2013/5/25

2627:It's a Small World  

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 ishiiさんのリスニングルームは変形8畳間である。8畳間は正方形のものが多いが、ここは縦長。スピーカーとリスニングポイントの距離をとることができる形状である。

 このけっして広いとは言えないリスニングルームに入ると、なぜかしら「ここはおとぎの部屋であろうか・・・」といった感覚に陥る。

 その部屋の中にはLINNのオーディオ機器が溢れているのであるが、そのいずれもがコンパクトなサイズである。ちょっとした「スモール・ワールド」なのである。

 それらのコンパクな形状のオーディオ機器が収められているオーディオラックも機器のサイズにあわせてコンパクト。全てがスモール・サイズである。ホビット族の家に招かれたような気になる。

 しかもそれらのオーディオ機器は色合い全てが黒と茶色に統一されている。リスニングポイントにぽつんと置かれた布張りのリクライニングチェアに深く腰をかけると、「この部屋はishiiさんのお伽の国に違いない・・・」そう思ってしまう。

 今日は爽やかな気候の中、ちょうど1年ぶりくらいにishiiさんのお宅を訪問した。使用機器は1年前と何ら変わりがない。きっとケーブル類も変更はないはず。部屋の様子は全く変わったところがないように感じられた。

 そこには安心感という名の空気が満たされていた。久しぶりにディズニーランドの「It's a Small World」を訪れてても、アトラクションの様子や流れる音楽が以前と変わらなように、ishiiさんのリスニングルームにも変わらない時間と空間が厳然とあり、なにかしら心落ち着くものを感じる。

 まずはIKEMIのトレイにCDが一枚乗せられた。ヘンデルの歌曲である。Emma Kirkbyの歌声は伸びやかで自然である。奇をてらわないバランスの良さが耳に心地良い。破綻のない音楽はスムースに流れる。

 ゆっくりと流れるアトラクションの乗りものに乗っていくように、時間の経過とともに様々な音楽が、IKEMIやLP12から流れ出してくる。それらは幾つかのLINNの小さな黒い箱を通って、凝った形式のトールボーイスピーカーから放たれる。

 それらの音楽はいずれもLP12のキャビネットに施された4本のスリットのように端正であり、リスニングポイントの布張りのリクライニングチェアに腰かけた私の体はどんどんそのチェアにのめり込み、リラックスしてゆく。

 コンパクトであること、変わらないということ、統一感があるということ、そういったことの大切さがすっと体に沁み込んでいく。実際に流れる音楽とは別に、私の頭の片隅には「It's a Small World」のあの有名なテーマが繰り返し、通奏低音のように流れていた。



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