2012/11/30

2451:痕跡  

 「地獄は外にあるのではなく、内にあるんです・・・ここに・・・」

 そう言って「寧々ちゃん」は自分の胸を指差した。ダブルベッドに横たわり、薄手の羽毛布団に二人はくるまっていた。空調の乾いた音は静かな室内に吸い込まれるように浸透していった。

 その言葉を聞いて、彼女の目を覗きこんだ。そして、その独り言にも似た彼女の言葉に返答した。

 「心の闇を深く覗きこんだ者の目にはその痕跡がはっきりと残るそうですよ・・・」

 彼女は眩しげに私の視線を捉えた。そして、静かに微笑んだ。その笑みはどことなく悲しげでもありながら、達観したような淡い光を含んでいた。

 「じゃあ、私の目にはきっと残っていますね・・・その痕跡が・・・傷跡とでもいうべきでしょうか・・・」

 彼女は私の左側に居た。彼女は体を横向きにさせ、まじまじと私の顔を見た。私の視線を吸い込み、吟味するようにしてから、言葉を継いだ。

 「taoさんの目にもその痕跡があるようですね・・・私の目の中にあるものと同じような痕跡が見えます・・・」

 私は少々不意を突かれた。私の過去についてはほとんど彼女には話していなかった。無意識的に隠してきたのかもしれない。軽々しく話すことができる内容ではないし、それを話すこと自体、私にとっては心を押し潰すばかりに重いことである。

 表情が少し硬くなった。彼女の視線をさっとかわした。BGM用の有線放送の電源スイッチを入れるために体勢を変えてそちらに手を伸ばした。そのスイッチを軽く押すと、軽快な音楽が部屋の天井にかけられている小さなBOSE製のスピーカーから流れだしてきた。その音楽が部屋の空気を柔らかなものにしてくれた。

 「地獄なら、私もときどき見ますよ・・・こんどの日曜日にも、地獄の茹で釜で散々苦痛を味わう予定です・・・」

 「箱根ですか・・・」

 「ええ、箱根ターンパイクをロードバイクで上るんです・・・14kmに渡る厳しい坂です。」

 「この週末はすごく寒いって天気予報で言っていましたよ・・・」

 「箱根はとても寒でしょうね・・・真冬対策で行きます・・・」

 二人はすぐいましがた官能の一時を過ごしたばかりである。リズミカルな高揚感の後の一種の虚脱感に包まれていた。そういったぽっかりと空いた時間には人間の素の情態がさらけ出される。私の瞳にも隠し通すことのできない何かが表面に浮いてきていたのかもしれない。彼女はその海の表面に浮かぶ油のような心の沁みの存在にすぐさま気付いたようである。

 心の中で「過ぎさったことだ・・・全て過ぎ去ったこと・・・今更どうすることもできないことだ・・・時計の針を逆戻しにすることはできない・・・」そう呟き続けていた。

 「シャワーを浴びてくる・・・」そう言って、ベッドからはい出た。浴室へ向かう私の背中に彼女は優しげに語りかけた。

 「話す気になったら、話してね・・・」

 浴室のシャワーの栓を軽く回すと勢いよくお湯が出た。その水流の束を顔に浴びた。顔に当たったお湯は体を伝わって床に流れ落ちていった。しかし、心の中には決して流れ去ることのない痕跡が残ったままであった。

2012/11/29

2450:紅葉  

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 青梅ゴルフ倶楽部の上空は青く晴れ渡り、風もあまりなく、気温もここ数日と違い暖かかった。所々紅葉も鮮やかな色合いを見せてくれていた。この時期のゴルフとしては、絶好と言えるコンディションであった。

 今日は来週の水曜日に行われる予定の事務所主催のゴルフコンペの下見ラウンドであった。スタートは9時45分と遅め。朝のうちの気温は低かったが、スタートする時には上着がいらないほどに暖かかった。

 中コースからスタートした。6ホールが終わったところで、パーがひとつ、ダブルボギーが一つ、残りはボギー。ということはボギーペース。残り3ホール全てボギーなら「45」。一つでもパーが来れば「44」。そう思った時、少々欲が出た。いわゆる「取らぬ狸の皮算用」を頭の中でしてしまったのである。

 7番はショートホール。ワンオンすればパーの可能性が高い。ここで、欲望が剥き出しになった。ティーグランドに立ってアドレス、ちょっと速いテンポでテイクバック、ダウンに入って、その欲望に押し出されるように上体が突っ込んでしまった。遥か左に飛び出したボールは斜面に当たり、全くのショート。続く2打目はグリーン手前のバンカー。バンカーからは一発では出ず、結局4オン2パットのトリプルボギー。

 これですっかりリズムが狂った。8番、9番をどちらもダブルボギーとしてしまった。この結果、ボギペースから遥かに下降してしまい、結局「49」。ぎゃふんな前半となってしまった。

 午後は東コース。悪かった前半から気分を変えて挑んだ。すると1番、2番が連続パー。幸先が良い。その後はボギーが続き、7番でパーが来た。9番でティーショットをミスしてしまいこのホールをダブルボギーとしてしまったが、どうにか「43」で回れた。

 この後半は未来に繋がるハーフであった。少しばかり復調の兆しを感じることができたのである。中山プロの先日のレッスンも効果が出たようである。

 90切りはかなわなかったが、来週の本番には少々期待が持てる。本番までにもう1回、中山プロのレッスンを受けよう。久々の90切りを実現するためにも・・・

2012/11/28

2449:メンテナンス  

 QUAD22の電源スイッチも兼ねているボリュームノブを右に回すと、パイロットランプにオレンジ色の灯りがともる。

 そして、パワーアンプであるQUADUの真空管にもオレンジ色の灯りがともり始める。真空管が熱を帯び始める頃、左チャンネルから「ギュイ〜ン」と少々意表を突く音が飛び出す。

 その後ハム音のような低く唸るようなノイズが継続する。音楽をかけるとほとんど気にならなくなるのであるが、やはりあまり気持ちのいいものではない。

 QUAD22とQUADUの左右の接続を変えてもやはり左チャンネルから出る。ということはパワーアンプが原因である。

 QUADUの真空管を左右入れ替えても、やはり左チャンネルから出る。ということは真空管の不具合でもない。左チャンネル用に使っているQUADUの内部にある何らかの部品に不具合が生じた可能性が高い。

 こういう時は、メンテナンスに出すしかない。アンプのメンテナンスは横浜市南区にある「クラシック・ガーデン」に出している。

 ここはビンテージ・オーディオを扱うショップ。実際に行ったことはないが、知人の紹介でメンテナンスを依頼するようになった。

 QUAD22・QUADUは何度メンテナンスに出したであろうか・・・今回で5,6回目になるであろう。特にQUAD22は不具合が出やすく、家を空けることが多かった。QUAD22の内部を覗いてみると、あんな狭い空間にぎっしりと部品や配線が詰まっている。相当無理のある空間構成である。「これでは故障も出やすい・・・」と思わず思ってしまうような内部であった。

 QUADのアンプはとてもコンパクトであるのが一つの特徴である。QUAD22・QUADUの後を引き継いだQUAD33・QUAD303やQUAD44・QUAD405もコンパクトでスタイリッシュな造形である。

 「小さくあること・・・」に対するこだわりは相当強いものがあったのであろう。コンパクトであることに対するこだわりはスイス製のアンプの一部にも見ることができる。

 Stellavox、GOLDMUND SRシリーズ、JOBといった一連の製品もとてもコンパクトである。大きさの割には価格は高めであるが、小さいが故の精緻な感覚に溢れている。

 何故かしらコンパクトなオーディオ製品に心惹かれることが多い。小さいから音が良いというわけではないのであるが、少なくとも腰を傷める心配がないのは良いことである。

2012/11/27

2448:下見  

 事務所主宰のゴルフコンペは年に3回行っている。毎回20名前後の参加者があり、既に50回以上の回数を数えている。

 そのゴルフコンペが来週ある予定である。場所は青梅ゴルフクラブ。距離があるというわけではないが、楽にはゴルフをさせてもらえないコースである。

 その来週の「本番」を前に、一度「下見」をしませんかと、参加予定者から連絡があったのは2週間ほど前のことであった。

 「行きましょう・・・行きましょう・・・少しでも、良いスコアで回りたいですからね・・・最近調子が悪くて・・・」とすぐさまその提案に応じた。

 その「下見」は11月29日の木曜日で行われる予定である。本番は来週の水曜日。もちろん目指すはどちらも「90切り」。ここのところ、「90切り」は、本当にご無沙汰である。「90切り」どころか、「100叩き」に近い危険水域を航行することの方が多く、そのうち領海侵犯で海上保安庁に逮捕されかねない状況が続いているのである。

 そこで、先日はレッスンプロのレッスンを受けてきた。PSDのシュミレーションシステムを備えた室内ゴルフ・スクールが小平市にあり、そこでレッスンを受けたのである。

 その際注意されたのは「テイクバックの時にフェイスが開く悪い癖がある」という点と「ダウンスイングの時にためがなく腕で降ろしてくる傾向がある」という2点であった。

 とりあえずこの欠点を修正するために「左手の甲を回さないで、まっすぐにテイクバックすること」と「ダウンスイングの前に左足のかかとを一旦降ろしてから、クラブを振りおろすようにすること」の2点のアドバイスを受けた。

 この2点に気をつけながら、シュミレーションシステムでドライバーショットを打ってみると、それほど曲がらない。若干右にボールは向かうが、フェアウェイに収まる範囲にボールは転がっていく。

 距離も240ヤードから250ヤードと画面には表示される。「まずまずじゃないか・・・」とちょっと嬉しくなった。

 もちろん、シュミレーションゴルフと実際のティーグランドは違う。緊張感も違うし、方向の取りやすさも違う。なので、すぐさま良い結果が出るかどうかは不明であるが、少々期待感を持っている。

 ドライバーショットがラフであっても、とりあえず普通にスイングできる場所に行っていれば、「90切り」は充分可能と踏んでいるのである。どうにか期待外れに終わらないように願っているところである。

2012/11/26

2447:中山プロ  

 「テイクバックの時にフェイスが開く癖がありますね・・・左手の甲を回さないように気をつけてまっすぐに引くようにしてください。そして、そのまま上げてください。まっすぐに上げても、腰を回すと良い位置にトップが納まります。」

 小平市にある「ゴルフ・プラザ・ウチノ」で、シュミレーション・システムを使ったレッスンを受けた。

 佐藤プロとは違い、架空の存在ではない中山プロがそのレッスンを担当。中山プロは、一見恐そうな感じであるが、実は丁寧。しかも、指摘が的確である。

 まずは7番アイアンで何球が打った。それを見ていた中山プロはすぐさまフェイスが開いてしまう私の悪い癖を指摘。

 最初は、テイクバックに関する指導をひととおり受けた。指導どおりテイクバックすると、結構右脇が開く。「右脇が開いても良いですよ・・・左脇は締めていた方が良いですが・・・ときどき右脇を常に締めていないといけないと思い込んでいる方もいますが、そんなことはありません・・・」とのことであった。

 テイクバックを気にしながら何球か打った。打った都度、モニターでスイングを確認。どうもダウンスイングでは外からクラブが降りているように見える。あまりかっこよくない。さらにフィニッシュでも体重が右足に残っていて、姿勢も猫背気味・・・「いや〜やはり、綺麗なスイングとはほど遠い・・・」と少々がっかり。

 「ダウンスイングの時に手で降ろしがちですね・・・ためがありません。腰で降ろす感じが必要です・・・トップの状態で左足のかかと上げて、まずそれを降ろす・・・左足のかかとを降ろしたことを確認してから、ダウンスイングする・・・最初はちょっと違和感があると思いますが、そのタイミングで降ろしてみてください・・・かかとを降ろした時の音を耳で聞いてからクラブを降ろします。」

 中山プロの指導に従って、やってみる・・・最初はぎこちないが、このドリルをやると、ダウンスイングでのためが少しばかり出てくる。

 モニターで確認すると、スイングもリズムが良くなってきたような気がする。まだ、フィニッシュの形はかっこ悪いが、「最初よりもかなり良くなりましたね・・・2ケ月程レッスンを受けたら、かなり良いスイングになりますよ・・・」との中山プロの言葉に勇気付けられた。週に一度、レッスンに通ってみようかという気になった。

2012/11/25

2446:白昼夢  

 日曜日の昼間、青山一丁目はとても静かであった。「高橋是清翁記念公園」では、人々が思い思いにゆったりとした散策を楽しんでいた。昼間の陽光は秋のそれではなく。冬のたおやかなものに変わっていた。

 国道246号から少し脇道に入った閑静な佇まいの一角に「ドイツ文化会館」はある。その会館の1階にあるウィーン料理のレストラン「ノイエス」が、今日の目的地である。

 今日は、OFF会。と言ってもオーディオ関連のOFF会ではない。「ウィーン・OFF会」なのである。ウィーンに魅了された方々のコミュニティーがMixi内にあり、その実質的な幹事をされているhijiyanさんからOFF会へのお誘いを受けたのは、1ケ月ほど前のことであった。

 私は残念ながらウィーンは未経験・・・「ウィーンには行ったことがないので、場違いでは・・・」とは思ったのであるが、「是非お願いします。ウィーン・OFF会は男性の比率がとても低いので・・・」というhijiyanさんの説得で参加することとなった。

 指定されたレストランに着くと、参加者は20名ほどであろうか・・・8割がたは女性。私は初参加で、面識のある方はhijiyanさんとNEXTNEXTさんご夫妻だけであった。

 NEXTNEXTさんの奥さんは、きりっとした和服で決められていた。「さすが・・・きまっている・・・」その凛々しい姿に少々圧倒された。するとこのウィ―ン・コミュニティーの管理人の男性も和装であった。「なんだか文化レベルが高い・・・」少々緊張した。

 ウィーン楽友協会大ホールでウィーン・フィルの演奏を堪能する・・・これはクラシック音楽愛好家なら、憧れというか、一度は体験してみたいことである。私も状況が許すなら是非とも経験してみたいところである。

 管理人さんをはじめ、今日はそういった経験を数多く積まれている方のお話を興味深く聞くことができた。そういったお話を窺っていると「良いな・・・行ってみたいな・・・聴いてみたいな・・・きっと素晴らしいだろうな・・・ウィーンか・・・」と思わず「白昼夢」の中に迷い込んでしまう。

 さらにウィーンは、ウィーン・フィルばかりではない・・・今日のOFF会には、ウィーン・ミュージカルに嵌まっている方、ウィーンの舞踏会に嵌まっている方、クリムトの絵に嵌まっている方、ウィーンの街並みの美しさに嵌まっている方、いろんな切り口でウィーンの魅力に取り憑かれている方々がいらしていて、話は尽きない。そしてその話はとても熱い。

 「ウィーンか・・・行ってみたい・・・」OFF会は約4時間、美味しい料理とウィーン菓子、ミニ・コンサートやウィーン舞踏会の映像などもあり、時間は駆け足で過ぎ去っていった。

 「ウィーン熱」というものがあるのなら、その重症患者の方が保有する「ウィーン菌」を相当に体内に取り込んでしまったようである。そのお洒落なレストランを出るときに、おでこに手を当てたなら、結構熱っぽかった。「かかったかな・・・」そう思った。

 大学生と中学生の二人の娘にしばらくは多額の教育費がかかる・・・小さな組織ながら経営者という立場にあるので、1週間以上職場を空けるはかなり難しい・・・さらに妻に「ウィーンでコンサートを聴いてくるから、1週間ほど行ってくる・・・」と持ち出したときの妻の表情と反応・・・そういった諸々の事を頭に思い受けべてしまうと、「ウィーン熱」で火照ったおでこには、急に冷たい北風が吹きつけてきた。しばらくは「白昼夢」に留めておくべき事柄であるのであろうか・・・

2012/11/24

2445:風切り音  

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 来週の日曜日は箱根ヒルクライムである。富士山や乗鞍に比べると距離は短いが、斜度が厳しい。私にとっては大の苦手の「激坂」が待ち受けているようである。

 斜度が緩やかだとどうにかこうにか上れるのであるが、斜度が10%を超え、さらに15%を超えてくると、重い体重が貧弱な私の心臓を否応なく攻撃してくるのである。

 惨憺たる結果になるのは目に見えてはいるのであるが、「決して足を着かない・・・ふらつきながらでもクランクを回し続ける・・・」ということを当面の目標にして箱根ターンパイクを上ってきたい。

 明日の日曜日はチームでのロングライドの日であるが、別件の予定が昼に入っているので参加できない。そこで、今日は単独でのロングライドを行うことにした。午後からは事務所に行って溜まっている仕事を片づけなくてはならないので、昼ごろには帰ってこなければならない。

 こういった時間があまりない時には「時坂峠」がうってつけである。自宅からの往復距離は80kmと短い。峠以外には長い上りもなくスムースに走らせることができる。7時半にでれば、12時前には帰ってこれるはずである。

 ということで、7時半にロードバイクにまたがって自宅を出た。空はどんよりした雲に完全に覆われていた。しかし、天気予報では午後から天気は回復するとのことであった。

 結構寒い・・・気温は当然一桁台。早く温まろうとややハイペースで飛ばした。天気が悪いせいか、なかなか体が温まらない。

 2時間ほど走った頃であった。ぽつぽつと雨粒が落ちてきた。「あれ、天気は快方へ向かうのでは・・・」と今朝テレビで見た天気予報を思い返していると、その雨はそれなりにしっかりと降ってきた。

 「ここで引き返すわけにもいかない・・・しばらくしたら止むだろう・・・」と構わずに走り続けた。路面は見る見る間に濡れていき、少々恐怖感を感じた。一度濡れた路面で落車したことがあり、それ以来濡れた路面は私にとって恐怖の的である。

 雨は檜原街道に入る頃にはどうにか止んだ。時坂峠の上り口についた時には、周囲はひっそりとしていた。ロードバイクの姿は1台もなく、数名、ハイキングを楽しむ方がいるのみであった。

 時坂峠は距離はそれほどないが、所々斜度が厳しい。目標タイムは15分。しんと静まり返ったなか、その峠道を上り始めた。

 タイム計測をするので初めのうちからある程度のペースで漕いだ。早すぎても後半ばてるし、ゆっくり過ぎるとタイムが伸びない。

 中盤まではまずまずのペースであった。しかし、後半で心拍数が急激に上がりだし、カラータイマーが鳴リ始めた。激しく苦しい呼吸音のみが、この静かな峠道にこだまするかのようであった。

 後半の踏ん張りがきかずに、タイムは15分を切れなかった。「まあ、最初の頃は足を着かずに上りきるだけで精一杯だったんだから・・・」と、とりあえず自分を慰める。峠の頂上で小休止した。もやに煙っているが、所々紅葉が見える。

 下りは路面がぬれているので慎重に下る。天気の方は徐々に快方に向かい、武蔵五日市駅を過ぎる頃には晴れ間も見えてきた。

 天気が快方に向かったからか、峠を上り終え体を充分に酷使したからか、帰り道は気分も明るくなっていた。ハイペースでクランクを回した。呼吸も心拍も早くなる。スピードが35kmを超えると風切り音も爽快に沸きたってくる。その強い風が、心の底に自然と溜まっていってしまう淀みを吹き飛ばしてくれるかのようである。

2012/11/23

2444:心模様  

 オーディオのOFF会は、オーディオ仲間のお宅にお邪魔して聴かせてもらうことが圧倒的に多い。このブログに時折アップされるOFF会の記事はほとんどが訪問記である。

 しかし、稀に我が家にオーディオ仲間に来てもらうことがある。それは、お聴かせするというよりも、どちらかというと、聴いていただいてアドバイスを頂くというスタンスのものになる。

 私はオーディオを趣味とするようになってまだ日が浅い・・・それでも6年ぐらいにはなるであろうか・・・来ていただく方は、その道うん十年というベテランのオーディオマニアの方が多いので、「どう調整したら上手くいくでしょうか・・・」といった、少々自信のないスタンスになりがちである。

 我が家は数ケ月前にスピーカーをQUADのコンデンサー型に換えたばかり。まだまだどう調整すべきか手探りでの試行錯誤が続いている。これからも当分、あるいは相当な期間、その試行錯誤は続きそうである。

 そんななか、今日はNaruさん、tackさん、PONYTAILさんに我が家に来ていただいた。まずはCDから数曲聴いていただいた。

 その印象を窺うと「音がきつい感じがする・・・もう少ししなやかな方向へ調整したほうが良いでしょう・・・」という診断であった。

 我が家は、実はオーディオマニアにはあるまじき、ほぼポン置きセッティング・・・このポン置き状態では、なかなか良い結果を期待するのは難しそうである。結果を出すためには行動が必要・・・ポン置きを脱して、様々な微調整により音が滑らかになる方向に調整する必要があるようである。

 次にアナログ・・・実は最近CDはほとんど聴いていなかった。バロックのアナログレコードをディスクユニオンで次々に購入して、それを聴くのが日課になっていたのである・・・そのバロックのレコードをかけると、「アナログの方が良いですね・・・こっちの方が滑らかです・・・」とCDよりは良い印象のようである。

 QUADのコンデンサー型スピーカーから、もっとしなやかで旨みのある音楽を惹きだすには、まだまだ長い調整の道のりが必要のようである。

 「スピーカーを換えたら最低5年は鳴りませんよ・・・」これはNaruさんの持論である。「5年か・・・まだまだ先だな・・・」ちょっと気が遠くなった。

 「まずは、ポン置きから脱出すべきか・・・しかし、ポン置きの方が性に合っている気がしないでもない。マニア的な微調整には相当な根気がいるはず。そんな神経を使う調整過程が楽しめればいいのであるが、楽しめないと根負けしそうな予感もする・・・」

 「うちはそんなこだわってませんよ・・・見たとおりのポン置きですから・・・そんなに必死になるのは性に合わなくて・・・というのが今のところの我が家のオーディオルームのスタンス・・・しかし、それでは進化はない・・・」

 「確かに、それでは進化はない・・・やはりせっかくオーディオの世界に片足を突っ込んだのであるから、絶え間ない微調整の修行に精を出すべきでは・・・」

 「いや待て、マニア的な調整はそれこそミリ単位・・・鋭い音感も要求される・・・私の場合、そんなセンスを要する繊細な作業よりも、限界心拍数付近で息せき切ってロードバイクで坂を上っている方が合っているのかも・・・」

 「そうかもしれない・・・しかし、昔から文武両道ともいう・・・一方ではロードバイクで2Okm以上続く富士スバルラインを必死こいて上り、その一方ではスピーカーケーブルの下に敷くインシュレーターを数ミリ単位で動かしてオーディオの音を微調整・・・なんてこともできなくはないのかも・・・」

 私の心は行ったり来たり・・・なかなかまとまらない・・・その心模様が鏡に映るかのようにQUADのスピーカーから出る音もなかなかまとまらない・・・

2012/11/22

2443:入会  

 そのゴルフスクールはとても分かりづらいところにひっそりと存在していた。武蔵野美術大学のそばの道をくねくねと何度か曲がり、住宅地の奥深くに車を進めていかなければ着かなかったのである。

 「こんなところにあるのかな・・・」と少々いぶかしく思いながら、NAVIの指示通りに車を進めると、ようやくそのゴルフスクールは見つかった。

 PSDのシュミレーションシステムを備えた室内ゴルフスクールが小平市にあると以前大山さんから聞いていたのをたよりに、インターネットで検索したところ「ゴルフ・プラザ・ウチノ」がヒットした。

 インターネットの幾つかの画像を見てみると、PSD製のシュミレーションシステムと思しきものが映っていた。

 「これだな・・・ここなら自宅から車で10分ほどで着くはず・・・ここに行ってみよう・・・」と気持を決め、とりあえず入会申し込みをするためにそのゴルフスクールに行ってきた。

 「ゴルフ・プラザ・ウチノ」は、さほど大きくないビルの地下1階にあった。階段を下りて行き扉を開けると、店番の老人が出迎えてくれた。

 平日の昼間であったので、客は誰もいない。そこにはシュミレーションゴルフ・ルームが一つあり、それ以外にモニターの付いた打席が二つあった。

 入会金は2,500円とのこと。レッスンは1回3,000円。そのシュミレーションシステムはまぎれもなくPSD製のものであった。

 残念だったのは、シュミレーションシステムはひとつのみで、それ以外の二つの打席はスイングの画像は見ることはできるが、ボールの行方をコンピューターが予測し、スクリーンに表示するシュミレーション機能がないことである。これでは今打ったのがナイスショットであったのかミスショットであったのか判別することができない。

 実質的にシュミレーションシステムは一つだけということである。平日の昼間なら空いているだろうが、土日などはシュミレーションシステムがふさがっている可能性もある。少々気分が萎えた。

 「まあ、とりあえず入会してみよう・・・そしてレッスンプロによる画像を使ったレッスンを受けてみよう・・・自分のフォームがいかに歪か認識する良い機会でもあるし・・・」

 そう思って入会申込書に署名し、入会金を払った。ここでの定期的なレッスンが、いつか実を結び、90切り連発となるのか・・・あるいは、バーチャルな存在である鈴木プロの指導を再度仰ぐ破目に陥るのか・・・それはまだ分からない。

2012/11/21

2442:レッスン  

 私は現在、架空のゴルフスクールに通い、架空の存在である鈴木プロから、架空のアドバイスをもらっている。しかし、やはり架空のレッスンでは現実には対抗できない、ということが充分に分かった。

 今日は、そのバーチャルな存在である鈴木プロの助言に従い、チェ・ナヨンのスイングをイメージしながら臨んだ現実世界でのラウンドであった。

 スコアカードに記載された数字は、90切りには遠く及ばないものであり、「やはり現実世界において、ちゃんとしたプロにレッスンを受ける必要があるのかも・・・」という気持ちになった。

 今日のラウンドの場所は、相模原カントリー倶楽部であった。素晴らしいコースである。真っ平らな林間コースで、距離がとても長い。グリーンのコンディションは素晴らしく、スティンプメーターは、「10.3」とのこと。アマチュアが経験するグリーンとしては相当に早い方である。下りのパットはどこまでも転がっていくかのようであった。

 INスタートの午前中はパーが一つだけ。午後のOUTもパーが一つだけ。そのかわり、ダブルボギーは大漁であった。午前は三つ。午後は四つも獲れた。その結果トータルスコアは「95」。残念な結果である。

 「チェ・ナヨン作戦」は失敗に終わった。ダウンスイングの際に左腰の切れを意識して、スムースに振る・・・力感はそれほどなく、リラックスした上体が腰の切れに従って綺麗に回転するはずであった。

 しかし、出ていくボールはどことなく力ないもので、スライス回転がかかって右に向かい、距離もあまり出ない。フェアウェイを外し、グリーンを外し、さらにカップも外した。

 出てくる言葉は、「ちぇっ・・・なんだよ・・・」というものばかりで、当初予定した「チェ・ナヨンのようだ・・・」という言葉とは似て非なるものであった。

 今は真剣に現実世界においてプロのレッスンを受けることを検討中である。そのなかでの最有力候補は、シュミレーションシステムを備えた室内ゴルフスクールである。

 室内であれば、エアコン完備で夏・冬が楽である。シュミレーションシステムであれば自分のスイングを横と後ろからの映像で見ることができ、レッスンプロもその映像を見ながらアドバイスをくれる。これは効果が高いような気がする。

 PSDのシュミレーションシステムを使ったゴルフスクールが小平市にあると大山さんから聞いた記憶がある。小平市になら自宅からすぐ傍である。まずはそこで自分のフォームをしっかりと固める必要があるようである。

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