2013/5/21

2623:アプローチ  

 車を昭和の森ゴルフ練習場の駐車場に停めて、いそいでゴルフバッグをトランクから降ろした。少し駆け足気味にクラブハウスに入っていき、2階の指定打席に向かった。

 打席にゴルフバッグを置いた時、時計の針は7時10分であった。10分の遅刻である。既に鈴木プロはスクール生のフォームをチェックしていた。

 「こんばんわ・・・」

 小さめの声で挨拶をして、手袋を左手にはめた。今晩の参加者は私を含め5名であった。Nさんと「寧々ちゃん」も来ていた。

 スクールの時間は1時間半。その間ボールは幾ら打ってもいい。鈴木プロは一人一人順繰りに回ってきて、フォームをチェックする。その都度アドバイスをして、修正するためのドリルなどを教えてくれる。

 だいたい前半は今日のテーマと言って鈴木プロが決めたテーマに従ってレッスンが行われる。後半は各自が今悩んでいるテーマで練習することになっている。

 隣の打席にいたNさんに訊いた。

 「今日のレッスンテーマは何ですか?」。

 「アプローチです。20ヤードから10ヤード刻みで50ヤードまで、4球打つのを繰り返すそうです・・・」

 Nさんは、そう教えてくれた。

 そこで、ウェッジを取り出して、アプローチの練習を始めた。20ヤード・・・クラブの振り幅は、シャフトが地面と平行になったくらいで止めて、そこから重力に任せて降ろす。

 次は30ヤード・・・振り幅を少しばかり増やす。なるべく一定のリズムでスイングして、距離は振り幅で調整するようにした。その要領で50ヤードまで打ち分けてみる。

 うまくいく時もあれば、トップしたりだふったりする時もある。こういった短い距離のアプローチショットは実際のラウンドではとても重要になってくる。

 鈴木プロが回ってきた。

 「ダウンの時のスピードが少し早いですね・・・テイクバックした時のスピードと同じスピードで降ろしてくるイメージを持ってください。実際には重力の関係でダウンの方が速くなるのですが、クラブを上げた時と同じリズム、同じスピードで降ろす・・・そうするとトップすることがなくなりますよ。」

 「なるほど・・・上げた時と同じスピードで降ろすのか・・・」

 そう思いながらクラブを降ろす時に気を付けた。ゆっくりと降ろしてくることができると、ボールがクラブのフェイスに乗って、軽く上がる。

 「そう、そういう感じです。打感が軽いでしょ・・・ボールがふわっと飛ぶ感じです。では、実際にボールをクラブで打つ前に、右手でボールを投げてみてください。その時の感覚を覚えておいて、そのリズムでクラブを振ると上手くいくと思いますよ。」

 鈴木プロのアドバイスに従って、右手にボールを持って下手投げでボールを30ヤード投げてみた。その時の腕の振りのスピードやリズムを頭に刻み込み、そしてクラブで打ってみる。

 「なるほど・・・この感覚か・・・」

 心の中で一人納得した。

 実際のラウンドではライの状態は様々である。芝に潜っていたり、浮いていたり、左足上がりだったり、つま先下がりだったり、フラットな足場で人工芝の上にボールがある練習場で上手くいっても、実際のゴルフ場で上手くいくとは限らない。

 しかし、このリズム感を身につけておくと、ざっくりやトップが減るような気がした。グリーンの傍に来てからのミスは結構ダメージがあるので、極力減らしたい。

 今日のアプローチの練習は結構ためになった。1時間半のレッスンは終わった。昼間は気温が相当上がって暑かったが、夕方に雨が降り、夜は涼しくなった。ゴルフの練習をするのにはちょうど良い気温であった。

2013/5/20

2622:休日二毛作  

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 富士山の五合目に到着して、しばらく疲れ切った体を休めた。メンバー全員が上り終えて揃ったところで、記念撮影をした。五合目は多くの観光客でにぎわっていた。他のメンバーは、ここでしばしゆっくりした後、下山して、近くの日帰り温泉に寄ってから帰る予定である。しかし、私は午後に来客の予定が入っていたので、記念撮影を終えるとすぐさま単独で下山した。

 下りは上りよりも当然楽である。しかし、スピードが出るので、気が抜けない。下りで転倒したら、大怪我は避けられない。

 駐車場まで辿りついて、ロードバイクをE350に積み込んだ。時間はもうすぐ正午である。エンジンをかけ、河口湖インターに向けてゆっくりと走りだした。来る途中のコンビニで買って助手席に袋に入れて置いてあった餡パンにかぶりついた。

 「美味い・・・」心の底からそう思った。何というこのない餡パンであるが、本当に美味しい。河口湖インターから高速道路に乗った。「この時間であれば、まだ中央高速は混んでいないはず・・・」思ったとおり、道路は空いていた。自宅には2時ごろに到着した。手早くロードバイクを片付け、シャワーを浴びた。

 疲れ切ってはいたが、やるべきことが・・・2階の寝室に上がって、ベッドの上のものを片付けた。掛け布団、枕、ベッドカバー、そしてマットレスまで隣の和室へ移動した。ベッドは木枠のみとなり、ここが寝室である痕跡はあらかたなくなった。相対的にオーディオセットの存在感が高まった。

 そして武蔵野線の新小平駅に向かって車を走らせた。午後3時半の待ち合わせである。ちょっと早く着いたので、駅前のセブンイレブンの駐車場に車を停めた。セブンイレブンに入ってエビスビールとノンアルコールビールを2本づつ買った。

 体が大量の水分を要求していた。時間ピッタリにサンフラワーさんが改札を出てくるのが見えた。車に乗り込んで早速、ビールとノンアルコールビールで乾杯。ぐびぐびと喉の奥に流し込んだ。

 我が家について、2階のリスニングルームへ・・・リスニングポイントに置いてあるイージーチェアに座っていただいて、しばし談笑。

 リスニングポイントからESL989までは6メートル以上の距離がある。ESL989は強めの内振りがつけられている。コンサートホールの2階席で聴く時のようなイメージを求めて微調整を繰り返していくうちに、リスニングポイントは後方へ移動していき、スピーカーの内振り角度は強められていった。

 2階席(しかも、やや後方)では、聴衆に達する音量はそれほど大きくない。直接音はごくわずかでほとんどが間接音。細かな音や定位は曖昧。ホールトーンは豊かに乗ってくる。

 普通、オーディオマニアは好まない席であろう。しかし、最近はほとんど迷わず2階席後方を選ぶ。以前は1階前目のS席、しかもセンターにこだわったりしたが、音楽に気持良く浸れる2階席がいつの間にか定位置となった。

 ドボルザーク、シベリウス、グリーグ、ヴィバルディなどの楽曲をCD、レコード取り混ぜてゆったりと聴いていただいた。次々にかけるのではなく、1曲(1楽章)が終わると、窓を開けて風を入れてしばし談笑・・・まったりとしてから、次の曲に・・・というのんびり進行法で進めた。

 2時間ほどのゆったりとした時間は流れた。音楽もゆっくりと流れた。ふっと午前中のヒルクライムのことが思いだされた。全くの別世界である・・・全く異なった時間と空間である。動と静・・・心拍数を極限まで上げ苦しげに顔を歪めてクランクを回し続けている時間・・・そして、音楽が緩やかに流れ、聴く者の心拍数と脳波を緩やかなものにしていく時間・・・二つの異なった時間は私の体と心を流れていった。

 日が伸びたとはいえ、6時をまわると部屋の中は少し薄暗くなってきた。音楽の時間を終え、夕食タイムへ・・・小平市の「長江宴」へ向かった。ここはこの界隈では一番美味しい中華料理店。値段も安い。

 舌鼓を打ちながら、オーディオ、音楽、ゴルフ、共通の知人であるオーディオマニアの噂、そして記事にはとても書けない事柄など・・・楽しい話題は尽きなかった。こうして「休日二毛作」の一日は静かに暮れていった。

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2013/5/19

2621:目標  

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 心配された天気は、大丈夫であった。天候が崩れる時期が少し後ろにずれたようである。晴天である。朝の6時にバイクルプラザに集合。数台の車に分乗して一路富士山の麓を目指した。

 中央高速は順調であった。車は北麓駐車場に停める予定・・・ナビで調べると富士山北麓公園があり、ここに大きな駐車場ある。スバルラインの料金所にも近い。「あっ・・・ここだな・・・」と思い、目的地に選択。

 しかし、その駐車場に着いてみると・・・「あれ、なんか違うな・・・風景が違う・・・」どうやら駐車場を間違ったみたいである。メンバーにすぐに連絡。すると「北麓公園ではなく・・・もう少し富士スバルラインの料金所から遠いところに公営の駐車場がある・・・」とのことであった。そこで再び車で移動。どうにか見つけた。

 去年はサイクルシューズを忘れるし、今年は駐車場を間違えるしと、Mt.富士ヒルクライム試走会はちょっとしたトラブルがつきもののようである。

 北麓駐車場から富士スバルラインの料金所まで2kmほどを集団で移動した、緩やかな上りが延々続く。アップにはちょうど良い。軽く汗ばんだ。

 料金所を通過したところで記念撮影。そして自己申告したタイムに従って順次スタートしていく。私は申告タイムを目標としている「1時間30分」とした。昨年のタイムは1時間40分。なので1時間30分は少々無理がある。しかし、あくまでも目標タイムを記入し、自分にプレッシャーをかけた。

 いよいよ自分の番である。これから長丁場である。少々緊張する。太陽は軽やかに光を投げかけている。新緑の緑は爽やかな香りを運んでくる。しかし、気持は和むことはない。タイマーのスイッチを押してスタートした。左足のクリートをペダルに差し込んだ。乾いた音がかすかに響いた。

 スバルラインの左端には1kmごとに道票がある。そこには「5合目まであと○○km」と表示されている。その道標を時折目で確認して、タイマー表示の時間と照らし合わせた。

 「このペースでいい・・・順調順調・・・」

 前半はスムースに進んだ。道票の数字は順調に小さくなっていった。「23」「22」「21」「20」・・・斜度は軽くなったりきつめになったり、うねるように変わっていく。それに合わせてシフトチェンジした。汗が額から下へ時折流れ落ちた。

 道票の数字は「12」まで来た。ほぼ半分経過した。まずまずは順調である。しかし、体は痛み始める。腰やお尻、特に尿道部分のしびれが辛くなってくる。しかし、そういった痛みを押しやってクランクを回し続けた。

 「10」「9」「8」「7」「6」・・・呼吸は苦しげになる。脚の筋肉には乳酸がたまり始め、重くなってくる。「しかし、まだ行ける・・・」そんな気がしていた。

 しかし、カラータイマーは脈絡なく急に青から赤に変わった。黄色をすっとばして、いきなり赤になった。道票の数字が「5」となった時であった。すっと血の気が引いたような気がした。急に呼吸が苦しくなり、脚に力が入らなくなった。

 「ハンガーノックであろうか・・・途中のコンビニ補給を軽めに済ませたのがいけなかったか・・・」そんな思いがよぎった。

 どうしても脚に力が入らない。「どうしたんだろう・・・」と頭では思うが、体の出力はどんどん低下していく。低体温症になった人のようにその動きは鈍く重くなっていった。

 どうにかこうにか道票の「4」に達した。タイマーは1時間20分を経過しようとしていた。目標タイムをクリアするためには残り4kmを10分で走らなければならない。

 「無理か・・・」心の折れる音がした。それはスタート時にクリートをペダルに差し込んだ時の音のように軽く乾いた音であった。

 体の出力は回復することはなかった。残り4kmを本来はスパート気味に駆け抜けたいところであったが、スペシューム光線はジョウロから流れ出る水程度のチョロチョロで、遠くまで届くことはなかった。カラータイマーは赤く点滅し、その点滅の間隔も間遠くなってくる。

 ようやく・・・ゴール地点が見えてきた。上りきってタイマーのスイッチを押した。「1時間35分17秒」目標タイムよりも5分以上遅い。

 途中までは「いける・・・」と思っていたが、残り僅かとなったところで急に「事切れた」感じであった。最終盤のスタミナが大きな課題のようである。

 本番まであとわずか・・・1時間30分の目標タイムは現実的には少々難しいものとなってきた。しかし、目標はあくまで目標である。今年駄目なら来年、来年駄目なら再来年である。

 それにしても疲れた、とても・・・。ゴール直後はしばらく座りこんで動けなかった。腹がとても空いた。足元が少々ふらついた。ようやく起き上がって、眩しげに見上げた富士山は、一瞬「ふんっ・・・」と軽く鼻を鳴らしたように感じた。

2013/5/18

2620:夏日  

 日中の最高気温は25度を超えたのではないであろうか。最高気温が25度を超えると「夏日」と言うようである。きっと今日は「夏日」であったはず。

 上着の必要は全くなかった。白いボタンダウンシャツに薄い茶色のチノパン、それに黒のモンク・ストラップという、夏日らしいいでたちで五反田駅の改札を出た。

 「夏日」ではあるが、「真夏日」ではない。日差しは強いが、身に危険を感じるほどの凄みはなかった。日本ヨハン・シュトラウス協会が入っているビルまでは徒歩で5,6分である。そのビルの1階は日本料理の料亭が入っている。その料亭とは別の入り口の脇にあるインターホンを鳴らす。「どうぞ・・・」と返答があり、施錠が解除される電動音が静かに響く。

 この建物は相当古いようである。協会は4階にあるが、エレベーターはなく、階段を昇る。夏日でなくても少々堪えるが、準備運動と捉えると、「まあ、ありかな・・・」とも思える。何事も捉える角度が大切ということか・・・

 今日は日本ヨハンシュトラウス協会で行われる「初心者・初級者向けウィンナ・ワルツ講習会」の3回目であった。1回目、2回目ともに盛況であり、定員をオーバーしていたようである。そのため、スペース的に少々厳しいものがあった。そこで、今回からは前半と後半に参加者を振り分けることになった。

 私は1時20分から始まる前半の部に参加した。人数は10名ほど・・・このくらいの人数だとスペース的に余裕がある。

 まずは復習から・・・ボックスと呼ばれる基本ステップ。クローズドチェンジで前に進み、そして後ろに後退する。さらにスペースがない場合の留まるステップ。

 そして、留まるステップをしながら、女性をくるっと回転させることを新たに習得した。これが結構優雅でウィンナ・ワルツらしい雰囲気が感じられる。

 そして、音楽に合わせて、これらを組み合わせる。ウィンナ・ワルツの音楽はゆったりと流れる河の流れのように優雅であるが、そのステップは想像以上にテンポが速い。そのテンポでステップを踏むのは、慣れないとかなり大変である。

 白鳥は水の上では優雅にゆったりしているが、水の下では忙しく脚を動かしている・・・ウィンナ・ワルツもそんな感じである。

 1時間は瞬く間に過ぎ去っていく。時折汗が流れた。講習会が終わって、冷たいウーロン茶をいただいた。喉を冷たいウーロン茶が通り過ぎていくのが気持良い。

 講習会は残り1回のみである。セミフォーマルの舞踏会まであと1ケ月。少しづつ良くはなっているが、まだまだステップアップしないと、楽しむまでにはなれないはず。とにかく音楽に合わせて軽やかにステップを踏めるようにしたい。下を見ずに、まっすぐ目線を上に上げて・・・

 五反田駅までの帰りの道程・・・頭の中では先ほどまで講習会でかかっていたウィンナ・ワルツの調べがループのように繰り返されていた。歩いていても、自然と脚の運びは3拍子になった。「ワン・ツー・スリー・・・ワン・ツー・スリー・・・ワン・ツー・スリー・・・」

2013/5/17

2619:定期演奏会  

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 サントリーホールの入口に着いたのは、7時10分ほど前であった。先月ほぼ同じ時間にここに来た時には、あたりは暗かったが、今日はまだ明るさが残っていた。「日が伸びたな・・・」そう思いながら入口を入った。

 胸のポケットに入れていたチケットを取り出して、係に女性に見せた。そして階段を上がって「C1」の扉からホールの中へ入っていった。「2階C10列19番」チケットに記載されている座席番号を確認しながら、その座席を探した。

 2階席のやや後方、着席して辺りを見渡すと何故かしら外人の団体さんが座っていた。なんとなく緊張した。

 今日のプログラムは、前半がショスタコーヴィチ 交響曲第1番で、休憩を挟んだ後半はドヴォルザーク 交響曲第8番である。演奏はユーリ・テルミカーノフ指揮読売日本交響楽団。お目当ては後半のドヴォルザーク 交響曲第8番である。

 まずはショスタコーヴィチの交響曲第1番から、構成は古典的な4楽章構成。しかし、内容は若く才能あるシュスタコーヴィチが自らの才気が溢れ出る勢いのままに作曲の筆を進めた感じが良く出ている。

 近代的な響きとリズムが錯綜する。少し掴みどころが分からない感じもないわけではなかったが、その才気の奔流に圧倒される感じであった。

 15分の休憩時にはホールの外に出て、日が落ちて心地よい気温の外気に触れた。ホールの中は大ぜいの人間が出す熱で少し蒸し暑かった。

 後半はお目当てのドヴォルザークの交響曲第8番。こちらも伝統的な4楽章構成。第1楽章が始まった。「ドヴォルザークはチャイコフスキーと並ぶメロディーメーカーだ・・・」そんな感想が自然と漏れる。

 ショスタコーヴィッチにみられるアイロニカルな響きはそこにはなく、生の喜びをストレートに表すような音楽は心地良い。

 第2楽章と第3楽章は、詩情豊かな展開。特に第2楽章は瞑想的ともいえる雰囲気を湛えていて、深く豊かな響きが心に沁み込んでくる。

 最終楽章は、ボヘミアの民族舞踊を思わせる躍動感があふれる展開である。そこには土着的と言っていい熱気が溢れている。生の喜び、生活の匂い、民衆のエネルギー感・・・そういったものが渾然一体となって大きなリズムを形作っていく。

 指揮者のユーリ・テルミカーノフはロシア人。どちらの曲も彼の得意なレパートリーなのだろうと思わせる一体感のある演奏であった。

 アンコールが終わると、観客は一斉にホールの外へ流れ出ていく。その列は「溜池山王駅」の方へ徐々に細くなりながら続いていった。涼しく心地よい空気であった。「来月ここに来る時にはもう少し蒸し暑くなっているだろうか・・・」そんなことを思いながら、その人の流れに身を任せた。

2013/5/16

2618:ライバル  

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 先日、走行距離10,000kmごとに行うメンテナンスのために、Mercedes-Benz E350をYANASEに持っていった時、展示場には新しいAクラスが置かれていた。

 駐車場には2台の試乗車が用意されていた。メンテナンスの依頼をしてから、しばらく展示されているAクラスを眺めていた。従前のサンドイッチ構造を廃止したため、そのプロポーションはオーソドックスなハッチバックスタイルとなり、このセグメントで圧倒的な強さを誇っているVW GOLFとしっかりとかぶる。

 価格もA180が284万円と、GOLFを真正面からターゲットにしていることが窺える設定である。では、勝算はあるのであろうか・・・それなりにあるような気がする。

 もちろん日本国内における登録台数でAクラスがGOLFを抜くことはないであろうが、従前のGOLFとAクラスの間の間隙は相当縮まるであろう。

 デザインが保守的なGOLFにたいして、Aクラスはかなりアグレッシブ。特徴的な目つきのヘッドライトやスリーポインテッド・スターを前面にアピールする派手めのグリルなど、インパクトはかなりある。

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 新たに日本国内で発売されたAクラスに脅威を感じたわけではないのであろうが、VWはNEW GOLFの先行予約を開始した。新しいGOLFは、正常進化そのものといった感じのフルモデルチェンジである。

 このセグメントにおけるリーダー的な存在であるGOLFは、そのクラスレスな質感にさらに磨きをかけたのであろう。

 顔つきは私が現在乗っているPOLOに似たものとなり、よりシャープで清廉な印象を受ける。Aクラスの顔つきがアグレッシブであるが、ややもすると下世話な感じも受けるのに対して、NEW GOLFのそれは、どこまでもクールである。「クール・ビューティー」なGOLFのデザインは、長い間付き合っても飽きのこないものである。

 乗り比べたわけではなので確かなことは分からないが、やはりこのセグメントにおけるハードのできの良さという点においては、きっとGOLFに分があるような気がする。

 先日の大規模リコールで少しばかりその信頼性に傷がついたVWではあるが、その技術力と内外装のクオリティーの高さは「やはりVW・・・」とうならせるものがある。

 私のPOLOもそのリコールの対象となった。相当な規模のリコールであるので、部品等の供給や作業体勢が間に合わず、修理までにはもう少し時間が必要なようである。いずれ近いうちにVW小平に行くことになる。その時に運良くNEW GOLFの試乗車が入っていたら、ちょっと乗ってみたいものである。

2013/5/15

2617:試走会  

 Mt.富士ヒルクライムまで約半月となった。富士スバルラインを通って5合目まで上るこのコース、本番の大会参加は初めてとなる。

 しかし、昨年チームで1回、そして単独で1回、ロードバイクでこのコースを上っている。今年もチームでの試走会の予定が次の日曜日にある。

 朝の6時にバイクルプラザに集合。そこから車に分乗して一路富士山の麓の駐車場を目指す。駐車場にて着替えを済ませ、ロードバイクをセッティング。富士スバルラインの料金所まで行って、200円を支払う。そして、料金所から延々上り始めるのである。

 Mt.富士ヒルクライムが近い日曜日、結構な数のローディーが試走に来ている。昨年も蟻の行列のようにロードバイクが連なっていた。

 本番の大会では通行止めになるので、車の心配はない。しかし、試走時は当然車が走っている。大型の観光バスもガンガン走っている。なので、左端によって車に気をつけながら走らなくてはならない。さらに、5合目の駐車場前に近づいてくると、駐車場待ちの車の渋滞が待っている。

 ほとんど動かない車の列の脇をロードバイクで通るのであるが、昨年はここですぐ前をママチャリで上っている変なおじさんがいて、その後ろでロードバイクが渋滞していた。もうすぐゴールというところで大ブレーキとなってしまい、「なんだ・・・あのおじさん・・・」と怒った。

 本番では料金所の手前から計測ポントが始まり5合目のゴールまで24km。試走では料金所を経過してからタイム計測する。なので500mほど短くなる。それでも、23.5km・・・やはり長い。斜度は比較的緩やかであるが、後半に入ってくると、腰や尻、肩など体のあちこちに傷みが走り始める。この痛みとの闘いもMt.富士ヒルクライムでは重要な要素である。

 心配なのは日曜日の天気である。週間天気予報では日曜日は天気が崩れるとの予報である。雨なら試走会は当然中止・・・ぶっつけ本番となる。

 目標タイムは90分・・・決めてはやはり後半であろう。後半に入ってから、どれだけ踏ん張れるか・・・痛みと疲労に耐え、脆弱な心肺機能をごまかしながら、クランクを一定のペースで回し続けることができれば、どうにか目標をクリアできるような気がしているのであるが・・・心が折れないことを祈ろう。

2013/5/14

2616:夏ゴルフ  

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 「30度以上あるのでは・・・」という気がした。こまめにスポーツドリンクを口に含んだ。芝の上は照り返しがあるので、下からも熱線が襲ってくる。

 「まるで夏のゴルフである・・・」そう思いながら、ホールを一つ一つ消化していった。今日は今年6回目のラウンド・・・場所は東京五日市カントリー倶楽部。まだ5月であるが、熱中症の危険性もあると思わせるような天気であった。

 西コースからスタートした午前中、なんと出だし3ホールは全てパーを奪った。「これは幸先が良い・・・」ちょっと心の中でにやついた。

 しかしその後の6ホールは出入りが忙しかった。パーをあと二つとったのであるが、ダブルボギーも三つ出た。結果としてパーが五つ、ボギーは一つ、そしてダブルボギーが三つで「43」であった。

 まずまずのスコアではあるが、パーが五つもきたのに、ダブルボギーの三つがもったいない。パーがいつもより多かったのは、パッティングが好調であったことが大きい。前半のハーフのパッティング数は「14」であった。

 ここのコースは、それほど良いコースとは言い難い。しかし、唯一グリーンだけはナイスコンディションであった。堅く締まっていて、転がり具合も良好。結構難しいところにピンが切ってあって苦労する場面もあったが、やはり遅いグリーンよりも速めのグリーンの方が楽しいものである。

 午後は南コース。前半の西コースと違い、出だし3ホールは、ダブルボギー・ボギー・ダブルボギーと、つまづいた。

 「あれ、こんなはずでは・・・気を引き締めないと・・・またまた90台のスコアになってしまう・・・」少々焦った。

 次の3ホール。パー・ボギー・パーと盛り返した。「上がり3ホールをボギーペースで回れば午後は45か・・・トータルで88・・・今日は90切りするぞ・・・」ちょっと意気が上がった。

 上がり3ホールはロング・ミドル・ミドル。まずは550ヤードのロングの7番。ドライバーを思い切りよく振った。ナイスショットである。250ヤードほど飛んだ。次は慎重にユーティリティーでセカンドショット。残りは70ほど・・・絶好のパーオンチャンス。しかし、距離感が合わなかった。手加減しすぎたのかグリーンの手前でボールは止まった。次のアプローチが寄らずにボギー。

 続くミドルは391ヤードと距離があり、かつ延々上り。ドライバーショットは少しばかり右に出た。木が邪魔でセカンドはグリーンを狙えない。斜めに出した。残った距離は80ヤードほど。次の第3打が大失敗。思いっきりだふった。結局4オン2パットのダブルボギー。

 「やばい・・・最終ホールをダブルボギーにしてしまったら90切りできない・・・」嫌な流れを感じた。こういう状況に陥るとたいがいミスが出る。

 そういう嫌な雰囲気を背に纏いながらティーグランドに立った。最終ホールは313ヤードの距離のないミドル。しかし、左側に池があり、200ヤードほどで入ってしまう。

 そこでドライバーは持たずにユーティリティーを手にした。ティーショットは左に引っ掛けた。池の手前から左に切れていった。ボールは隣のホールのフェアウェイに・・・ここからグリーンを目指して打ち戻した。

 ボールは少々グリーンをオーバー。第3打のアプローチは大きかった。グリーンが硬く速いのでカップを過ぎて転がったボールは10メートル以上向こうへ・・・ここからツーパットでボギーである。

 ファーストパットは打ち切れずにショート。2メートルほど手前で止まった。微妙な距離である。「くそう・・・嫌な展開・・・」しびれるパットである。「89」と「90」を分ける一打となる。上りのややフック・・・カップ右側ぎりぎりを狙う。

 今日はパットの調子は良かった。すとんとボールはカップに吸い込まれた。これで後半は「46」。トータルで「89」。今年6回目のラウンドでようやく90切りできた。後半のパット数も「14」であった。ショットは不安定であったが、好調なパットでどうにか救われた。今日の肝はパットであった。暑かったけれど、楽しいラウンドとなった。

2013/5/13

2615:小箱  

 その小さな「小箱」は、QUAD22よりも小さい。セレクターとボリュームのみのシンプルな構成である。ぱっと見るとなんということのない造形であるが、どこかしら精緻な印象もある。

 QUAD22のステレオ入力が実質1系統しかない状態が続いている。従前はアナログとCDはRCAケーブルを繋ぎ換えることによって切り替えていたのであるが、段々面倒になってきた。

 さらに、QUAD22が設計された1950年代においては、ソース側の出力は現代ほど大きくなく、CDの出力をそのままQUAD22に入れると歪みやすい、という情報も入手した。

 そこで、思いついたのがパッシブプリを間に入れることである。するとセレクター機能を使ってアナログとCDをスイッチ一つで選択できるうえ、パッシブプリのボリュームによってQUAD22への入力を調整することができる。

 インターネットで調べていて、「これで良いのでは・・・」と思ったものが一つ見つかった。とても小型の機器である。これだけ小さければ、QUAD22の隣に置いてクワドラスパイアの棚板を分け合うこともできる。

 その「小箱」の名前は「Job PRE」である。パッシブタイプなので当然電源コードは必要ない。ブルーがかったグレーの色合い。小さな文字で「SWISS MADE」と書かれているところが心をくすぐる。

 そのJob PREが我が家に到着した。早速、セッティング。入力は5系統ある。アナログとCDから伸びているRCAケーブルを「1」と「5」に接続。そして出力端子に別のRCAケーブルを繋ぎ、それをQUAD22の「RADIO」に接続した。

 この状態で聴き始めた。接続箇所が1箇所増えることによりデメリットはあまり感じられない。Job PREのボリュームを半分くらいの位置にすると、当然QUAD22のボリューム位置は上がる。従前は2〜3ぐらいだったのが5〜6ぐらいの位置に変わる。この両者のボリュームのバランスで音の質感の微調整もできるのであろう。

 少し聴いたところでは、スイスの風が軽やかに入ってくるような気がした。まあ、気のせいというか「SWISS MADE」という文字を目にしたことによる「空耳」にすぎないのであろう。

 我が屋のオーディオ機器はほとんど全てがイギリス製。しかし、小さなところで「SWISS MADE」が入り込んでいる。カートリッジはベンツ・マイクロのRubyである。これが「SWISS MADE」。そして新たに我が家のシステムに加わったJob PREも「SWISS MADE」である。

 イギリスの曇りがちな空模様に、若干の清澄なスイスの風は吹きこんだ・・・そんな第一印象である。

 Job PREの脚は小さなゴム製のもの。これは、棚板と機器の底板の間にインシュレーターをかませると音が相当に変わりそうである。フィニッテ・エレメンテ製の小さなインシュレーターを活用してみる。

 インシュレーターは見た目が損なわれることが多いので極力使いたくない。しかし、その効果は想像以上・・・さらにインシュレーターと機器の底板との間にフェルトを挟む・・・音が緩やかな表情を見せる。

 ドボルザークの交響曲第8番の第2楽章を繰り返し聴いた。そしてブルックナーの交響曲第4番の第1楽章も繰り返し聴いた。

 この小さな「小箱」は、少しばかりの新風を我が家のシステムに加えてくれたような気がする。とりあえず歓迎することにしよう。

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2013/5/12

2614:八卦良い  

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 行司の掛け声は「はっきょい・・・」であるのか、あるいは「はっけよい・・・」なのであろうか・・・どちらかというと私の耳には「はっきょい・・・残った、残った・・・」と聞こえるのであるが、「はっけよい・・・」が正しいという説もあるようである。

 この場合漢字で表すと「八卦良い・・・」となるそうである。「八卦」は、中国の古い陰陽道において、自然界におけるさまざまな事物事象を表しているとされる。 つまり「全ての事物事象が整った・・・」という意味合いなのである。

 今日エム5さんのお宅の広いリスニングルームに入り、黒いソファに座って、B&Wのスピーカーと対峙した時、音が出る瞬間、行司の掛け声が聞こえたような気がした。

 「はっけよい・・・」

 最初にかかったのは、ショスタコービッチのオペラ「鼻」である。私と隣に座っていたHijiyanさんは思わずのけぞった。後ろに陣取っていたpontaさんは、声なく笑った。

 行司の掛け声が聞こえたと思ったら、「鼻」の打楽器群の諸手突きがいきなり襲ってきた。私はその一撃で土俵際まで吹っ飛んだ。

 どうにか土俵際で残ったが、攻撃の手は緩まない。その後も連続技が次々展開する。その中には「手嶌葵」といった変則技も含まれていて、思わず舞の海の「技の百貨店」というフレーズが頭に浮かぶ。

 「決まり手は、上手投げ・・・上手投げで・・・エム5富士の勝ち・・・」場内放送が流れた。決まり手は正統派な技であった。

 「鼻」の諸手突きや「手嶌葵」の外掛けにはどうにか耐えたが、マーラーの交響曲第3番 第1楽章の冒頭、8本のホルンのユニゾンで力強い第1主題が出てきて、上手をぐいと引かれ、その後に続く怒涛の奔流のような力強い打楽器群のエネルギーの放出により、体は土俵の上に転がった。

 「もしも、AUDI RS6のアクセルを床踏みしたならば、その凄まじいまでの加速感はこんな感じであろうか・・・」と思えるエネルギー感である。

 低域の質量感、中低域の厚み、そして高域の抜けの良さなどなど、オーディオ装置のセッティングが「八卦良い・・・」状態でないと、この強力なトラクションをタイヤを空転させることなく路面に正確に伝えるようなエネルギー感は出てこないはず・・・

 優れた力士は、あれだけ大きな体をしていても、優れた筋力と、柔軟な体を持っている。エム5邸のサウンドを例えるならば「白鳳」であろうか・・・まさに「横綱相撲」といった感じである。

 その後は様々なCDがEMM Labsのトランスポートのトレイに乗った。ドボルザークの交響曲 第8番も良かったし、Edith Mathisのソプラノによるシューマンの歌曲も良かった。

 そして、締めは「画」である。スクリーンがするすると降りてきて、その巨大なスクリーンには「レ・ミゼラブル」の豪華絢爛な舞台の様子が、「これで圧縮音源?」と思ってしまうほどのクオリティーの高い音とともに映し出された。

 ジャン・ヴァルジャンの万感の思いが込められた歌声が広がる。ミュージカルは今までほとんど顧みることがなかった分野であるが、その圧倒的なパワーには思わず引き込まれる感じがした。

 2時半に到着して約4時間・・・スピードとパワー、そのタメとキレ、広さと奥行き、質量感と抜け・・・そういった「八卦」が良い状態でのOFF会は時間が経つのがとても早かった。



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