2013/5/13

2615:小箱  

 その小さな「小箱」は、QUAD22よりも小さい。セレクターとボリュームのみのシンプルな構成である。ぱっと見るとなんということのない造形であるが、どこかしら精緻な印象もある。

 QUAD22のステレオ入力が実質1系統しかない状態が続いている。従前はアナログとCDはRCAケーブルを繋ぎ換えることによって切り替えていたのであるが、段々面倒になってきた。

 さらに、QUAD22が設計された1950年代においては、ソース側の出力は現代ほど大きくなく、CDの出力をそのままQUAD22に入れると歪みやすい、という情報も入手した。

 そこで、思いついたのがパッシブプリを間に入れることである。するとセレクター機能を使ってアナログとCDをスイッチ一つで選択できるうえ、パッシブプリのボリュームによってQUAD22への入力を調整することができる。

 インターネットで調べていて、「これで良いのでは・・・」と思ったものが一つ見つかった。とても小型の機器である。これだけ小さければ、QUAD22の隣に置いてクワドラスパイアの棚板を分け合うこともできる。

 その「小箱」の名前は「Job PRE」である。パッシブタイプなので当然電源コードは必要ない。ブルーがかったグレーの色合い。小さな文字で「SWISS MADE」と書かれているところが心をくすぐる。

 そのJob PREが我が家に到着した。早速、セッティング。入力は5系統ある。アナログとCDから伸びているRCAケーブルを「1」と「5」に接続。そして出力端子に別のRCAケーブルを繋ぎ、それをQUAD22の「RADIO」に接続した。

 この状態で聴き始めた。接続箇所が1箇所増えることによりデメリットはあまり感じられない。Job PREのボリュームを半分くらいの位置にすると、当然QUAD22のボリューム位置は上がる。従前は2〜3ぐらいだったのが5〜6ぐらいの位置に変わる。この両者のボリュームのバランスで音の質感の微調整もできるのであろう。

 少し聴いたところでは、スイスの風が軽やかに入ってくるような気がした。まあ、気のせいというか「SWISS MADE」という文字を目にしたことによる「空耳」にすぎないのであろう。

 我が屋のオーディオ機器はほとんど全てがイギリス製。しかし、小さなところで「SWISS MADE」が入り込んでいる。カートリッジはベンツ・マイクロのRubyである。これが「SWISS MADE」。そして新たに我が家のシステムに加わったJob PREも「SWISS MADE」である。

 イギリスの曇りがちな空模様に、若干の清澄なスイスの風は吹きこんだ・・・そんな第一印象である。

 Job PREの脚は小さなゴム製のもの。これは、棚板と機器の底板の間にインシュレーターをかませると音が相当に変わりそうである。フィニッテ・エレメンテ製の小さなインシュレーターを活用してみる。

 インシュレーターは見た目が損なわれることが多いので極力使いたくない。しかし、その効果は想像以上・・・さらにインシュレーターと機器の底板との間にフェルトを挟む・・・音が緩やかな表情を見せる。

 ドボルザークの交響曲第8番の第2楽章を繰り返し聴いた。そしてブルックナーの交響曲第4番の第1楽章も繰り返し聴いた。

 この小さな「小箱」は、少しばかりの新風を我が家のシステムに加えてくれたような気がする。とりあえず歓迎することにしよう。

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