2012/9/30

2390:雨雲  

 台風17号は、やはり上陸したようである。夜になってから風が吹き出し、雨も強くなってきた。今の時間は雨は激しくは降っていないが、風が凄いことになっている。

 強風の唸り声は、凄味をきかせ、庭木は、根こそぎ倒されるのではないかと思えるくらいに激しく揺れている。

 明日の朝はどうなっているのであろう・・・台風一過ですっきりと晴れているといいのであるが・・・

 今日は朝のうちは良い天気であった。雲行きが怪しくなったのはちょうどお昼ごろである。その頃、6名で隊列を組みながら睦橋通りをひた走っていた。

 西から黒く厚い雲が迫ってきていた。風に乗って雨も軽く降ってきた。その雲から逃れるように東に向かって走っていたのである。

 ロングライドの帰りはいつもハイペースになりがちである。今日は台風が運んできている雨雲から逃れるためにも少々スピードをのせて走った。

 睦橋通りは、ほぼ平坦である。若干のアップダウンはあるが、ハイペースで走りやすい。敵は信号のみである。赤信号につかまると、連続してつかまるのである。そうするとストップ・アンド・ゴーの繰り返しとなってしまう。

 今日の目的地は「時坂峠」であった。朝のうちは良い天気であったが、天気予報は午後から天気は急激に下り坂に向かうと告げていた。そこで、比較的距離が短く、早めに戻ってこれるコースになったのである。1時には戻ってこれるはず・・・それまで天気は持つのでは・・・と思われた。

 時坂峠の楽しみは二つある。ひとつは上り終えた後の景色の良さである。峠の頂上からは山々が見渡せる。天気が良いと本当に見晴らしが良い。

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 もうひとつの楽しみは。峠の頂上から下り終えた後に食するちとせ屋の「おからドーナッツ」である。濃厚でクリーミーな豆乳と一緒に食すると、ほっと気持が落ち着く。

 「おからドーナッツ」をほおばっている時、雲は多少増えてはいたが、太陽はまだ時折顔をのぞかせていた。揚げたてのドーナッツは直接手で持つと熱いくらいであった。

 時坂峠の上りは3kmほど。結構斜度のきついところもあり、上りなれた峠ではあるが、気楽には上らせてくれない。今日は今一つ体調が良くなかったので、前半から飛ばさず、ゆっくりとしたペースで上がった。後半ペースアップする予定であったが、残念ながら脚が回らなかった。今一つの結果に少々テンションダウンしてしまった。「もう少しトレーニングに精を出さないと・・・」反省モードで峠からの景色を眺めた。

 峠に達するまでの道は通い慣れた道である。午前中は天気も良く、気持の良いライドであった。玉川上水に沿って五日市街道を走り、睦橋通りに入り、武蔵五日市駅を左折し、檜原村方向へ向かう。檜原村役場あたりは谷間なのであろう、涼しい空気が心地よかった。

 ロングライドの出発点はバイクルプラザの店の前である。集合時間は7時半。家を7時に出れば余裕で間に合う。しかし、今日目を覚ましたのは7時5分前であった。急いで飛び起き、あわただしく支度した。ヘルメットをかぶってロードバイクにまたがったのは7時11分。集合場所まで飛ばした。どうにかこうにか間に合った。

 今日のロングライドは、雨に追われ、時間に追われた。それでも走り終えると、いつものように心地よい疲労感に全身が包まれた。

2012/9/29

2389:ロングブレス  

 台風が近づいている。明日の夜には関東地方にも達する可能性があり、天気が大荒れになりそうである。明日は日曜日なので、雨が降らなければバイクルプラザR.T.のロングライドに参加する予定である。夕方まで雨が降らなければいいのであるが・・・朝から雨だと、ロングライドは中止となり、スポーツジムに行先が変更となってしまう。

 スポーツジムでは筋トレとエアロバイクで汗を流すことになる。しかし、実際にロードバイクで走る際に満喫できる爽快感は微塵もない。

 その爽快感がないことが少々ネックではあるが、キャパ向上のトレーニングとしては効果が高い。エアロバイクの負荷は5%程度の上りを上っているときに感じるであろう負荷に設定する。

 この負荷で1時間以上漕いでいると、やはり相当消耗する。キャパの向上は私にとっては課題である。上りの後半にスタミナ切れに悩まされることが多いからである。

 前回の単独ライドで上った山伏峠も前半は快調であったが、後半の粘りが今一つ。後半の粘り強さを獲得するためには、汗を大量にかいて、キャパ向上のトレーニングに励むしかないのであろう。

 ヒルクライムのキャパ向上には直接的にはそれほど関係ないかもしれないが、俳優のの美木良介が考案した「ロングブレス健康法」というものを最近知り、インナーマッスルを鍛錬するために取り組もうかと思っている。

 ロングブレスとは、強く長い呼吸を繰り返す呼吸法のことで、美木良介が長年にわたり悩まされてきた腰痛を克服するために考案したものである。腰痛には、腰や背中のインナー­マッスルを鍛えることが効果的。しかし、一般的な筋トレは、腰に負担がかかる。そこで腰に負担がかからず、腰痛を持っている人でもできる筋トレを独自に編み出したのである。

 このロングブレスの良いところは、時間が短くて済むというところである、1回の呼吸を10秒かけて行うのであるが、それを6回を行う。つまり所要時間は1分でいいとのこと。これを朝・昼・晩の3回行うというもの。

 「これなら続くんじゃない・・・1回1分・・・これがみそだな。」そんな気がするのである。まだ始めたばかりである。もう3日ほどになるであろうか。

 まだ検証中で、インナーマッスルを鍛える効果がいかほどあるのかは分からないが、予感としてはこれはそれなりに良い結果が出そうな気がしている。

2012/9/28

2388:エレメント  

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 1ケ月半ぶりの御帰還である。ノイズが出てしまい、修理のために旅立っていたESL989が、無事に戻ってきた。

 修理に出してから、連絡がないまま時間が経過し、「もしかして長期戦か・・・」と危ぶまれたが、どうにかそれほどの時間がかからずに修理が完了したので、ほっと胸を撫でおろしているところである。

 修理明細書というものが入っていた。見てみると、原因の欄には「4段目のエレメントの不良」と記載されており、処置欄には「4段目のエレメントの交換。ランニングテスト(24H)」と書かれていた。6段あるうちの上から4段目のエレメントがおかしかったようである。

 ちょっと不安に思ったのは指摘事項の欄に記入されていたことである。そこには「ノイズが出る。(2011年4月に全エレメント交換済み。)」と書かれていた。

 「ということは1年4ケ月前に交換したばかりなのに、不具合が出たというわけか・・・もしかしてまた1年半ぐらいたった時には6段あるうちの別の段のエレメントが不良状態となってもおかしくないのかも・・・」と少々、その行く末に不安を覚えた。

 1台で6段あるので、2台のESL989では合計12段のエレメントがある。その12段のエレメントが時間差攻撃してくることを思わず想像してしまった。今回は保証期間中であったので無償であるが、次回からは有償となる。エレメント1段の交換費用っていったいいくらなのであろうか・・・当分の間は知りたくはないところである。

 さて、早速巨大な段ボール箱からESL989を解放した。なりはでかいが、軽い。一人で十分に運べる重量である。

 本来は長旅の疲れを癒すため、セッティングしたら丸一日給電して休ませるべきではあるが、はやる気持を抑えきれず、レコードをかけた。ハイドンのオーボエ協奏曲である。

 間違いなくESL989の音である。左チャンネルの上から4段目のエレメントは既に他の11段のエレメントとなんら変わらない音の質感を奏でてくれているようである。12段のエレメントは女子十二楽坊のように息のあった演奏で、この狭い部屋いっぱいに音楽を充溢してくれた。

2012/9/27

2387:野辺山  

 中央高速の須玉インターを降りて、国道141号線に入る。野辺山方面へ向かう道は上り基調である。車のエンジン音の変わり具合で、上りの変化も分かる。

 「ここはきつそうだな・・・10%近くあるんじゃないだろか・・・」

 「このカーブ気持良さそう・・・ほぼ平坦に近い・・・」

 ロードバイクで走ったら、というイメージのもと感想が自然と心に沸いてくる。

 インターを降りたばかりの時は20度ほどあった気温も、野辺山駅に近づいてくるに従って徐々に下がってくる。目的地である野辺山駅近くの顧問先に到着した時には車の外気温表示は11度であった。ドアを開けて外に出ると、ひやっとした空気が体を包んだ。

 天気は良かった。山々は真新しい青空に輪郭をきりりと描き、颯爽としていた。今日は仕事であるが、来週にはここにロードバイクを持ってくる予定である。

 「グランフォンド八ケ岳」に参加するのである。全く初めてなので、どのようなコースを走るのかは分からないが、八ケ岳の麓を117km走る。高低差は1,000mとのことなのでそれなりに上りもある。

 タイムを競うレースではないので、しゃかりきになって走る必要はないが、周囲の人とペースを合わせながら走るのであれば、ある程度のスピードはキープしないといけないであろう。

 それと、今日の気温からすると、半袖のサイクルウェアでは寒そうである。当日の天候にもよるがやはりウィンドブレーカーは必要なはず。

 「今日のように晴れてくれるといいが・・・」

 今日は本当に良い天気であった。本来であれば車の荷室にロードバイクを積載して来たかったところである。しかし、夕方からも別の仕事の予定が入ってしまっていたので、今日の走行はなくなく断念・・・

 午前中に仕事を終え、須玉インターまで来た道を下っていった。帰りは延々下りが続く。ほとんどアクセルを踏み込むことなく、軽く足を添えているだけで車は進んでいく。

 下り坂の具合によって、ハンドルに付いているパドルシフトを操作してギアを選択する。エンジンブレーキの効かせ具合を調整しながら下っていった。

 気温は徐々に戻ってきた。須玉インターに入る頃には20度を超えた。

 ロードバイク関連のイベントとしては二つ目となる「グランフォンド八ケ岳」である。ヒルクライムレースのようなピリピリした空気感はないはずである。もっとおおらかな空気が流れているであろう。そんな今日の天気のように穏やかな雰囲気を楽しみたい・・・

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2012/9/26

2386:山葵  

 「近いんですか・・・そのお蕎麦屋さん・・・」

 「寧々ちゃん」は、昨晩の空気のようにさらっとした質感の言葉を返してきた。

 「ちょっと・・・遠いんですけど・・・」

 私は、少々ゆっくりとしたリズムで返答した。目には少しの戸惑いというか、なにかしら秘密を秘めているような、躊躇感が漂っていたのかもしれない。

 「どこですか?その店・・・」

 彼女は、ちょっと意味深な素振りで間延びした私の言葉が気になったのか、あるいは、私の視線の中に見え隠れした秘密めいた揺らぎを一瞬で感じ取ったのか、私の視線をしかと捉えて訊いてきた。

 「安曇野です・・・」

 音量を少し絞った。目盛りにして2つぐらいであろうか。顎を少し引いて、顔を少し彼女の方へ近づけた。彼女もそれにつられるように、顔を少しこちら側に近づけた。

 彼女は一瞬ポカンとした表情をした。そして、私の目を覗きこむようにした。私の真意を探るかのように・・・

 「安曇野って・・・長野のですか・・・」

 「ええ、そうです・・・10月はとても良い季節です。」

 「つまり、泊りですか・・・」

 彼女はうっすらと笑った。その表情は「そうきたか・・・」と言いたげであった。
 
 「日帰りはきついでしょうね・・・良い温泉もありますし・・・それにロードバイクで走るのにうってつけのコースもありますよ・・・」

 「随分・・・盛りだくさん・・・まさかヒルクライムじゃないでしょうね・・・それならお断りしますよ・・・」

 彼女の目は笑ったままであった。それは、彼女の中の感情が概ね肯定に傾いていることを示していた。

 「どこまでも平坦です・・・山を遠くに眺めながら、田園風景の中をひた走るコースですよ・・・とても気持良いはずです。」

 「でも、なんだか・・・ちょっと・・・危険な香りがしますね・・・」

 「危険な香りですか・・・人生に危険はつきものです・・・刺身にとっても山葵のようなものです。」
 
 私は静かに微笑んだ。そして、一言付け足した。

 「そうそう、安曇野は山葵の名産地です・・・水がとても澄んでいて綺麗なんです・・・」

2012/9/25

2385:思いつき  

 暑かった9月もさすがに息絶えた。蝉の声はすっかり昔の記憶の中に押し込められたかのように消えてしまい、気温も雨とともに一気に下がった。

 秋がしっかりとあたりを支配した今日は火曜日。火曜日はゴルフスクールの日である。7時ちょうどに昭和の森ゴルフ練習場に到着した。

 これだけ涼しいと快適である。ほとんど汗もかかない。随分と変わったものである。涼しくなったからであろうか、参加者も多かった。8名中7名が出席であった。

 「寧々ちゃん」も来ていた。唯一の欠席者である1名はNさんであった。「職場の親睦会があるそうですよ・・・」「寧々ちゃん」はそう話していた。

 先週から思いつきで始めたスイング改造は継続している。まだまだ安定性を確保したとは言えないが、どうにかものにしたいところである。

 鈴木プロは「トップでの頭の位置を注意した方が良いですね。頭はもうすこし後方に移動してもいいと思いますよ・・・首の付け根に軸があると意識して下さい。そうするとトップでは顔の位置は後ろに移動するはずです。顔の位置が前にあると突っ込みがちなスイングになります・・・」とアドバイスをくれた。

 1時間半のスクールはいつもより早く感じられた。終わってから、休憩コーナーに立ち寄った。「寧々ちゃん」とは久しぶりに顔を合わせる。先週、先々週と仕事の都合でゴルフスクールに参加できなかったからである。

 休憩コーナーのテーブルに二人で座った。暖かいコーヒーをこのテーブルで飲むのは半年振りくらいであろうか。

 近況に関して差しさわりのない話をしばらくした。

 「御主人は転勤ですよね・・・もうすぐ・・・」

 「ええ、もう荷作りも終わって、今週末に荷物を運ぶ予定です。」

 「寂しくなるんじゃないですか・・・」

 「そうでしょうか・・・たまに顔を合わせるぐらいの方が上手くいくような気がしています。」

 「まあ、結婚して20年も経てばそんなものかもしれませんね・・・」

 コーヒーを飲みながら10分ほど会話をしたであろうか。コーヒーを飲みほして、テーブルを離れて、それぞれの車に向かおうというタイミングで、私はとある思いつきを口にした。

 「そうそう、とても美味しいお蕎麦屋さんを見つけましたよ・・・鴨つけ蕎麦が絶品なんです・・・」

2012/9/24

2384:書翰集  

 安曇野のキーワードは「大人」であろう。「大人の避暑地」であり、「大人の別荘地」であり、「大人の観光地」である。

 軽井沢や那須にもそれぞれ良い点はあるが、落ち着き度とひっそり度という点において比べてみると、安曇野が秀でている。

 グルメ三昧の二日目、朝食は昨日鶏まるまる一羽と一緒に煮込まれたジャガイモ1個で済ませた。昨日のバーベキューの高級食材はまだまだ消化し終わっていない状態であったので、その1個で十二分であったうえ、鶏の旨みが芯までしみ込んだジャガイモは、冷めても美味そのものであった。

 二日目は雨であった。それもしっかりと降っている。一般に観光地に来て雨であれば興醒めになるのであるが、安曇野の雨はそうではない。やはり「大人の雨」なのである。

 雨にけむる木々は、静かに頭を垂れているかのように従順である。しなだれた枝や葉からは透き通ったしずくが絶え間なく地上に落ちてくる。その姿には傲慢さが微塵もない。時を静かに刻む砂時計の砂のように、そのしずくは重力に従う。

 バーベキューのかたずけを概ね済ませてから、「ガルニ」へ向かった。そこでカフェオレを飲みながら、穏やかな午前の時間を過ごした。

 昼食は蕎麦。Naruさん一押しの「大海」。開店時間は11時。その開店時間の前に着いた方が良いとのことで早めに車で向かった。

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 お勧めは「鴨つけ蕎麦」とのことで、それを各々一つ頼んだ。さらに十割蕎麦を二つ、「おまかせ」をひとつ、さらにサービスの煮物が付いてきた。

 まずは鴨つけ蕎麦。鴨の旨みが満ち満ちている。蕎麦は二八蕎麦である。その味わい濃い鴨汁に蕎麦を泳がせるように軽くくぐらせて口へ運ぶ。蕎麦はしっかりとしたコシがあり、鴨汁の濃厚な味わいと実に良くマッチする。

 また、これでもかといった具合に入っている鴨肉がまた美味である。やわらかく、実に噛み心地が良い。口中に広がる美味しさに、これが鴨肉の旨みか、と改めて認識する。

 十割蕎麦は二人でひとつを分けたが、先ほどの二八とは違い、噛めば噛むほど蕎麦の旨みが口に広がる。腰はさらに粘り腰となって、質実剛健なボディー剛性である。その実直ないでたちといい、味わいの深さといい、キレのある「洗練」というよりも「土着」的なしっかり感をまったりと感じさせてくれる。
 
 「おまかせ」惣菜とサービスで付いてきた肉じゃがもボリューム、味ともに満足感MAX。またまた胃袋は120%の積載量となった。

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 家族のためのお土産を買ってから、東京へ向けてひた走る前に、喫茶店へ寄った。「書翰集」と名付けられた喫茶店はひっそりと奥まったところに佇んでいた。

 雨の中に佇むその建物はシックである。センスのいい内装でまとめられた店内の壁にはTANNOYの15インチユニットを内蔵したスピーカーが置かれていた。

 真空管アンプで駆動されるTANNOYからは、整った木目を思わせるような音が静かに流れていた。「書翰集」の店内には「大人度」満点の雰囲気がコーヒーの香りとともに漂っていた。

 「ブレンドNO.3」を頼んだ。ネルでドリップした濃い目の味わいのコーヒーは、安曇野の味わいが凝縮されてるかのように感じられた。

 「書翰集」に流れている時間と香りと味わいは、安曇野のそれである。帰りの高速はきっと渋滞しているであろう。でも、黒い液体を飲みほしてカップをソーサーに静かに置いたとき、そんなことがあまりにも些細なことのよう思われた。

2012/9/23

2383:大人のバーベキュー  

 夜のバーベキューは、「大人のバーベキュー」である。炭火の出す赤やオレンジの色合いが、夜にはより色鮮やかである。夜になってさらにその音量を上げる秋の虫の合唱は、爽やかなBGMを無償で提供してくれる。

 夜にバーベキューをするのは、初めてである。バーベキューというと夏の暑い日に秋川や名栗川の川べりで子供たちとした記憶がよみがえる。

 子供たちはまだ小さく、川での水遊びに夢中である。アウトドア用の折りたたみチェアやテーブル、ガスコンロなどを持ち込み、焼き肉や焼きそばを作って食べた。子供たちが大きくなってしまってからは、それらの道具類は物置の奥にしまわれたままで、活躍する日を夢見ることもやめてしまったかのようにひっそりとその空間のみを占めている。

 「大人のバーベキュー」は、道具も本格的。「SOTO」や「SNOW PEAK」といった高級で実にしっかりと造りの道具が並び、間違っても「Coleman」などは出てこない。そういった点からも「大人度」が高い。

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 メニューは豊富である。ホタテ、牛ヒレステーキ、黒豚ステーキ、様々な野菜、まるまる一羽の鶏から取ったスープを使ったラーメンが締めである。

 メインディシュは牛ヒレステーキ。見るからに美味しいと分かる牛ヒレは横にしてもしっかりと立つ厚み。まずは塩・コショウをしてから炭火でじっくりと表面を焼く。こうして肉汁を逃さないようにして、仕上げは鉄板で・・・一口大に切り分けてから、皆でいただいた。

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 あまりの美味しさに全員、笑顔・笑顔・笑顔である。「美味しい・・・」「これはすごい・・」「うわっ・・・」といった、グルメ番組のレポーターにはなれないような平凡な感想しか漏れてこない。

 締めのラーメンを食べ終えると、お腹ははち切れそうである。「大人のバーベキュー」は、周到な用意、贅沢な食材、テキパキとした手順、そして最後は豪快な調理で、夜のひと時を実に楽しいものにしてくれた。

2012/9/22

2382:安曇野  

 安曇野の空気は高原のそれである。涼やかで柔らかい。木々は夏から初秋に向けて落ち着きを見せ始めていて、草むらから聞こえる秋の虫の声はすでに秋を謳歌しているようである。

 オーディオ仲間が連れだって安曇野までやってきた。集結場所はNaruさんの別荘である。サンフラワーさん、PONYTAILさん、私を入れて4名である。

 高原のさわやかな空気を浴びながら、温泉につかり、美味なるものをさんざっぱら舌の上で転がし、胃袋に収め、日々の疲れを癒し、英気を養う計画である。

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 まずは朝食。Naruさんの別荘からほど近いCafe「ガルニ」へ向かった。建物の佇まいからして何かが違う。気品と気合のようなものが漏れ出ている。夏の観光最盛期には店に入れないほどの人気店である。

 頼んだ「フレンチトースト」が運ばれてきた。しっかりとしたボリュームがあるうえ、このフレンチトーストが、やはり気品と気合というある意味二律背反的な要素を見事に融合している。「絶妙」という言葉をオーバーではなく使いたくなる具合である。一緒に頼んだカフェオレも思わずうなずきが漏れ出てしまう味わいであった。

 しっかりとお腹を満たし、尽きない話をした後で、車は「中房温泉」を目指して登坂路をひた走った。この幾重にも折り重なるように曲がっている登坂路・・・思わず「ロードバイクのヒルクライムの練習に最適・・・」と思ってしまった。

 距離は15km近くあったであろうか、斜度の変化は激しい、緩やかなパート、15%近くあるのでは思わせる劇坂パート、そして途中下りもあり、バラエティーに富んでいる。「これは練習になるな・・・走ってみたい・・・」ついつい車のアクセルにかけていた足に力がこもった。

 中房温泉のお湯は半透明、臭いもそれほどきつくなく、温度も体に優しい設定。露天風呂に入りながら、山を眺め、木々の緑を眺め、野鳥のさえずりに耳を休めた。

 「日本人で良かった・・・」つくづくそう思うひと時であった。のぼせ気味になると半身浴に切り替える。かなり高くまで登ってきたので気温はひんやりしている。火照った体に涼しい風は心地いい。結構長い時間をその露天風呂で過ごした。

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 ひとっ風呂浴びた後は、昼食・・・蕎麦屋「つばくろ」へ向かった。しっかりとしたつくりの純和風の民家、その建物の中は実にゆったりとした時間が流れている。

 我々が来るのを事前に知っていたかのように、店に置かれたPanasonic製のラジカセからはビートルズの楽曲がずっと流れていた。

 野菜のてんぷらと蕎麦のセットを頼んだ。実に実直な味わいである。奇をてらうことのないバランスの良さ、とでも言うのであろうか。素直な味わいに心も穏やかなる。ラジカセから流れるビートルズもとても良いバランスで音楽を奏でていた。

 最後は夕食・・・これは高級食材をこれでもかと用意し、Naruさんの別荘でバーベキューをする予定である。食材を求めて幾つかの店舗を回った。特に有名なお肉屋さんで購入したステーキ肉はちょっと並はずれた存在感があった。これは期待度大である。もちろんアルコールもたんまりと用意されている。グルメ三昧の一日はいよいよクライマックスを迎えようとしている。

2012/9/21

2381:復活  

 昼間携帯に着信があった。見慣れない番号であった。「誰からだろう・・・」と少々いぶかしくは思った。

 携帯に出ると「ロッキーインターナショナルの○○ですが・・・」とその電話の主は名乗った。「ロッキーインターナショナル・・・なんか聴き覚えのある名前だな・・・でもうちの事務所のクライアントではないはず・・・」と頭の中でその名前を反芻していた。

 すると「お預かりしていたESLの修理の件でお電話しました・・・・」と続いた。「あっ・・そうか・・・QUADの輸入代理店だ・・・修理の依頼をしていたESL989の件に関する連絡だ・・・」と事の次第を理解し嬉しくなった。

 ESL989が修理のために我が家を旅立っていったのは8月の上旬。9月も下旬に差し掛かり、「どうなっているのやら・・・」と少々心配していたのである。

 そんな折の連絡であったので、少々嬉しくなった。きっと直りましたという内容に連絡であろうと推測したのである。

 しかし、その瞬間ふっと悲観的な思いが脳裏をかすめた。「いやもしかしてそうではなく、イギリスに送らなければならなくなりましたので、あと数ケ月お待ち下さいという旨の連絡という可能性もあるな・・・」

 もしそうだとしてもがっかりしないようにしようという決意を持って、相手側の言葉を待った。

 「来週には修理が完了する予定です。来週改めてご連絡しますので、配送の日程につきましては、その時決めたいと思います。」

 「良かった・・・」ほっと胸をなでおろした。程度によっては修理に数ケ月かかることがあると聞かされていたので、少々心配であった。とりあえず、1ケ月半でESL989は我が家に戻ってくることになった。

 これで、漆黒のESL989は、近い将来に、再び我が家のリスニングルームで、2台揃い踏みの雄姿を見せてくれることになりそうである。

 修理の期間中は、右側のESL989単体でMONO再生を楽しんでいた。これはこれで乙なものではあったが、やはりSTEREOはSTEREOで聴きたい。二つあることは、やはり良いことである。



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