2012/3/27

2203:そばがき  

 「そばきり すゞ木」の「そば三昧」は、とても美味であった。しかも価格が1,500円ととてつもなくリーズナブル。この倍の値段を払ってでも納得のクオリティーであった。

 「そばきり すゞ木」にNaruさん、tackさん、チューバホーンさんと一緒に行ったのは、3月11日・・・その全く同じ日にGRFさんも同じ店に行かれていたとのこと。

 一昨日、その話をGRFさんから伺って「全く奇遇ですね・・・」と驚いた。私達が店を出た直後にGRFさんはご家族と一緒にこの店を訪れたようである。同じく「そば三昧」を頼まれ、その味の良さと値段の安さに感心された。

 この「そば三昧」・・・ひとつひとつの料理はゆっくりとしたリズムで出てくる。素材を十分に吟味し、手間ひまをしっかりとかけて、丁寧に仕上げている。

 その姿かたちは、押し付けがましさの全くないものである。虚飾を廃したとでも言うべきか、その自然で奥ゆかしい料理を一口食べると自然と頬が緩む。その滋味あふれる味わいはお腹ばかりでなく、心も満たしてくれた。

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 GRFさんのお宅を訪問したのは半年ぶりくらいであろうか、この部屋の本来の主であるTANNOY GRFの音を久しぶりに堪能することができた。

 この部屋はかって「GRFのある部屋」であったが、現在は「GRFもある部屋」になっている。というのも「世界の銘器」と評すべきいくつかのスピーカーがこの部屋めがけて集結してきたからである。

 そのため、TANNOY GRFはしばらく主役の座を明け渡していたのであるが、今はその本来のポジションを回復して、その存在感を改めて静かに主張していた。

 TANNOY GRFの音は押し付けがましさがない。低音は風のように吹き出す。重々しい低音ではなく、軽く吹きつけるような低音である。

 この低音がコンサートホールの広い空間を見事に再現する。TANNOY GRFは密閉箱ではない。バックロードホーンという構造からくるのであろうか、箱鳴りを感じさせない風のような低音は実に気持が良い。

 もし、私がこの部屋のオーナーであれば、TANNOY GRF以外のスピーカーは全て処分するであろう。プレーヤーやアンプなどの機器も部屋の隅に目立たないように設置し、この広い部屋の中にはあたかもTANNOY GRFと自分だけがいるような構成にしてしまいたくなる。

 TANNOY GRFとひっそりと対峙し、言葉少なに音楽について会話したい。「この指揮者は、相当理智的な性格だな・・・品性が高い・・・しっかりとした構成力を有している・・・」「このピアニストはあまりモーツァルト向きじゃないかも・・・ちょっと表現が重い、べートーベンあるいはシューベルルト的なタッチだな・・・」「このゆったりとしたテンポで、刻々と変化する光の具合を表現するかのような演奏は実にレベルが高い・・・」そんなことをTANNOY GRFに語りかけてみたい。きっとTANNOY GRFはゆったりとした体躯を身じろぎもせず、その問いかけに静かに答えてくれそうである。

 TANNOY GRFが紡ぎだす音楽に耳を傾けていると、耳だけでなく、心も満たされてくる。何故かしら「そばきり すゞ木」で食した「そばがき」の味わいが思い出された。



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