも無残なことになっている・・・」
携帯電話をスーツのポケットに仕舞った。「特別な取り計らいなんです・・・」という先ほどの会話の一部が、ノートのちぎれた一部が風に舞うように耳元にリピートされた。
「44か・・・44あれば・・・」
ふと先日、チームメンバーのIさんが最近新調したshimanoのDURAACEのコンポーネントとホイールのまぶしい輝きが脳裏のスクリーンに映し出された。
と同時に「最新型のDURAACEのコンポーネントと35mmハイトのホイール、両方で40万コースでしょうね・・・」というメンバーの話がすっと横切る。
「44あれば、おつりが来るな・・・」
「投資するのであれば、やはりロードバイクに投資すべきか・・・」
「新しいDURAACEは全く別物って感じのスムースさだったからな・・・今まではULTEGRAで十分と思っていたけど、あの感覚を味わうと、やっぱり違うもんだと思わずにはいられない・・・」
本のページが風にめくられるように、言葉が浮かんでは消えていく。途中からはまったく脈絡のない袋小路のようなところへ流されてもいく。
「44か・・・シシジュウロク・・・16歳といえばん高校一年生ぐらいか・・・16歳の高校生の頃44万円なんて非現実的なお金だったよな・・・16歳の頃からもう何年経ったのかな・・・34年か・・・16歳を三回繰り返して、さらに2年もの月日を生きてきたのか・・・16の倍数は、16、32、48・・・なんとなく節目のように思えなくもないな・・・」
「ロッキーインターナショナルに交渉した結果なんです・・・」販売店は、かなり良い条件を引き出してくれたようである。
「その努力には感謝すべきであろう・・・投資すべきか否か・・・」その点に関しては、もう少し考慮を要することになりそうである。
「44・・・44・・・」なんだか痛いところを突いてくる数字である。「ヨンジュウヨン・・・」44歳の頃の自分であれば迷わなかったであろうが・・・
「寧々ちゃん」の年齢ではない。彼女の誕生日は1968年6月14日である。現在45歳である。44歳ではない。
「45歳でこの体型を維持しているのは、結構稀だよね・・・無残なことになっているケースの方がはるかに多いと思うよ・・・」
先日、私は彼女にそういった覚えがあった。
彼女は嬉しそうに微笑んだ。そして、私のお腹に右手を添えて、静かな声で言った。
「50歳でこのお腹も相当稀だと思うよ・・・だらしなくなっている人の方がきっと多いでしょう・・・主人のお腹なんか見るも無残なことになっている・・・」
携帯電話をスーツのポケットに仕舞った。「特別な取り計らいなんです・・・」という先ほどの会話の一部が、ノートのちぎれた一部が風に舞うように耳元にリピートされた。
「44か・・・44あれば・・・」
ふと先日、チームメンバーのIさんが最近新調したshimanoのDURAACEのコンポーネントとホイールのまぶしい輝きが脳裏のスクリーンに映し出された。
と同時に「最新型のDURAACEのコンポーネントと35mmハイトのホイール、両方で40万コースでしょうね・・・」というメンバーの話がすっと横切る。
「44あれば、おつりが来るな・・・」
「投資するのであれば、やはりロードバイクに投資すべきか・・・」
「新しいDURAACEは全く別物って感じのスムースさだったからな・・・今まではULTEGRAで十分と思っていたけど、あの感覚を味わうと、やっぱり違うもんだと思わずにはいられない・・・」
本のページが風にめくられるように、言葉が浮かんでは消えていく。途中からはまったく脈絡のない袋小路のようなところへ流されてもいく。
「44か・・・シシジュウロク・・・16歳といえばん高校一年生ぐらいか・・・16歳の高校生の頃44万円なんて非現実的なお金だったよな・・・16歳の頃からもう何年経ったのかな・・・34年か・・・16歳を三回繰り返して、さらに2年もの月日を生きてきたのか・・・16の倍数は、16、32、48・・・なんとなく節目のように思えなくもないな・・・」
「ロッキーインターナショナルに交渉した結果なんです・・・」販売店は、かなり良い条件を引き出してくれたようである。
「その努力には感謝すべきであろう・・・投資すべきか否か・・・」その点に関しては、もう少し考慮を要することになりそうである。
「44・・・44・・・」なんだか痛いところを突いてくる数字である。「ヨンジュウヨン・・・」44歳の頃の自分であれば迷わなかったであろうが・・・
2013/10/27
2782:クリテリウム

「さいたまクリテリウムbyツールドフランス」は昨日行われた。ツールドフランスを征したフルーム選手他超一流の選手が多数参加して、1周2.7kmの周回コースを20周した。
残り2周となったところでフルーム、サガン、コスタの3名が抜け出した。この展開ならスプリント力が一番あるサガンが有利かと思えたが、残り1kmとなったところでフルームがスパートし、そのまま逃げきった。
私は所用があり参加できなかったが、チームメンバーが数名が観戦してきた。沿道には二重三重の人垣ができる盛況ぶりであったようである。
今日のロングはその余波をかって、選手が走ったその周回コースを実際に走ってみようということとなった。目指すは、さいたま新都心。
新小金井街道、志木街道をトレインは淡々と走った。志木駅で、駅のすぐ側のマンションに住んでいるメンバーと合流して、地元メンバーのナビで走った。
天気は快晴。台風の風が全ての雲を持ち去ったかのように青い空が広がっていた。気温は涼しい。走ると軽く汗をかくが、極めて快適である。
バイクルプラザから30km程走るとさいたま新都心に到着した。「意外と近いな・・・」そう思った。「新都心」の名にふさわしく、近代的なビルが立ち並んでいる。
そして、その周回コースを走ってみた。当然車は走っている、信号はあちこちにある・・・なので、選手が走ったような感覚には程遠いが、なんとなく雰囲気を味わった。
その後彩湖へ向かった。ゆったりと彩湖を一周した。湖のすぐそばで小休止。湖では強い風を利用してウィンドサーフィンを楽しんでいる人や、ラジコンのヨットで競技会をしている人々もいた。
さらに、航空ショウのリハ―サルであろうか、自衛隊のヘリコプターや輸送機やジェット戦闘機が綺麗な隊列を組んで次々に彩湖の上空を通過していった。
とてもまったりとした。いつもは峠の上りで精根尽きはてるのであるが、今日はのんびりとした雰囲気のロングライドであった。
帰り路も順調に走っていった。途中、志木街道と新小金井街道の分岐点で本隊と別れて東大和方面に向かうSさんとふたりで走った。
Sさんは私よりも10歳近く若く健脚の持ち主である。私が先頭を引いていた。「Sさんなら少し飛ばしても大丈夫かな・・・今日は全然もがいていないし・・・」そう思って、リアのギアをトップに入れた。
自宅までは8kmほどであろうか・・・道はほぼ平坦。「平均スピード35kmぐらいで走ろう・・・」そう思ってクランクに込めるパワーをぐんとアップした。
心拍数はぐんぐん上がっていく。時速が40kmに達すると心拍数は170を超え180に迫る。「平坦路で心拍数180か・・・」なんだか嬉しかった。
「平坦路での心拍数180はそれほど苦しくない・・・峠の上りでの心拍数180はあんなに辛いのに・・・何故であろうか・・・」
そんなことを思いながら秋の空気を切り裂いていった。脚にはほど良い筋肉痛と疲労感が広がりはじめた。「そうそう、こうでなくては・・・」そんなことをぼんやりと考えた。
2013/10/26
2781:OFF会 Brilon邸
桜の木々の枝が道路の上にせり出している。その下を車で通った。桜の花の咲く頃には淡いピンク色が空を覆い、わかやかな空気に満たされていた。その景色に目を細めたのは、そんなに前のようには思えなかった。そのピンクの花弁がはらはらと盛大に散り、道を淡く染めきっていたのを見たのも、それほど前のことには思えない。
今は既に桜の木々の葉は色づき始めている。朝からしっかりと降っている雨によって、すっかりと色合いがオレンジ色に変わった葉から、道路に落ち始めていた。その様子がしっとりと目の中に入り込んでくる。時の経過が否応なしに体の中に吹き込まれた。
肌寒かった。シートヒーターのボタンを押した。三段階ある温度調整は「中」にした。三つある赤いランプのうち二つが点灯した。じんわりと暖かくなってくる。
Brilonさんのお宅には我が家から車で1時間半ほどで着く。道路はそれほど混んでいなかった。順調な流れに乗って、ほぼ一定の速度で進んだ。時の流れのように無表情な流れである。
予定通り1時に着いた。Brilonさんの御自宅は木造の2階建て。庭は広く、隣家との距離も十分にある。広い庭の一角に車を停めた。
車の音を聞きつけたのか、玄関からBrilonさんが出迎えてくれた。挨拶も早々に、早速リスニングルームへ・・・

BrilonさんのスピーカーはAUDIO PHISIC Brilon 1.0SLE。色合いは美しいバーズアイメイプル。専用のスタンドに設置されたその立ち姿は凛々しい。
とても小さなスピーカーである。しかし、その小さなスピーカーは、得意技がある。「巴投げ」である。昨年お邪魔した時にもその技を喰らったのであるが、今回もするっと私の体の下に潜り込むと、ひょいと投げられた。私の体は空中でくるっと舞い、すとんと落ちた。
最初にかけていただいたのはマラーの交響曲第2番の第1楽章であった。リスニングポイントはスピーカーからは6メートルほど離れている。
Brilon1.0SLEは音とは全く関係ない「私は無関係です・・・」という表情で静かに佇んでいる。その背後には広々とした音の瀑布が広がっている。遠くから滝を眺めているような気分で音楽を聴いていた。時折水の飛沫が風に運ばれてくる。
次にかかったのはブルックナー交響曲第7番第1楽章。ゆったりと立ち上がる微振動に滑らかなメロディーが斜めから乗っかってくる。その斜め具合が身持ち良い。
Brilonさんシステム構成はひとひねりあるもの。CDプレーヤーはBOW TECHNOLOGIE ZZ-EIGHT。プリンアンプはQUAD QC-24。パワーアンプはQUAD U Classic。そしてスピーカーがBrilon 1.0SLEという布陣である。
Brilon 1.0SLEはとても小さなスピーカーである。しかし、得意技がもう一つある。「踵返し」である。
前に出ようとするところを低い姿勢から脚をとられる。体のバランスは見事に崩れる。なんだか、時間がくるっと裏返ったような気になる。
バッハのパルティ―タ第2番が流れ始めた。遠くに奏者の指が鍵盤の上を動く様が見えるようだ。奏者との間には十分な空気がある。その空気を通して音が流れ込んでくる。
Brilon邸の音は昨年お邪魔した時と変わっていないような気がした。苛酷なまでに急いでいるように感じられる時の流れとは別の次元に居るような錯覚に陥る。「取り残された空間」とでも言うべきであろうか・・・
今は既に桜の木々の葉は色づき始めている。朝からしっかりと降っている雨によって、すっかりと色合いがオレンジ色に変わった葉から、道路に落ち始めていた。その様子がしっとりと目の中に入り込んでくる。時の経過が否応なしに体の中に吹き込まれた。
肌寒かった。シートヒーターのボタンを押した。三段階ある温度調整は「中」にした。三つある赤いランプのうち二つが点灯した。じんわりと暖かくなってくる。
Brilonさんのお宅には我が家から車で1時間半ほどで着く。道路はそれほど混んでいなかった。順調な流れに乗って、ほぼ一定の速度で進んだ。時の流れのように無表情な流れである。
予定通り1時に着いた。Brilonさんの御自宅は木造の2階建て。庭は広く、隣家との距離も十分にある。広い庭の一角に車を停めた。
車の音を聞きつけたのか、玄関からBrilonさんが出迎えてくれた。挨拶も早々に、早速リスニングルームへ・・・

BrilonさんのスピーカーはAUDIO PHISIC Brilon 1.0SLE。色合いは美しいバーズアイメイプル。専用のスタンドに設置されたその立ち姿は凛々しい。
とても小さなスピーカーである。しかし、その小さなスピーカーは、得意技がある。「巴投げ」である。昨年お邪魔した時にもその技を喰らったのであるが、今回もするっと私の体の下に潜り込むと、ひょいと投げられた。私の体は空中でくるっと舞い、すとんと落ちた。
最初にかけていただいたのはマラーの交響曲第2番の第1楽章であった。リスニングポイントはスピーカーからは6メートルほど離れている。
Brilon1.0SLEは音とは全く関係ない「私は無関係です・・・」という表情で静かに佇んでいる。その背後には広々とした音の瀑布が広がっている。遠くから滝を眺めているような気分で音楽を聴いていた。時折水の飛沫が風に運ばれてくる。
次にかかったのはブルックナー交響曲第7番第1楽章。ゆったりと立ち上がる微振動に滑らかなメロディーが斜めから乗っかってくる。その斜め具合が身持ち良い。
Brilonさんシステム構成はひとひねりあるもの。CDプレーヤーはBOW TECHNOLOGIE ZZ-EIGHT。プリンアンプはQUAD QC-24。パワーアンプはQUAD U Classic。そしてスピーカーがBrilon 1.0SLEという布陣である。
Brilon 1.0SLEはとても小さなスピーカーである。しかし、得意技がもう一つある。「踵返し」である。
前に出ようとするところを低い姿勢から脚をとられる。体のバランスは見事に崩れる。なんだか、時間がくるっと裏返ったような気になる。
バッハのパルティ―タ第2番が流れ始めた。遠くに奏者の指が鍵盤の上を動く様が見えるようだ。奏者との間には十分な空気がある。その空気を通して音が流れ込んでくる。
Brilon邸の音は昨年お邪魔した時と変わっていないような気がした。苛酷なまでに急いでいるように感じられる時の流れとは別の次元に居るような錯覚に陥る。「取り残された空間」とでも言うべきであろうか・・・
2013/10/25
2780:赤
「坦々麺 杉山」のメニューはその店名が示す通り坦々麺のみである。結構辺鄙な場所にあるが、開店時間の11時半には平日でもすぐに満席になる。土日は必ず行列が出来る。
頼むのは当然坦々麺。スープは赤く、見た目はとても辛そうに見えるが舌が悲鳴を上げるようなことはない。海老の出汁が効いていて、マイルドで深い味わいを堪能できる。海老は殻ごと焼かれたものがちょこっと乗っかっていて、香ばしい香りを漂わせている。麺は細麺で、そのコクのあるスープとよく絡む。
お昼時には坦々麺に小ライスが付いてくる。麺を食べ終わったスープにご飯を入れて雑炊風に食べるとこれもまたよい。食べ終わった頃合いに杏仁豆腐が出される。これで口の中がさっぱりと涼やかになる。心憎い演出である。
実に丁寧に吟味されて作られていることが分かる。人気が出るのも当然であろう。一度行った人はまた行きたくなる。そして人にも紹介したくなる。
店の駐車場は11台分確保されているが、すぐに一杯になってしまう。駐車場に着いたのは11時20分であった。開店10分前である。既に9台分の駐車スペースは占有されてしまっていた。「皆出足が早いな・・・」そう思いながら、車をバックさせた。
まだ暖簾はかかっていなかったが、中に入れてくれていた。カウンター席に座れた。店内はほぼ満席。四つあるテーブル席も全て埋まっている。
メニューは一つなので、次々と順番に運ばれてくる。席について10分ほど待ったであろうか、ようやく私の前にも待望の坦々麺が運ばれてきた。
「これ、これ・・・」思わず頬が緩む。カウンター席には一人客ばかりが座っている。皆黙々と一心に食べている。
私もそれにならい無心で食べる。スープをれんげで口に運び、香ばしい海老を殻ごとガブリと噛む。麺をすする。至福の一時は静かであるがすばやく過ぎ去ってゆく。
麺を完食した後、ご飯をスープに入れる。れんげで混ぜて、豪快に食べていく。これまた完食。お腹の中はきっと赤くなっているだろう。
食べている時間は10分ほどであろうか・・・坦々麺はゆっくり食べる気にはなれない。「すぐさま食べるべき・・・時間をかけずに・・・」そんな風に自然に思ってしまう。何故であろうか・・・その色合いのせいであろうか・・・赤は人間の闘争本能のようなものを刺激するのかもしれない。
頼むのは当然坦々麺。スープは赤く、見た目はとても辛そうに見えるが舌が悲鳴を上げるようなことはない。海老の出汁が効いていて、マイルドで深い味わいを堪能できる。海老は殻ごと焼かれたものがちょこっと乗っかっていて、香ばしい香りを漂わせている。麺は細麺で、そのコクのあるスープとよく絡む。
お昼時には坦々麺に小ライスが付いてくる。麺を食べ終わったスープにご飯を入れて雑炊風に食べるとこれもまたよい。食べ終わった頃合いに杏仁豆腐が出される。これで口の中がさっぱりと涼やかになる。心憎い演出である。
実に丁寧に吟味されて作られていることが分かる。人気が出るのも当然であろう。一度行った人はまた行きたくなる。そして人にも紹介したくなる。
店の駐車場は11台分確保されているが、すぐに一杯になってしまう。駐車場に着いたのは11時20分であった。開店10分前である。既に9台分の駐車スペースは占有されてしまっていた。「皆出足が早いな・・・」そう思いながら、車をバックさせた。
まだ暖簾はかかっていなかったが、中に入れてくれていた。カウンター席に座れた。店内はほぼ満席。四つあるテーブル席も全て埋まっている。
メニューは一つなので、次々と順番に運ばれてくる。席について10分ほど待ったであろうか、ようやく私の前にも待望の坦々麺が運ばれてきた。
「これ、これ・・・」思わず頬が緩む。カウンター席には一人客ばかりが座っている。皆黙々と一心に食べている。
私もそれにならい無心で食べる。スープをれんげで口に運び、香ばしい海老を殻ごとガブリと噛む。麺をすする。至福の一時は静かであるがすばやく過ぎ去ってゆく。
麺を完食した後、ご飯をスープに入れる。れんげで混ぜて、豪快に食べていく。これまた完食。お腹の中はきっと赤くなっているだろう。
食べている時間は10分ほどであろうか・・・坦々麺はゆっくり食べる気にはなれない。「すぐさま食べるべき・・・時間をかけずに・・・」そんな風に自然に思ってしまう。何故であろうか・・・その色合いのせいであろうか・・・赤は人間の闘争本能のようなものを刺激するのかもしれない。

2013/10/24
2779:暗澹
私は時折暗澹たる気分に落ち込むことがある。もちろんそれほどシリアスなものではないのであるが、暗澹たる気分であることは確かである。
今晩も少々暗澹たる気分に浸ることとなった。その原因はQUAD ESL989である。ノイズが再発したのである。片側のスピーカーからは夏の終わりごろからノイズが出るようになった。その背面にある電源スイッチを切って、しばらく経ってから電源を入れると治まるので、「大丈夫かな・・・」と少々楽観視していたのであるが、そのノイズは再発し、しかもよりはっきりと耳につくようになった。
さらに私の心の暗澹度合いを増す出来事も同時に起こった。以前はノイズが発生していなかったもう一方のスピーカーからもノイズが出始めたのである。
つまり、両方のスピーカーからノイズが発生したのである。耳を当ててみると、発生源は6つ縦に並んでいるエレメントのうち下から二つ目のものからノイズが発生しているようである。確か、この位置は低音用のエレメントがある場所。低音用のエレメントが弱い、ということは聞いた記憶がある。
昨年一度片側のスピーカーからノイズが出たので、ロッキーインターナショナルに送って修理した。さらに販売店の言葉を信じるのであれば、購入したのは「エレメントを全て新品に交換済み」のESL989であるはずである。
それなのに、1年も経たずに再発・・・しかも今度は両方からノイズが出始めた。やはりこれは多少は暗澹たる気分に陥ったとしても仕方のないことである。
気になるのは修理に要する金額である。さらに修理してもまたそれほどの時間を経ずに再発するのではないか・・・という不安感が拭えないことも精神衛生上良いこととは言えない。
片方だけでなく両方ということとなれば、修理代もそれなりになるはず。それだけの出費をかけるだけの価値があるのであろうか・・・
心は千々に乱れるのであった。とりあえず、修理に要する金額を見積もってもらうしかないであろう。
QUAD ESL989は一旦部屋から移動して廊下に出した。そして、「QUAD ESL989は動作が不安定である。その修理に要する数ケ月の間、代打を頼むことになるかもしれない・・・」という思惑で以前中古を購入しておいたとある小型2ウェイスピーカーを部屋に持ち込んだ。
新しいものではない。20年ほど前の製品ではないであろうか・・・その専用のスタンドを使って設置すると、良い感じの佇まいである。なにかしら凛とした雰囲気がある。しばらくはこの「小さきもの」とともに時間を過ごしてみよう。
今晩も少々暗澹たる気分に浸ることとなった。その原因はQUAD ESL989である。ノイズが再発したのである。片側のスピーカーからは夏の終わりごろからノイズが出るようになった。その背面にある電源スイッチを切って、しばらく経ってから電源を入れると治まるので、「大丈夫かな・・・」と少々楽観視していたのであるが、そのノイズは再発し、しかもよりはっきりと耳につくようになった。
さらに私の心の暗澹度合いを増す出来事も同時に起こった。以前はノイズが発生していなかったもう一方のスピーカーからもノイズが出始めたのである。
つまり、両方のスピーカーからノイズが発生したのである。耳を当ててみると、発生源は6つ縦に並んでいるエレメントのうち下から二つ目のものからノイズが発生しているようである。確か、この位置は低音用のエレメントがある場所。低音用のエレメントが弱い、ということは聞いた記憶がある。
昨年一度片側のスピーカーからノイズが出たので、ロッキーインターナショナルに送って修理した。さらに販売店の言葉を信じるのであれば、購入したのは「エレメントを全て新品に交換済み」のESL989であるはずである。
それなのに、1年も経たずに再発・・・しかも今度は両方からノイズが出始めた。やはりこれは多少は暗澹たる気分に陥ったとしても仕方のないことである。
気になるのは修理に要する金額である。さらに修理してもまたそれほどの時間を経ずに再発するのではないか・・・という不安感が拭えないことも精神衛生上良いこととは言えない。
片方だけでなく両方ということとなれば、修理代もそれなりになるはず。それだけの出費をかけるだけの価値があるのであろうか・・・
心は千々に乱れるのであった。とりあえず、修理に要する金額を見積もってもらうしかないであろう。
QUAD ESL989は一旦部屋から移動して廊下に出した。そして、「QUAD ESL989は動作が不安定である。その修理に要する数ケ月の間、代打を頼むことになるかもしれない・・・」という思惑で以前中古を購入しておいたとある小型2ウェイスピーカーを部屋に持ち込んだ。
新しいものではない。20年ほど前の製品ではないであろうか・・・その専用のスタンドを使って設置すると、良い感じの佇まいである。なにかしら凛とした雰囲気がある。しばらくはこの「小さきもの」とともに時間を過ごしてみよう。
2013/10/23
2778:カドリール
竹橋駅の地下道を少し歩いた。時間は午後6時45分。「3b出口」から外に出ると、涼しい空気が頬に心地よい。念のために鞄と一緒に小さめのビニール傘を手に持っていたが、雨の心配はなさそうであった。
首都高の高架をくぐって信号を渡り、少し右に行くとそのビルはあった。そのビルの地下1階の20畳ほどの広さのミーティングルームで、日本・オーストリア文化協会の「カドリールとウィンナワルツ模範演技講習会」が行われたのである。
参加者は6名。当初は7時から1時間のみ、このミーティングルームを借りていたのであるが、結局もう1時間借りることとなり、9時までの2時間講習会は行われた。
「カドリール」はウィーン風のフォークダンスといったところか。男女がペアとなって踊るのであるが、ウィンナーワルツほど難しくはない。しかしその動作というか踊る手順が結構複雑で、その手順をすっかりと頭の中に叩きこんでおかないといけない。1番から5番まであるのであるが、当日は1番と5番を披露するとのことであった。こちらは、その手順をすっかりと覚えることさえできればどうにかこなせそうであった。
問題はウィンナワルツのほうである。舞踏会では音楽に合わせてターンしたり留まったりと臨機応変にこなしていれば良いのであるが、模範演技ではしっかりと全体が構成されていて、次々と違う動きが取り入れられていく。
最初のうちは、パーツごとに練習する。そして、それらのパーツを繋げて全体像を把握していくのである。1時間では全く全体像がつかめなかった。
幸い8時以降もこのミーティングルームが空いていたので、9時まで1時間延長された。そのおかげで、多少は全体像がつかめた。
昨年行われた模範演技のビデオを見たことも、全体像の把握に役に立った。模範演技を行うのは8名。男女4ペアとなる。
平日の夜であったので、8名全員は揃わなかった。本番は11月9日。日本・オーストリア文化協会主催の「夜会」のなかで行われる。
それまでにあと2回ほど講習会の予定がある。とりあえず、「カドリール」はメールに添付してもらった昨年の動画を見ながら完全にその手順を暗記しよう。
問題はウィンナワルツである。これも動画を見ながらの自宅での復習と後2回の講習会でどうにかこうにかこなせるようにならないと・・・
軽い気持ちで足を突っ込んだのであるが、その足は徐々にのめり込んですぐには抜けないほどになりつつあるようである。「まあ、なるようにしかならない・・・」を腹をくくるしかないようである。
首都高の高架をくぐって信号を渡り、少し右に行くとそのビルはあった。そのビルの地下1階の20畳ほどの広さのミーティングルームで、日本・オーストリア文化協会の「カドリールとウィンナワルツ模範演技講習会」が行われたのである。
参加者は6名。当初は7時から1時間のみ、このミーティングルームを借りていたのであるが、結局もう1時間借りることとなり、9時までの2時間講習会は行われた。
「カドリール」はウィーン風のフォークダンスといったところか。男女がペアとなって踊るのであるが、ウィンナーワルツほど難しくはない。しかしその動作というか踊る手順が結構複雑で、その手順をすっかりと頭の中に叩きこんでおかないといけない。1番から5番まであるのであるが、当日は1番と5番を披露するとのことであった。こちらは、その手順をすっかりと覚えることさえできればどうにかこなせそうであった。
問題はウィンナワルツのほうである。舞踏会では音楽に合わせてターンしたり留まったりと臨機応変にこなしていれば良いのであるが、模範演技ではしっかりと全体が構成されていて、次々と違う動きが取り入れられていく。
最初のうちは、パーツごとに練習する。そして、それらのパーツを繋げて全体像を把握していくのである。1時間では全く全体像がつかめなかった。
幸い8時以降もこのミーティングルームが空いていたので、9時まで1時間延長された。そのおかげで、多少は全体像がつかめた。
昨年行われた模範演技のビデオを見たことも、全体像の把握に役に立った。模範演技を行うのは8名。男女4ペアとなる。
平日の夜であったので、8名全員は揃わなかった。本番は11月9日。日本・オーストリア文化協会主催の「夜会」のなかで行われる。
それまでにあと2回ほど講習会の予定がある。とりあえず、「カドリール」はメールに添付してもらった昨年の動画を見ながら完全にその手順を暗記しよう。
問題はウィンナワルツである。これも動画を見ながらの自宅での復習と後2回の講習会でどうにかこうにかこなせるようにならないと・・・
軽い気持ちで足を突っ込んだのであるが、その足は徐々にのめり込んですぐには抜けないほどになりつつあるようである。「まあ、なるようにしかならない・・・」を腹をくくるしかないようである。
2013/10/22
2777:コンパクト

空は灰色の雲に覆われていた。水彩画のぼかしの手法のようにその灰色には淡く濃淡が付けられていた。
E350をゴルフ場の駐車場に滑り込ませた時、そのフロントウィンドウにはかすかに雨の痕跡が付いていた。
天気予報は曇りのはずである。台風27号はまだ首都圏に影響を与えるほどには近づいてはいない。「一時的なものであろう・・・」と思った。
風はほとんど吹いていなかった。雨さえ降らなければ気温も涼やかで絶好のゴルフ日和とも言える。太陽が出るよりも曇ってくれていた方が体的には楽である。
結局一日を通じて雨は本降りにはならなかった。スタート前に少しぱらつき、後半INコースの上がり2ホールでほんの少しの間小雨が降り注いだだけであった。
10月と11月はゴルフコンペが多い。今日もコンペであった。場所は東京国際カントリークラブ。
OUTスタートであった。その前半は快調・・・それほど練習もしていないが、前半だけで5つのパーをとった。私としては珍しいことである。
OBが一発出てそのホールはトリプルボギー。あと3つはボギーで「42」で回れた。「これはいけるかも・・・」相当な期待感を持って後半のINコースに臨んだ。
その後半の出だしの10番ミドルで大トラブル・・・セカンドショットが木の枝を直撃してOBゾーンへ・・・その後もミスショットが続き、「9」と大叩き。
完全に後半の出鼻をくじかれてしまった。その後はどうにかこうにか立て直したが、結局後半は「47」であった。まあ、90を切れたので良しとしなくてはならないが、少々後悔が残った。
今日のラウンドのテーマはテイクバックを出来る限りコンパクトにするというもの・・・気持の上では左腕が地面と平行になったらそこで止めるぐらいの気持ちでスイングしてみた。実際にはトップはそれよりも上の位置に来るが、以前よりはコンパクトになったはずである。これは効果があったようである。次回もコンパクトテイクバックを心がけてみよう。