2012/3/17

2193:セミナー  

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 神谷町の出口を出て、空を見上げた。雨は絶え間なく降り続いていた。空気は雨によって冷やされてたのか、私の周囲に冷淡な装いでまとわりついてきた。

 神谷町から六本木一丁目へ抜ける道はいくつかあるが、城山トラストコートを抜けていく道は周囲に木々が植えられ、雨の音に混じって、鳥の声なども聞こえてくる。ここが都心であることをしばし忘れさせてくれる。

 視線を少し上に向けると、木々の隙間からは、高いビルが垣間見れる。そして、ここが都心であることを思い出すのである。

 上がり基調の道をしばらく歩いて行くとスウェーデン大使館の脇に出る。そこを左折すると、もうすぐ目的地である。

 六本木ラフォーレ・ミュージアムのビルはシックなたたずまいであった。地下に降りるエスカレーターを下ると、大きな会議場がある。その入口で彼女と待ち合わせていた。

 時計を見た。時刻は9時半を少し回っていた。相当な人数の人がこのエントランスに集まっていた。その群衆のなか、しばらく周囲をきょろきょろ見渡していた。

 数分したら見慣れた彼女の顔を見つけた。向こうもこちらに気付いたようである。にっこりとほほ笑んでこちらに近づいてきた。

 「すごい人ですね・・・」私は思いのほか参加者が多いので、会うなり彼女にそう話しかけた。

 「ええ、そうですね・・・」彼女は雨に濡れたコートをハンドタオルで拭きながら答えた。

 「寧々ちゃん」と会うのは、先週の目黒以来である。二人っきりで会うのは今後控えようということになっているが、今日は以前から「ホ・オポノポノ」のセミナーに一緒に参加することになっていたのである。

 厳密には二人っきりではない。会場には1,000人を超す人数の参加者がいたからである。しかし、実質的には二人っきりといっていい状況であった。

 大きな会場に用意された椅子はほぼ大半が埋まり始めていた。二つ並んで空いている席を探すと会場のやや後ろの方にしかなかった。

 参加者の9割は女性である。予想以上の会場の広さと参加者の多さに少々圧倒されてしまった。もう少しこじんまりしたものを想像していたのである。 



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