2013/5/19

2621:目標  

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 心配された天気は、大丈夫であった。天候が崩れる時期が少し後ろにずれたようである。晴天である。朝の6時にバイクルプラザに集合。数台の車に分乗して一路富士山の麓を目指した。

 中央高速は順調であった。車は北麓駐車場に停める予定・・・ナビで調べると富士山北麓公園があり、ここに大きな駐車場ある。スバルラインの料金所にも近い。「あっ・・・ここだな・・・」と思い、目的地に選択。

 しかし、その駐車場に着いてみると・・・「あれ、なんか違うな・・・風景が違う・・・」どうやら駐車場を間違ったみたいである。メンバーにすぐに連絡。すると「北麓公園ではなく・・・もう少し富士スバルラインの料金所から遠いところに公営の駐車場がある・・・」とのことであった。そこで再び車で移動。どうにか見つけた。

 去年はサイクルシューズを忘れるし、今年は駐車場を間違えるしと、Mt.富士ヒルクライム試走会はちょっとしたトラブルがつきもののようである。

 北麓駐車場から富士スバルラインの料金所まで2kmほどを集団で移動した、緩やかな上りが延々続く。アップにはちょうど良い。軽く汗ばんだ。

 料金所を通過したところで記念撮影。そして自己申告したタイムに従って順次スタートしていく。私は申告タイムを目標としている「1時間30分」とした。昨年のタイムは1時間40分。なので1時間30分は少々無理がある。しかし、あくまでも目標タイムを記入し、自分にプレッシャーをかけた。

 いよいよ自分の番である。これから長丁場である。少々緊張する。太陽は軽やかに光を投げかけている。新緑の緑は爽やかな香りを運んでくる。しかし、気持は和むことはない。タイマーのスイッチを押してスタートした。左足のクリートをペダルに差し込んだ。乾いた音がかすかに響いた。

 スバルラインの左端には1kmごとに道票がある。そこには「5合目まであと○○km」と表示されている。その道標を時折目で確認して、タイマー表示の時間と照らし合わせた。

 「このペースでいい・・・順調順調・・・」

 前半はスムースに進んだ。道票の数字は順調に小さくなっていった。「23」「22」「21」「20」・・・斜度は軽くなったりきつめになったり、うねるように変わっていく。それに合わせてシフトチェンジした。汗が額から下へ時折流れ落ちた。

 道票の数字は「12」まで来た。ほぼ半分経過した。まずまずは順調である。しかし、体は痛み始める。腰やお尻、特に尿道部分のしびれが辛くなってくる。しかし、そういった痛みを押しやってクランクを回し続けた。

 「10」「9」「8」「7」「6」・・・呼吸は苦しげになる。脚の筋肉には乳酸がたまり始め、重くなってくる。「しかし、まだ行ける・・・」そんな気がしていた。

 しかし、カラータイマーは脈絡なく急に青から赤に変わった。黄色をすっとばして、いきなり赤になった。道票の数字が「5」となった時であった。すっと血の気が引いたような気がした。急に呼吸が苦しくなり、脚に力が入らなくなった。

 「ハンガーノックであろうか・・・途中のコンビニ補給を軽めに済ませたのがいけなかったか・・・」そんな思いがよぎった。

 どうしても脚に力が入らない。「どうしたんだろう・・・」と頭では思うが、体の出力はどんどん低下していく。低体温症になった人のようにその動きは鈍く重くなっていった。

 どうにかこうにか道票の「4」に達した。タイマーは1時間20分を経過しようとしていた。目標タイムをクリアするためには残り4kmを10分で走らなければならない。

 「無理か・・・」心の折れる音がした。それはスタート時にクリートをペダルに差し込んだ時の音のように軽く乾いた音であった。

 体の出力は回復することはなかった。残り4kmを本来はスパート気味に駆け抜けたいところであったが、スペシューム光線はジョウロから流れ出る水程度のチョロチョロで、遠くまで届くことはなかった。カラータイマーは赤く点滅し、その点滅の間隔も間遠くなってくる。

 ようやく・・・ゴール地点が見えてきた。上りきってタイマーのスイッチを押した。「1時間35分17秒」目標タイムよりも5分以上遅い。

 途中までは「いける・・・」と思っていたが、残り僅かとなったところで急に「事切れた」感じであった。最終盤のスタミナが大きな課題のようである。

 本番まであとわずか・・・1時間30分の目標タイムは現実的には少々難しいものとなってきた。しかし、目標はあくまで目標である。今年駄目なら来年、来年駄目なら再来年である。

 それにしても疲れた、とても・・・。ゴール直後はしばらく座りこんで動けなかった。腹がとても空いた。足元が少々ふらついた。ようやく起き上がって、眩しげに見上げた富士山は、一瞬「ふんっ・・・」と軽く鼻を鳴らしたように感じた。



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