2012/2/18

2165:ツイード・ジャケット  

 最寄り駅から10分ほどで目的のバス亭に着いた。バスを降りると、tackさんの和やかな笑顔が迎えてくれた。バス停は大規模に開発された分譲地に面していた。

 新しい建物が綺麗に並んでいる分譲地のなかに入っていくと、ここの建物は、デザインはそれぞれ異なるが、共通のトーンと意匠で上手にまとめられている。その効果であろう上品で優雅な雰囲気に溢れていた。

 建物の色合いのベースは薄い茶色であろうか、ナチュラルで嫌みのない色合いとデザインの洒落た一戸建てが建ち並ぶ一角にtackさんのご自宅はあった。

 理想的な郊外の生活を彷彿とさせる佇まいのその家の玄関を入り、リビングルームに案内されると、UNICORNさんが先に着いてらした。

 そのリビングルームには、圧倒的な存在感をもってJBLの大型スピーカーが鎮座していた。そのスピーカーは、Model4343・・・往年のオーディオマニアにとってはあこがれの的であったスピーカーである。

 残念ながら私は往年のオーディオマニアではないので、その存在について多くを知らない。このモデルは日本で大変人気があり、とても売れたそうである。

 決して日本の住宅事情に合致しているとは思えないサイズではあるが、その当時のオーディオマニアが心奪われ、どうしても手に入れたくなったのも納得させられる、存在感とオーラの発散具合である。

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 特に感心するのは、そのフロントバッフルの色合いである。青色なのであるが、単純な青ではない。鮮やかで明るい青ではなく、ほんの少しグレーが入っているのであろうか・・・渋い青である。大人の青ともいえようか・・・

 その青のなかに38cmのウーファーをはじめとする4つのユニットが埋め込まれている。エンクロージャーはウォールナット仕上げ。そのウォールナットの茶色とバッフルの青とが、これまた類い稀なハーモニーを醸し出す。

 この4343を駆動するシステムが、また凄いメンバー揃いである。トランスポートはワディアの270。DAコンバーターは同じくワディアの27。プリアンプはマーク・レビンソンの32。パワーアンプはゴールドムンドの9.5である。なんだか、オールスター軍団といった趣である。

 tackさんが普段よく聴かれるのは、ジャズやポピュラー。何枚かCDを聴かせていただいたが、どれもセンス良く、「じっくり、聴かせる系」のものが多い。

 帯域バランスも破綻なくまとまり、4343が放つ低音は、その38cmウーファーの見た目の凄みとは裏腹に軽やかで弾力感がある。ドテッとしていないのである。出るとこは出るが、だらだらしていない・・・

 演奏している奏者がゆとりを持って楽器を奏でているといった風情がある。中高域に変な癖がないこともそう感じさせてくれるのであろう。

 UNICORNさんと私が持参したCDも聴かせていただいた。私はいつものとおりクラシックのCDを何枚か持ってきた。ビバルディ、スメタナ、ハイドンと聴かせていただいた。その中ではハイドンとの相性が一番良かった。

 ハイドンはどちらかというと地味目・・・目立たないが、実は良いもの持っている・・・という感じの作曲家・・・tackさんのお宅の4343も、これ見よがしな派手さはないが、しっかりとした大人の風合いが身についている。

 「落ち着き」とでも表現すべきであろうか・・・体にしっかりと馴染んだ感のあるツイード・ジャケットのような風合いを、感じさせてくれた。



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