2012/3/18

2194:柔軟性  

 「ホ・オポノポノ」のセミナーは巨大な教室で行われる大学の講義のように進行した。スクリーンに映像を映しながら、講師が講演するのである。

 講師はハワイ在住の大学の教授のようで、英語で説明し、それを通訳の女性が適宜訳した。ところどころで、受講者に質問させて、それに答える。その流れはよどみなくスムースでところどころユーモアを交えるので、聴いているものを飽きさせない。

 「寧々ちゃん」は真剣な表情で聴き入っていた。ところどころテキストにメモし、その講師に向けられた眼差しは凛としていた。

 彼女はここ数年、心の安定感を欠くことがたびたびあったようである。大きな病気を経験し、死の恐怖に怯え、手術により子宮と卵巣を摘出したことによりホルモンバランスも狂ったようである。さらにご主人との関係もぎくしゃくとしたこともあり、そういった様々な要因が積もり重なって、彼女の気分をひどく落ち込ませる不定愁訴に襲われるようになっていた。

 そんな彼女であるので、このセミナーから得られるものに、大きな期待を抱いているようであった。軽い欝病的な症状を見せるので、ご主人は医師による治療を勧めたが、彼女は一旦薬に頼ってしまうと、そこから永遠に抜け出せなくなるのでは、と心配していた。

 「一種の依存症のようなことになってしまう気がする・・・そうなると怖い・・・」彼女は以前そう漏らしていた。

 このセミナーで得られる知識やノウハウが彼女の心の安定に大きく寄与してくれることを私は祈るばかりである。今、彼女は安定期である。しかし、いつまた、彼女を海中の奥深くへ沈みこませてしまう大きな黒い波が襲ってくるかわからないのである。

 「ホ・オポノポノ」のセミナーの内容は、従前のある程度固定化された価値観や世界観からすると、受け入れ難く、荒唐無稽なようにも思える。

 この考えを受け入れるには固定化された観念の枠を一旦取り外し、相当に拡大しないと収まりきらないものである。参加している方の大半は受け入れているようであった。

 参加者の9割は女性で、そういった柔軟性は女性の方が持ち合わせているようである。私のような中高年男性はきっと一番頭が固く、従前の価値観や世界観と相容れない内容に関しては、きっと最後まで根強く抵抗してしまう種族なのであろう。

 セミナーは10時から5時まで。時折休憩を入れ、昼食時には1時間半ほどの休憩があった。休憩時女性は大変である。1,000人を超える参加者がいるので、トイレの前には長蛇の列ができるのである。

 昼食休憩のとき、二人で外に出て食事をした。雨の中傘をさしながら少し歩いた。神谷町の方に行くと、ファミリーレストランがあったので、その中に入った。



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