2012/1/16

2132:共鳴現象  

 ROKSAN ARTEMIZは機械的な精緻感に溢れている。つや消しの黒で色取られたその姿は直線基調で、シャープな造形である。その調整機構はダイヤルなどが着いているわけではなく、きわめてアナログ的な手法で構成されている。

 その立ち居振る舞いは、日本の古武道に通じるような気品ある緊張感にみなぎり、それを所有し実際に手にする喜びをオーナーに味合わせてくれる。

 チューバホーンさんのARTEMIZは、Naruさんの手によって改良が加えられ、BENZ-MICROのカートリッジであってもオーバーハングが合うようになった。

 改良型ARTEMIZが新たにXERXES20に装着され、入念に再調整された。それとともに、スピーカーのセッティングにも手が加えられ、チューバホーンさんのリスニングルームは新たなバランスとなった。

 チームでのロングライドの予定が入っていたので、残念ながらバランス調整の過程を実際に確認することは出来なかった。私がチューバホーンさんのお宅に着いたのは4時を過ぎていた。既にNaruさんとチューバホーンさんによる調整作業は3時間以上続いていたことになる。私が到着した時にはその調整作業は終末を迎えようとしていた。

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 1週間前にもチューバホーンさんのお宅に訪問した。そのときは従来の横長配置から縦長配置に変わったばかりで、スピーカーは交差方で設置されていた。

 縦長配置であることは変わりがないが、スピーカーはほぼ平行設置になっていた。ほんの気持ち程度に内振りがつけられていた。パワーアンプはスピーカーの間に移動した。

 私が部屋に入った時、ユーミンの「卒業写真」がかかっていた。その音を聴いて「ずいぶんと質感が変わったな・・・」ととっさに思った。低域の下支えが厚く力強い。声の自然な響きが音楽への誘いを情感豊かに紡ぎだす。先週お邪魔したときは、正直なところ内心「あれっ・・・」と思ったのであったが、今回は全く別次元の音がリスニングルームに広がっている。

 続いてレコードはビートルズのアビーロードに変わった。TANNOY LANCASTERから放出される音世界はグルーブ感の充溢した素晴らしいものである。さらにクラシックのレコードも数枚聴いたが、先週の音とは全く別物になっていた。

 オーバーハングがぴたっと合い、ARTEMIZとXERXES20の微調整もピンポイントで決まり、この部屋におけるベストポイントにスピーカーが収まると、全ての機器の波長が同調し合い、共鳴して、有機的なうねりを自然発生的に作り出したようである。

 これが「鳴り出す」ということか・・・全てはバランスと共鳴か・・・私のリスニングルームでもこの稀有な現象を起こすべく「調合作業」を根気良く進めていこう。



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