2012/6/2

2270:スイングアリーナ  

 スイングアリーナに着いた時、天気は薄曇りであった。気温は程よい感じで、車から降ろしたキャディーバッグを店まで運んでも、汗ばむということもなかった。

 受付を済ませ、店の一番奥にあるVIPルームへ向かった。ここには、シュミレーションマシーンのほかに、ソファなども置いてあり、豪華な雰囲気である。

 扉を閉めると完全に個室となり、周囲の視線を全く気にすることなく練習できる。まずは練習場モードで、練習。3人が順番に打った。

 スイングしてボールを打つと、ボールはすぐ前のスクリーンに当たる。打った瞬間、コンピューターが、初速やボールの回転、ヘッドとのミート具合を瞬時に計測して、ボールの行方を予測する。その様子はスクリーンに表示される。

 飛んだ距離や曲がり具合などすべてが表示されるので、自分のショットの精度がよくわかる。Nさんは「これって良いですね・・・普通の練習場だと、どうしてもボールの行方が気になってしまって、ボールをすぐさま目で追ってしまいますが、これだとボールの行方を気にせずに済むので、自分のスイングに集中できます。」と印象を述べた。

 確かに、そうかもしれない。日中の練習場では打ったボールが見づらいことがある。そうなると打った後ボールの行方が気になって、自分のスイングの検証が疎かになるのである。

 30分ほど練習モードで肩慣らしをしたあとは、「じゃあ、どのコースにしますか・・・」と言って幾つかのコースの中から一つを選択した。

 コンピューターの中には、そのコースのデーターがすべて入っていて、シュミレーションゴルフによるラウンドが始まる。

 私は心の中で迷っていた。「直線スイングを試してみるか、従来通りのパターンでいくのか・・・直線スイングはまだ取り組み始めたばかり、しっかりと身についたとは言えない。試してみてもその結果は良くないはず・・・でも、せっかく取り組み始めたのに・・・」などなど、いろんな思いが心の中でくるくる回転する。

 「とりあえず、前半は直線スイングでいってみるか・・・結果が悪かったら、後半はもとに戻そう・・・」

 最初のティーショット・・・「重心を右に移動して、左に直線的に移動する、腰の回転も、肩の回転も、クラブの動きも、その重心移動に伴って自動的に連携して動く・・・」そうイメージして、打った。

 多少左に出たが、まずまずの結果。表示された距離は230ヤード。スウィートスポットを少し外れたようである。

 3人が交互に打って、その後はピンから遠い人から順番に打ってゆく。ラフやバンカーでは通常に比べ飛ぶ距離は少なくなる。その比率も事前に表示される。

 細かなところでは、シュミレーションゴルフ独特の要素が入ってくるが、ショットに関してはとても練習になる。しかも、自分のスイングを撮影できて、それを確認できるので、ミスをした場合の原因もよく分かる。

 3人ともときどき自分のスイングを映像でチェックした。「これってオーバースイングですよね・・・」「後ろから見ると、テイクバックがずいぶん内側に上がっていますね・・・トップではクラブが飛球方向とはクロスしてしまっているし・・・」「これって、明らかにアウト・イン軌道ですよね・・・」などなど、改めて自分のスイングを映像で見せられると、自分がイメージしている動きと実際の動きがかけ離れていることが分かる。

 結果は3人ともそれほど良いものではなかった。特にショートゲームとパッティングは実際の感覚とのずれを調整する必要があったので、少々てこずった。

 「おもしろかったし、これって練習になりますね・・・これが家にあったら、相当上達しそう・・・でも恐ろしく広い部屋がいりますけどね・・・」Nさんは、そう言って笑った。 

 とりあえず、結果は良いとは言えないが、直線スイングでとおしてみた。「もっとしっかり身についてくれば安定性は増してくるはず・・・」そう思えた。

 「寧々ちゃん」は常に笑顔であった。屈託なく笑い、楽しんでいるようであった。その笑顔はとても眩しかった。



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