2012/1/24

2140:白銀  

 朝、ベッドの中で目を覚ました時、ある程度は覚悟はしていた。昨日の夜から降り続いていた雪がそれなりに降り積もっているであろうことは、充分に予想できた。

 目を覚ました時はまだ外は明るくなってはいなかった。耳を澄ますが、全く音がしない。鳥の鳴き声も聞こえない。積もった雪がかすかな音も全て吸音してしまっているのであろう・・・無音という意味合いが否応無しに理解できる程の静寂である。少々不気味さをも感じさせる。

 目覚まし時計に目をやると6時半でであった。あと3O分ほどでベッドを出なければならない。その前に窓の外の景色を確かめようかと思うが、真っ白な別世界が広がっているのを目にするのはどうにも気が重い。

 真っ白な世界はある意味美しい世界である。しかし、通勤のことや、雪かきのこと、さらに仕事への影響なども考慮すると、小さな子供のように心からはしゃげる景色ではけっしてないからである。

 7時になってようやくベッドから出た。そして窓のブラインドを開けて外の景色を見た。予想していたとおり白銀の世界である。

 新聞をとりに外に出て雪を踏みしめてみると、積もった量は凄くはないが、低温のせいかシャリシャリとシャーベット状に凍っている感じである。

 「これは、滑るな・・・車での通勤は危険だから止めておこう・・・歩く時も気をつけて歩かないと、すってんころりんってことになりそうだ・・・」

 結局、今日は車のハンドルをにぎることはなかった。自宅から駅まで歩き、電車に乗ってさらに駅から事務所まで歩いた。

 「確か、かかとから着地するように歩けば滑らないだよな・・・」そんなことを考えながら駅まで歩いた。その途中で目にした、晴天の明るい光に照らされた真っ白な世界は、独特なユートピア感に溢れていた。現実的にはいろいろと困ることの多い積雪ではあるが、そのときばかりは「たまにはいいかも・・・」と少々現実世界を離れた考えも浮かんだ。

 今日は日中天気が良かったので帰る頃には雪は概ね消滅していた。「どうやら明日は車で通勤できそうだ・・・」自宅周辺の道路の状況を確認して少しほっとした。

 それにしてもこの冬は結構本格的である。厳しい寒さに近年珍しい積雪・・・個人的には暖冬が好きではあるが、本来冬はこういうものであろう。

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