2010/11/28

1720:S9  

 UNISON RESEARCHは、イタリアの管球アンプブランドである。その製品の造形は、まさにイタリア製と思わせるものであるが、新たに出る予定であるプリメインアンプの「S9」も素晴らしい意匠を身にまとっている。

 電源を入れ真空管が妖しく光りだすことを計算し尽くしたデザインなのである。真空管の光を反射させるために存在しているとしか思えない湾曲した金属板が、舞台装置か何かのように切り立っている。

 そして、真空管たちは舞台に並ぶスターのようにきらびやかに、そして左右均等になるように整然とその位置を占めている。

 こんな美しいアンプを手に入れたなら、センターラック配置にしたくなるであろう。二つのスピーカーの間にラックを設置し、そのラックの最上段にはこの「S9」を置く。そして、照明を落として、真空管の艶やかな色彩のショーを愛でるのである。

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 わが家のQUAD製のアンプたちも美しい姿形をしていると個人的には思っているが、それはあくまでイギリス的な美しさである。

 質素・素朴・簡略が基本にあり、けっして艶やかなまでの美しさを貪欲に追い求めたりはしないのである。ぱっと見の惹き付け能力はそれほど強くない。しかし、長い年月をともにできる「手なじみ感」が徐々に染み出してくるといった造形なのである。

 一方、イタリア的な美しさは、艶やかで豪華ですらある。UNISON RESEARCH 「S9」を見ているとそういった美意識の違いのようなものがひしひしと感じられる。

 この「S9」には、やはりイタリア製のスピーカーを持ってきたい。HARBETHやSPENDORのような、イギリス製の飾り気のないスピーカーではなく、SONUS FABERの古めのスピーカーなどが合いそうである。スタンドに大理石と木をふんだんに使っていた頃の小型2ウェイスピーカーなどがぴったりであろう。

 ラックはできれば木でできたものが良い。明るめに色合いのものが合うような気がする。そして、最小限のスリーピース構成とするなら、一体型のCDプレーヤーをラックの中段か下段に納めることになるが、この「S9」の存在感に負けないものは数少ない。

 中古でしか手に入らないが、BOW TECHNOLOGYのZZ-EIGHTはどうであろうか?このデザインの美しさ、艶やかさは飛びぬけたものがある。「S9」との美の競合において勝るとも劣らない存在感を有している。

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 「うん、うん・・・」と頷きながら空想する。本屋で立ち読みしたオーデュオ雑誌に載っていた「S9」の写真に目を奪われて、けっしてその製品を手に入れることはないはずではあるが、ついつい持病の「空想癖」を刺激されてしまった。



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