2010/12/31

1753:二つのTANNOY  

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 時折、夜明け前に目が覚めることがある。大概はすぐにまた寝入ってしまうが、しばらく眠れないまま時間を過ごすこともある。時間は3時か4時ごろであろうか・・・

 暗いなか、目を閉じたままベッドでじっとしていると、遠くのほうから新聞配達のバイクの音が聞こえてくる。止まってはポストに新聞を入れ、また走る。一定の間隔でエンジン音が近づいてくる。

 わが家のポストにも新聞が入れられる音が聞こえる。毎日当然のことととして繰り返される何気ないことなのであるが、その音が何かしらスイッチが入れられる「カチッ」という音のように感じられる。

 普段はすっかり寝入っていて、気づくことのない音である。設定されたタイマーによって自動的に電源が入る電気器具のように、新聞がポストに投げ込まれる音によって各家庭に主電源が入るのではないかという気になってくる。

 今朝も夜明け前にその音を聞いた。暗いうちに目が覚めて、普段ならまた寝入るところなのであるが、今日は目が冴えてしまった。どうやら1階のリスニングルームに静かに佇むTANNOY CORNER LANCASTERの存在がそうさせているようであった。

 2日前の29日に横須賀市まで、TANNOY CORNER LANCASTERを聴きに行った。そのあまりに美しい姿かたちにすっかり心を奪われた。何枚かのレコードを聴かせてもらったが、その音の基本的な素養は、私の耳には幾分厳格さに溢れているような気がした。

 個人的な好みからするともう少し柔和な表情を見せてほしいところであるが、モニター・レッドを擁するCORNER LANCASTERは、高貴ではあるが硬い表情を崩すことはなかった。心は、右、左と落ち着くことなく揺れ動いていた。しかし、その揺れは時間が経過していくごとにある一定の方向へ収束していった。

 かけていただいたレコードは、4枚目になろうとしていた。店に着いてからすでに1時間半ほどの時間が経過していた。飲み干したコーヒーカップの底に少しばかりたまっていた黒い液体を眺めながら「年内に納品はできますか?」と店主に問いかけた。

 店主の表情はパッと明るくなり「今、運送屋に問い合わせてみます・・・」と奥にある事務所のほうへ足早に向かった。しばらくして店主が戻ってきた。「今晩でもいいですか・・・」「えっ、今晩ですか・・・ええっと・・・大丈夫です・・・」

 そんなこんなで、わが家の1階のリスニングルームにはTANNOY CORNER LANCASTERが佇んでいる。相変わらずまだ微笑むことなく、警戒心を解いてくれてはいないが、これから長い付き合いとなりそうである。

 以前はわが家のオーディオ事情を記事にする際には「我が家には二つのスピーカーがある」という書き出しで始まることが多かった。しかし、これからは「我が家には二つのTANNOYがある」という書き出しで始まることになるであろう。

2010/12/30

1752:メトロノーム  

 このCORNER LANCASTERは、ユニットがモニター・レッドである。わが家のCHATSWORTHはモニター・ゴールドが入っている。レッドはゴールドの一世代前のユニットである。

 ビンテージ・オーディオの世界では一般に古い時代のものの方が価格が高い。希少価値があがるからであろう。TANNOYのユニットの場合も同様で、ゴールドよりもレッドのほうが価格が高い。

 しかし、価格が高いのは希少価値が高いからで、オーディオ的な性能が高いからではない。レッドはゴールドに比べると一般的に音の傾向が硬く、シャープであるといわれている。ゴールドは開放的で伸びやかな鳴りの良さが特徴で、レッドは楷書的な音の出方であり、一種の厳格な威厳のようなものを感じさせる。

 もちろん、これは一般的な傾向にすぎない。キャビネットの形状や組み合わせるアンプによって変わってくるし、使用する部屋やセッティング、その他の使いこなしによっても当然その印象は変わってくる。

 さて、その最初の音の印象であるが、思ったよりは高域にきつさはなかった。しかし、明らかにゴールドの開放的な明るさとは違った音の質感である。

 我が家のCHATSWORTHに比べると、線が細めで高域よりのバランス。しかし、音情報がしっかりと出てくる。コーナー型のキャビネットはより剛性が強くなるので、キャビネットの響きも少なめ。間接音成分よりも直接音成分の比率が高くなる。

 ユニットの状況はかなり良いようで、その響きに耳につく歪み成分が乗ってくることはない。キャビネット、ユニットも含めて、造られてから50年以上経過しているスピーカーとしては、信じられないくらいに良いコンディションと判断できる。

 しかし、私自身の音の好みからすれば、ゴールドの持つおおらかさの方により心惹かれるのは事実である。

 店のなかには他のビンテージスピーカーがいくつか置いてあり、さらにコーナー型のキャビネットであるにもかかわらず、部屋のコーナーに置かれているわけでもなかった。なので、このスピーカーの本質を見極めるにはいくつかのフィルターを通す必要がある。

 そのフィルターを通したとしても、この美しいTANNOYを我が家に導入したら、見た目的な整合性と美的満足には素晴らしいものがあるが、しばらくは音の調合作業に苦心惨憺の日々が続く可能性が垣間見れた。 

 しかも、価格がつい先日タッチの差で買い逃した同じCORNER LANCASTERのモニター・ゴールドよりも20万円も高い。この美しいスピーカーの価格はペアで78万円。

 レコードはBachのバイオリン協奏曲からブラームスの交響曲に変わった。オーケストラの弦の響きは、ふわっと広がらず、しっかりとした音として耳に届く。モニター・レッドを擁したこのCORNER LANCASTER、実に高貴で厳格である。

 けっして、ゴールドのCHATSWORTHのように優しく微笑みかけてくれない。厳格で威厳のある表情を崩そうとはしないのである。同じTANNOYであるが、性格は対照的ともいえる。

 心は、規則的にリズムを刻むメトロノームのように揺れる。「これは買いだ!あまりにも美しい・・・」に揺れたかと思うと「いや、これは苦労しそうだ・・・使いこなせない可能性が高い・・・」と思った。

 さらに「こんなに美しいTANNOYなら、苦労も厭うべきではない・・・」に振れ、「好みからすればモニター・ゴールドのはず、またCORNER LANCASTERのゴールド入りの出物がないとも限らない・・・」に戻る。そんな心の揺れのなか、レコードはジャズ・ボーカルに切り替わった。

2010/12/29

1751:三笠  

 横須賀市役所前の公園には、冬の優しい陽光に誘われたかのように、多くの人々が佇んでいた。いくつかのベンチのほとんどには、一人か二人の人間が座っていた。

 犬を連れて散歩に来ている方もいた。一人に方はパピヨンを二匹連れていた。白黒のパピヨンと白・黒・茶の三色のパピヨンである。思わずその愛らしい姿に頬が緩む。

 その二匹のパピヨンを見送って、進むべき方向に目を向けると、異様な情景が目に入った。弱々しい陽だまりのまんなかに黒い服を着たホームレスが両手を腰に当て反り返るかのように天を仰いでいたのである。

 太陽の熱を少しでも体内に取り込もうという意思の表れなのであろうか。両足は肩幅ほどに広げられている。じっとそのままの姿勢で動かないので、遠目に見れば彫刻か何かに見えなくもなかった。

 その公園を通り過ぎると目的地はもうすぐである。三笠公園の入り口側にその目的地はあった。三笠公園には日本海海戦で活躍した旗艦三笠が展示されている。その船尾をすこしばかり眺めることができた。

 目的地であるお店のドアを開けると、名だたるビンテージ・オーディオの銘機が並んでいた。そのなかに一度現物を見てみたいと思っていたスピーカーがあった。

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 種々雑多なビンテージスピーカーのなかに紛れるように、TANNOY CORNER LANCASTERはあった。その姿を認めて、側によってじっくり眺めてみた。そのマホガニーの深い色合いは艶ややかに光っていた。

 CORNER LANCASTERは思っていたよりもきりりとした立居振舞いであった。全体を構成するラインがシャープな印象を受けるのである。そのキャビネットからは高貴な香りが立ち込めているかのような印象を受ける。

 今までに様々なTANNOYの実物を見てきたが、そのなかでももっとも美しいと感じるTANNOYである。その背後にはRECTANGULAR YORKも置いてあった。こちらのほうがサイズは二周りほど大きいのであるが、すっかり霞んで見えた。

 マホガニー製と説明を受けたキャビネットの色合いは深い。我が家のCHATSWORTHは明るめの茶色である。その色合いと比べると同じTANNOYでも印象が相当異なる。

 この美しさには息を飲んだ。サランネットの状態もとても良い。擦れやほつれが見当たらない。第一印象はとても良い。思わず目を細めた。

 店主の勧めで椅子に座りコーヒーをご馳走になった。「何を聴かれますか?」との問いに「レコードでバロックをお願いします・・・」と答えた。Bachのバイオリン協奏曲のレコードが取り出され、ガラードのターンテーブルにセットされた。カートリッジはSPU。アンプはウェスタンエレクトリック製の大型のものである。最初の音を待った・・・

2010/12/28

1750:愛娘  

 1階のリスニングルームの広さは8畳ほど。しかしアップライトピアノがリスニングポイントの背後を占有しているため、実質的にオーディオ・エリアは6畳ほどの広さとなる。

 そこに60年代に製作された北欧家具のソファセットと小振りなライティングデスクを置き、オーディオセットを壁面に近いエリアにセッティングしてある。

 スピーカーは両方のコーナーに置いてあり、内振りは45度ほど。我が家のCHATSWORTHは、Rectangularと呼ばれる長方形のキャビネットであるので本来はコーナーに設置する形態のものではない。

 コーナーに設置する場合には、Cornerのキャビネットの方が向いているはずである。それでもコーナーにスピーカーを設置すると部屋全体の落ち着き感が増すので、ついついそこに置いている。

 CHATSWORTHは今は2階に移動している。2階では内振りの全くない平行セッティングである。スピーカーの背後は洋箪笥と和箪笥が仲良く並んでいる。そのためスピーカー後方にはある程度のスペースが確保されている。そうしないと箪笥を使うときにスピーカーが邪魔になるからである。

 最初はすぐに1階に戻すつもりであった。しかし、なかなか粘っている。戻りそうな気配がないのである。時々我が家の愛犬は散歩の時に、自分が行きたい方向に強引に飼い主を連れて行こうとする。逆の方向に行こうとするとしゃがみ込んで動こうとしないのである。そんな感じで、CHATSWORTHはその場所がお気に入りなのか、なかなか動こうとしないのである。

 すると、1階のリスニングルームの両コーナーは寂しいことになる。今はお借りしているVLZがその穴を埋めているが、やがていなくなる。QUAD ESLを一度置いてみたが、この場所は気に入らないようでげんなりしてしまった。

 となると、その空いた穴を埋めるべくは・・・TANNOYのCORNERタイプのスピーカーがふさわしいのでは・・・という気になってくる。

 コーナーに設置するのであるから、その形状は必然性に溢れている。逆に言うとコーナーに置くために作られたのものであるから、別の置き方をすべきではないとも言える。

 しかし、CHATSWORTH同盟会の諏訪さんからお譲りしてもいいですよと、申し出があったのは、Rectangularタイプである。2階でお気に入りの場所にじっとして動こうとしない我が家のCHATSWORTHと同じタイプである。Cornerタイプではないのである。実に残念である・・・

 そこで「ありがたい申し出ですが、全く同じタイプのCHATSWORTHを置いても芸がないというか、変化がないというか・・・どうでしょうCORNER CHATSWORTHのどちらかを譲って頂けないでしょうか。もちろん金額については時価相当と言うことで・・・」とおそるおそるメールしてみた。

 すると「お気持ちはよ〜くお察しいたします。しかし、我が家の二つのCORNER CHATSWORTHは、ようやくREDとGOLDを揃えた貴重なコレクションでありまして、その、目の中に入れても痛くないというか、もちろん物理的に入りませんけど・・・まあ、私にとって愛娘のような存在でして・・・愛娘を嫁にやる父親の悲哀には私は耐えることができないようです。」と丁寧なお断りのメールを頂いた。
 
 「それはそうである・・・」他人の好意に便乗して私利私欲丸出しの言動に反省しきりとなった。「では、自分で探そうではないか・・・」と気持ちを切り替えた。とりあえず明日は一つ目の候補に当たってみることにしよう・・・

2010/12/27

1749:チャットワース同盟会  

 「CHATSWORTH同盟会」なる会があるのを知ったのは、実は今日のことである。会の代表の諏訪さんからメールをいただいのである。

 「TANNOYのなかではマイナーな存在であるCHATSWORTHですが、一部のビンテージオーディオマニアのなかには、このスピーカーをこよなく愛する者がいます。CHATSWORTHを愛する者たちが集まって、情報交換しあっている会が、CHATSWORTH同盟会です。現在会員は6名です。ブログを拝見しておりますと、CHATSWORTHを愛用されているとのこと・・ぜひわがCHATSWORTH同盟会に加入していただきたく、メールいたしました。」

 「ちなみに昨日の記事を見ますと、もう1台TANNOYを導入されることを検討されていらっしゃるとのこと。我が家には実はCHATSWORTHが5台あるのです。CORNERがREDとGOLD各1台づつ、そしてRECTANGULARがRED1台とGOLD2台です。もしよろしければRECTANGULARのGOLDを1台お譲りいたします。」

 世のかなにはこんな会もあるのか・・・オーディオ関連の会には「QUADを聴く会」と「竹田響子さんファンクラブ」に加入している。「QUADを聴く会」では、QUAD22、QUADUに出会い、その魅力に取り付かれるきっかけとなった。

 そして「竹田響子さんファンクラブ」では、美しい女性の前ではオーディオの美などまったくとるにたらないつまらないものであることが明白になる事実を目の当たりにした。

 そして、もう一つ新たな出会いの場になりそうな会の出現である。しかし、何故会の名前が「CHATSWORTH愛好会」や「CHATSWORTH同好会」でなく「CHATSWORTH同盟会」なのか・・・少々不思議である。どことなくその名前からは悲壮感が溢れているように感じなくもない。

 しかし、CHATSWORTHをこよなく愛する一人として、このマイナーなスピーカーを愛する方々と交流を深めることは、悪いことではないという気がするのである。

 しかも、諏訪さんがお持ちのCHATSWORTHを譲っていただけるかもしれないとのことである。CHATSWORTHはめったに中古市場に出てこない。日本ではあまり人気がないので流通した数が少ないようである。人気のあるVLZとはかなり状況が違うのである。

 1階でもCHATSWORTH、2階でもCHATSWORTHでは芸がないような気がする。しかし、CHATSWORTHを2台持ち、それぞれ別の部屋で鳴らすなんて、どことなくこっけいであるが潔くもある。まあ、5台お持ちの諏訪さんには遠く及ばないが・・・

2010/12/26

1748:W-TANNOY  

 今現在、わが家はW-TANNOY状態である。1階のアナログルームには、GRFの部屋さんから拝借しているVLZがその穏やかな表情で佇んでいる。2階のデジタルルームには1階から移動したCHATSWORTHがしっかりと正面を見据えている。

 そのあおりを食らった形でQUAD ESLは2階の和室の隅に綺麗に二つ並んで片付けられている。厚みがないので二つ並べても、それほどの面積を取らない。

 お借りしているVLZは年明け早々にもわが家を後にする。そして、QUAD ESLも来年の早い時期にわが家を後にすることが決定している。

 来年は、W-TANNOY作戦を実施することになる予定である。つまり、もう1セットのTANNOYを我が家に迎え入れる予定なのである。

 その2セット目のTANNOYが、VLZになるのか、CHATSWORTHになるのか、LANCASTERになるのか、YORKになるのかは、未だ未定であるが、より深くTANNOY WORLDに足を踏み入れることになりそうである。

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 今日はチューバホーンさんが経営されている整体院「Pro・Fit」で、体の歪みを直してもらった。年末にかけて比較的あわただしい日々を送っていたので、疲れから背中に張りを感じていた。施術後は、その背中の張りもすっかり取れた。

 体がすっかり軽くなったところで、LANCASTERを聴かせてもらった。アナログはROKSAN XERXES20、デジタルはSONY CDP-MS1を送り出しとして、アンプはSD05である。

 TANNOY LANCASTERの背の高さは、我が家のCHATSWORTHの高さとほぼ同じであるが、幅は広くなり、奥行も深くなる。CHATSWORYHはすらりとしたシルエットであるの対して、LANCASTERはややどっしりとしたシルエットである。

 15インチのユニットが入っている場合には、キャビネットは密閉型で、12インチのユニットが入っている場合にはバスレフとなる。

 チューバホーンさんのお宅のLANCASTERには、15インチのモニター・ゴールドが入っている。なので、キャビネットは密閉型である。

 部屋は12畳ほどの広さがあり、スピーカーは横長配置である。アナログでSTABAT MATER、Leclairのオーボエ協奏曲、吉田美奈子を聴いた後、CDでブルックナーの交響曲 第6番 第1楽章、同じくブルックナーの交響曲 第5番 第2楽章、そしてマーラーの交響曲 第2番 第1楽章を聴かせていただいた。

 広い空間表現とどっしりとした音楽の表現力に感心しながら聴き進んでいった。15インチ・ユニットにはやはりゆとりというか、余裕がある。冬特有のからっとした部屋の空気のなか、音がすっと広がり抜けて行く。

 LANSASTERにはチューバホーンさんのお宅にあるRectangularとは別にCornerキャビネットもある。こちらは部屋の両コーナーに設置することを前提としたデザインで、剛性を強くできる形態であるのでより辛口のしっかりとした音表現となるようである。

 実はほんの少し前に、Corner LANCASTERの出物をインターネットで見つけた。12インチのモニター・ゴールドが入っていた。もちろんキャビネットはオリジナル。写真で見るかぎりコンディションも良いようなので、すぐさま電話した。

 しかし、「申し訳ありません・・・少し前に売れてしまいました・・・」店主は申し訳なさそうに告げた。「逃した魚は大きいか・・・」と思いながら、インターネットを探ると、同じくCorner LANCASTERが見つかった。こちらは12インチのモニター・レッドが入っている。レッドになると値段もぐっと上がる。

 「どうしたものか・・・」と思案顔になった。「おいそれとは手を出せない価格なので、しばらく頭を冷やそう・・・」と思い至った。

 W-TANNOY作戦がどのような結末を迎えるのか・・・それは未だ未定であるが、来年の早い時期には、結論を出すつもりである。

2010/12/25

1747:iPod classic  

 「サンタさんに何お願いしたの?」下の子に訊いた。一週間ほど前の話である。「iPod・・・」そういって量販店からもらってきたカタログを見せた。「この、iPod classicっていうやつがいいの・・・」

 「小学生のくせに、もうiPodか・・・」と内心思ったが、ここは冷静を装い「もらえると良いね・・・」とさらりと流した。

 「もうサンタを信じている年齢でもないはずであるが・・・」と思いながら今年も寝静まった頃を見計らって、下の子の寝室に忍び込む。手には量販店で簡易なクリスマス用の包装をしてもらった「iPod classic」が・・・

 上の子は既にサンタは卒業している。そして下の子には「サンタにプレゼントをもらえるのには年齢制限がある」と伝えてあるのである。

 「いくつまで・・・?」と訊かれても「それは子供によって違うんだ・・・」と答えている。「まだもらいたければ伸ばしてもらえるよ・・・」

 下の子はまだ卒業したくないようである。そしてその父親もまだ卒業したくないようである。できることなら「もらえたよ!!」と朝早くから騒ぐ子供の声を、12月25日の朝には聞きたい。

 さて、iPod classicであるが、そのデザインは、iPodと言われて、我々が思い浮かべるあのデザインそのままである。きわめてシンプルな造形ながら、美しくまとまっている。

 手にひらに馴染むような大きさと重さを有しており、その操作性も近未来的なワクワク感に溢れている。これがあっという間に世界を席捲したこともうなずける。

 附属しているイヤホンで音を訊く限り、あまり良い音とは思えないが、上の子供は「イヤホンを変えると音が良くなるよ・・・」と言っていた。

 上の子が持っているのもiPodであるが、とても小さい。「iPod nano」という商品だそうである。こちらは手にひらでは多少心もとないほどに小さな姿形である。このなかに何千曲という音楽が入り込むそうである。

 「時代は進んでいるんだ・・・」と思わざる得ない。「やがて、店頭でCDを手にとって購入するという行為が遠い昔のことになる時代が、すぐそこまで来ているのであろうか・・・」そういう思いがよぎった。

 確実なのは、それよりも先に、下の子も、そしてその父親もサンタを卒業しなくてはならない日がも間近にきているということであろう。

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2010/12/24

1746:ごちそう  

 「ごちそう」を食べると、私は疲れるようである。今晩はクリスマス・イブ。家族揃ってイタリアン・レストランでコース料理を食した。

 クリスマス用のディナー・コースは豪華であった。前菜から始まってお決まりの展開ながら、次々に凝りに凝った料理が繰り出された。食べているときは、「ごちそう」に家族一同「わ〜」とか「すご〜い」とか歓声を上げていたのであるが、家に帰ると、どっと疲れた。

 胃を中心とした体が全体が重苦しく、「ごちそう」をどうにか消化しようと悪戦苦闘しているような感じである。やはり普段食べなれていない「ごちそう」を食べると、体が驚いてしまうのであろうか・・・

 それとも「ごちそう」は、どうしても肉系のメニューが多いので、単に動物性たんぱく質をたくさん摂取した時特有の消化疲れに過ぎないのであろうか・・・

 少し前にテレビのバラエティー番組で「ごちそう」について定義していた。代表的な日本人として5名の人間が選考されて、様々なメニューを見せて「ごちそう」か否かを判定してもらうのである。5名全員が揃って「ごちそう」と認定したら、そのメニューは「ごちそう」として定義されるといったちょっとふざけた企画である。

 それを家族で観ながら「え〜」とか「そうだよな・・・」とか反応していた。「ごちそう」として定義されたメニューには「うな重」「ビーフステーキ」「エビフライ」「すきやき」などの名前があがった。

 やはり動物性たんぱく質がたっぷりのメニューである。動物性たんぱく質は、「ごちそう」には欠かせないアイテムなのであろう。

 我が家のオーディオは明らかに「ごちそう」系ではない。「わー」とか「すご〜い・・・」といった反応は生まれない。代表的オーディオマニア5名を何らかの方法で選定して、「ごちそう」認定を受けても、きっと一人も「ごちそう」と書かれた札を上げる方はいないであろう。

 その代わりといってはなんだか・・・私にとっては消化しやすい音である。消化吸収するのに疲れない、とでも言うべきであろうか。私自身の判定でもけっして「ごちそう」ではないのだ。

2010/12/23

1745:打ち納め  

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 今日は12月としては比較的暖かな一日であった。飯能グリーンカントリークラブの正門を過ぎて、クラブハウス方向に車を走らせると、葉をすっかり落としきった桜の並木が迎えてくれる。

 枝が左右からせり出し、アーチ状に交差している。「桜の花の季節に来たならば、壮観だろうな・・・」と思いながら、過ぎていった。

 やや風はあったが、冬のゴルフとしては良いコンディションと言っていいだろう。上下ともヒートテックで完全武装していたので、少々汗ばむほどであった。

 今日は今年最後のゴルフ。先週のゴルフスクールの際に鈴木プロから指導を受けたフェードがテーマとなる。来年に向けて持ち球をドローからフェードに変える予定であるが、それを実際のラウンドで試すのは、今日が初めてとなる。

 右のティーマークの側にティーを刺しボールを置く。スタンスはオープン気味にして、若干フェースを開く、そのうえで力まずに振り切る。特に右腕に力が入りやすい私の場合、右ひじが右わき腹らから離れないように気をつける。

 ティーショットに関しては概ね良い感触であった。ボールは当然左方向に飛び出す、そこから緩やかに弧を描いて右に戻ってくる。

 その戻り幅には毎回差がある。思ったよりも戻ってこないケースが多かったが、大怪我することはなかった。1回だけ左に飛び出し、そのままフェードせずにドロー気味に左に曲がった。右腕の力みが原因と思われる。ボールは左の林のなかに消えていった。

 そのホール以外はやや左のフェアウェイかラフにボールがあった。心配された飛距離もそれほど落ちることはなかった。

 結果は前半のINが42。後半のOUTはやや苦労して47であった。どうにかこうにかぎりぎりであったが、90を切ることができた。

 フォーム改造したばかりとしてはまずまずの成績であろう。来年はこの新たなフォームで連続90切りを狙いたい。そして、まだ1回も達成していない年間アベレージでの90切りも目指したい。

2010/12/22

1744:バッド ばつ丸  

 先代AUDI A6は、私が初めて乗ったドイツ車である。弧を描いて長く後方に伸びたルーフや独自の丸みのあるリア・デザインなどがエクステリアにおける大きな特徴であった。

 AUDIらしい清潔感のあるラインが全体を締めているが、ところどころに遊び心が感じられる素晴らしいデザインであった。

 その乗り味も、それまでのAUDI車とは一線を画するクオリティーの高さを有していた。ボディーの剛性感に関しては一気にライバル車に肩を並べる水準に達した。

 現在に繋がるAUDIの躍進は、このモデルから始まったような気がする。それまではやや地味で目立たない存在であったAUDIを気になる存在へと導いたのである。

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 現行型のA6は、日本人デザイナー和田智氏の作品である。現在のAUDIのデザイン・アイデンティティーであるシングルフレームグリルを初めて採用したのもこの現行A6である。

 その新たな意匠を含めて、発表された当初はそのアグレッシブな造形にやや驚かされた。その後このデザインの流れは、主要モデルであるA4にも引き継がれ、さらにクールで洗練されたデザインとなった。

 そしてつい最近、新たなA6の写真が公開された。日本にもおそらく来年には入ってくるはずである。その次世代A6のデザインはさらにアグレッシブなものになっていた。

 現行のA6から採用されたシングルフレームグリルの形は微妙に形を変えた。そして強烈に目を引き付けるのがフロントライトの形状であろう。

 ややわんぱく気味な目付きである。従来のAUDIのフロントマスクはどちらかというと女性的な印象を受けることが多かったのであるが、このNEW MODELの目付きからは男性的な印象を受ける。ぱっと見たとき頭に浮かんだのは「バッド ばつ丸」である。

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