2011/11/5

2060:祭礼  

 「あれ、予報よりも早く降ってきたな・・・」常磐道を南下し三郷ジャンクションで外環道に入るため左斜め方向に車を走らせていると、車のフロントガラスには雨粒がその痕跡を残し始めてきた。

 土曜日の夜、行楽地からの帰りの車で断続的に渋滞している高速道路の下り線を走りながら、たった今聴いてきたばかりの巨大なスピーカーのことを思い出していた。

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 Oさんのお宅のリスニングルームは24畳ほど。広い専用ルームには、一度見たらけっして忘れられないであろう程にインパクトのある造形の巨大なスピーカーが鎮座していた。

 それはスピーカーというよりも、神を祀る巨大な造形物のような、あるいは現代美術のオブジェのような、威圧感のある佇まいであった。

 背の高さは優に2mを超える。巨大な円が三つ積み重なり、さらに小さな二つの円が脇を飾っていた。部屋に入った瞬間一同はその巨大な造形物に感嘆の声を上げた。

 パーサーIさん、Kさん、Mさんと一緒にお邪魔したOさんのお宅は、敷地も家もゆったり広々としていた。その広い家の一角に専用ルームがあり、そこに祀られていたのはフィールド型スピーカーである。真空管式のアンプで駆動されるその音は・・・

 「速い・・・音が速い・・・」スピーカーの物理的な大きさは巨大であるが、その大きさを感じさせない音の俊敏さである。音が直進してくる際の風を感じるかのごとく「浴びる」感じで音楽が降り注いでくる。

 「この音に慣れてしまうと、箱型のキャビネットを持ったスピーカーの音がかったるく感じられて・・・」とOさんはおっしゃられていたが、その言葉がうなずける音の直進スピードである。

 「あたかも、目の前に奏者がいて演奏しているような生っぽさ・・・」そういった臨場感の感じられる音に一同感心・・・見慣れている、あるいは聴き慣れている、キャビネットを持ったスピーカーの鳴り方とはかなり異なった音の出方である。

 「世の中にはいろんなスピーカーがあるものだ・・・」改めてその稀有な存在感に感心した。そして、Oさんのオーディオにかける並々ならぬ情熱にも、「どこから湧いてくるものだろう・・・」と感心せざる得なかった。

 外環道を大泉方向に進むに連れて雨は本降りになってきた。渋滞により連なった車の赤いテールランプの帯がどことなく神秘的に感じられたのは、祭礼に参加してきたような気分であったからであろうか・・・



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