2010/12/19

1741:有袋類  

 ドラえもんを見るとある女子大生のことを思い出す。その子とは二十数年前、私が大学生だった頃に一度会ったきりである。特別なことは何もなった。通っていた大学の近くにある女子大との合コンで知り合い、二次会で隣り合っただけである。

 彼女は一次会でそれなりに飲んでしまったようで、結構酔っていた。ろれつも多少回っていなかった。彼女はそのろれつの回らない口調で私に訊いた。「ドラえもんって男でしょうか、女でしょうか?」

 いきなりの意味不明の質問に多少戸惑いながらも、私は答えた「そりゃ、男でしょう・・・」「ブッブー、残念でした。ドラえもんは女でした・・・」「えっ・・・妹のドラミちゃんに『おにいちゃん』って呼ばれていたような気がするけど・・・」

 そのつっこみにはとりあうことなく彼女は続けた。「ドラえもんは猫型ロボットではなく、実は有袋類型ロボットなのです・・・」「何、ユウタイルイって・・・」「カンガルーのように有袋類なの・・・」

 「その証拠にドラえもんのおなかには袋があります・・・」「あれって袋だったの・・・ポケットだと思ったけど・・・」「袋なの!」彼女のきっぱりした口調に押されて「なるほど・・・」とうなずいてしまった。

 「有袋類でおなかに袋があるのはメスだけなの。だから、ドラえもんは女なの・・・。一度でいいからカンガルーの袋に入ってみたいな・・・ドラえもんの道具で体をぐんと小さくしてもらって、もぐりこんでみたい・・・」彼女はアルコールによって多少うつろになった目付きでそう言い放った。

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 今日は、pontaさんと一緒にhijiyanさんのお宅を訪問した。hijiyanさんのリスニングルームは8畳の洋間。音響パネルが正面と側面の多くの部分を占めている。さらに天井やリスニングポイントの背後にも音響を考慮した対策が施されていた。それらは白く色づけされていたのでどことなく高貴な風情を醸し出す。

 スピーカーはB&W 802D・・・どことなくドラえもんを髣髴とさせるシルエットである。SACD・CDプレヤーはDENON製。プリメインアンプはSANSUIのがっしりとしたものである。CDプレーヤーとプリメインアンプはいずれも出川式電源が搭載されている。残念ながら出川式電源については知識がまったくない。しかし、hijiyanさんによるとこの出川式電源が相当音のエネルギー感を高めているとのことである。

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 まずは女性ボーカルから聴かせていただいた。シンセサイザーを効果的に使ったダイナミックな音楽である。そして、その音の出方というか、聴こえ方に驚いた。

 音が360度の方向から降り注いでくるのである。その包まれ感は、前面の二つのスピーカーのみからもたらされているとは、にわかには信じがたいほどで、思わず後ろを振り返って、背面にスピーカーがないことを確かめたほどである。音楽の球面体に体の周りを包まれたかのような印象を受ける。

 B&W 802Dは量感豊かな低域を放ち、ダイヤモンドトゥイーターはきらきらと光り輝くような華やかな高域をふりそそぐ。それが、数多くの音響パネルで拡散され部屋の隅々まで行き渡るのであろう。

 クラシックを聴くと、一階席のかなり前のほう、かぶりつき状態で聴く時のように音の洪水が押し寄せる。hijiyanさんは一階席の三列目でオーケストラを聴かれるのが好きとおっしゃられていた。まさにその感じである。

 hijiyamさんのリスニングルームでは、巨大なカンガルーの袋のなかに包まれるように、音楽に包まれる。その音楽の球面体のなかにいるとき、ふとあの時の女子大生の言葉が思い出された。「きっと幸せだと思うんだよね・・・その袋のなかでは・・・」



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