2013/4/1

2573:打たせ湯  

 昼食を食べてしばらくした時間帯、強い睡魔が襲ってくることがある。2時前後の時間帯である。その時間帯に車を運転していると、「これは少し危険かも・・・」と思うことがある。そういう時は、時間が逼迫していない限り、どこかに車を停めて少しの時間仮眠をとるようにしている。

 今日もその時間帯にちょうど車で移動中であった。時折意識がふっと遠のくような睡魔が襲ってきた。「昨晩いつもより少し長めにローラー台で汗を流したので、疲れているのであろうか・・・」そう思った。
 
 ちょうど左側にセブンイレブンの看板が見えた。車をその駐車場の隅の方に入れた。最近郊外にあるコンビニの駐車場は広い。平日の午後、駐車場は空いていた。

 車を停めて、シートを倒していく。相当なリクライニング状態にして、そのシートに背を預けた。クラシックのCDを小さめの音量でかけた。

 すると、「きまくらドン!」くらいの短い時間だけ、その音楽は意識に上ったが、あっという間に無意識の状態に溶けていった。

 15分ぐらいであろうか・・・無意識の中を泳ぐように漂っていた。そんな短い時間でも夢を見るようである。

 私は大きな更衣室のようなところにいた。キーのついた小さなロッカーのようなものがたくさん並んでいて、何人かの男性が着替えていた。

 私もその中にいた。これから服を脱ぐところであった。傍らには小さな女の子がいた。私の次女であった。まだ幼く3歳程度である。

 「そうか・・・ここは日帰り温泉の脱衣所か・・・これから温泉に浸かる・・・」子供の服を逃がせ、手を取って温泉の浴場へ向かった。

 子供ははしゃいでいる。「外が良い・・・外のお風呂に行こう・・・」と言ってきかないので、露天風呂の方へいく。そこには岩で淵を飾られた純和風の露天風呂が・・・

 しばらく、そこにいたがすぐさま「あっちが良い・・・」と今度は打たせ湯の方へ行きたがった。そこには二つの打たせ湯があった。

 ボタンを押すとしばらくの間湯が上から落ちてくる。それで肩や頭を打たせるのである。3歳の子供にとっては楽しい仕掛けである。ひとしきり嬉しがって、何度も何度もボタンを押した。

 打たせ湯ではしゃぐ子供に目を細めながら、ふっと空を見上げた。鳥の群れがかなり高いところをしっかりと隊列を整えながら移動していた。その隊列は「V」字をしていた。何羽いるのであろうか10羽以上の群れである。西の方に向かっていた。

 意識の中に音楽が戻ってきた。すぐさま時計を見た。それほどの時間は経過していなかった。シートを元に戻し、エンジンをかけた。エンジンの乾いた音が室内に響いた。それは、夢の中で打たせ湯が子供の体に当たって、飛び散る時の音のように感じられた。



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