2012/6/29

2297:183号  

 「Stereo Sound」183号の特集記事は「現代パワーアンプのサウンドイメージ」。200万円未満13モデル、200万円以上12モデルの計25モデルの高級パワーアンプが取り上げられている。

 こういった特集記事はある意味定番である。「ありがちな・・・」といった印象で記事を読み始めたが、「あれ・・・」「いいの、これ・・・」「結構本音で書いているような・・・」「ここまで書くと広告来なくなるんじゃない・・・」と途中から興味深くなってきた。

 「これはきっと編集方針というか、記事を書く上での方針のようなものがはっきり変わったはず・・・」そう思った。

 いわゆる「提灯記事」に毛が生えたようなものばかり書いていたのでは、下がる一方の発行部数を維持することはできない、との判断があったのかもしれない。

 印象が良くなかったものはずばりと指摘し、印象が良かったものはしっかりと褒める。随分メリハリのある記事になっていた。

 「総じて繊細な表現力に乏しく、ここでは質より量を優先した大味な音と言わざるを得ない」「音楽としてのダイナミックな盛り上がりとは違って、爆発的な凄さに終わる。またオーケストラのような大編成曲では、表情や音色の幅が狭い印象で、表現の多彩さに欠ける。いったいどうしたのだろう。」

 そういった表現が幾つかのパワーアンプの試聴記事にまぎれているのである。「ここにもある・・・これもそういった表現かな・・・ちょっとオブラードにはくるんではあるが・・・」褒め言葉ではない表現を見つけては、楽しんでいた。

 オーディオ雑誌に載っている試聴記事というものは、紋切り型というか、読んでもほとんど記憶に残らないものが多い。そういった記事ばかりだと、だんだん興味は薄れてきてしまう。今回のようにしっかりとメリハリをつけてもらえると、なんとなく信憑性が高くなるような気がしてくる。

 「今後もこういった方針で記事を書いてほしいな・・・」そう思った。そんなメリハリのある今回の特集記事で、べた褒めされていたのが、FIRST WATT「SIT1」。出力10Wという異例の小出力アンプである。

 ネルソン・パスのプライベートブランドであるFIRST WATTから出た新製品である。見た目は無骨。よく言えばシンプル。

 「大傑作である。」「オーディオ装置で音楽を聴く素晴らしさを再認識させた感動的な音である。」そういった表現が並んでいた。今回の特集記事のなかでは「本当ではないか・・・」といった気にさせるのである。



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