2010/10/14

1675:ICF-5300  

 立川市の手打ちうどん「はる」は、国分寺の「甚五郎」から独立して店を構えた。なので、メニューは国分寺の「甚五郎」と似ている。さらに、昭和の懐かしいグッズを店の内装に多用しているところも国分寺の「甚五郎」と同様である。

 店の中には、懐かしい形をしたテレビ・ラジオ・カメラなどや、ホーロー看板などが所狭しと飾られている。子供時代に目にしたことのあるそれらの造形は心なじませるものがある。

 そのなかにSONYのラジオが一つ飾られているのであるが、それが私が中学生の頃使っていたモデルなのである。30年以上前の製品である。その姿を目にしたとき、言い知れぬ懐かしさを感じた。

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 型番はSONY ICF-5300。本当は同じSONYのスカイセンサーが欲しかったのであるが、お小遣いがどうしてもその価格までたまらず、その下のシリーズであったこのラジオを買ったのである。中学1年生の頃のことである。

 ICF-5300は両サイドに耳のように丸いダイヤルがついている。左側がボリューム。右側がチューニングダイヤルである。左側の上の方にある赤いボタンはライトボタン。その下に電源スイッチ。さらにその下にスライド式のトーン・コントロールがある。

 実に理にかなった構成で、いかにもSONYらしい独特の美しさがある。毎日のように愛用していたこのラジオを何十年もの年月を隔てて、うどん屋のなかで見かけた時、そのラジオに目が釘付けとなってしまった。

 その当時のラジオは夢に溢れていた。ラジオそのもの、機械としての存在感も実にあった。とても貴重で、まさに宝物的な存在であった。

 さらに、ラジオ番組も影響力があった。深夜番組を布団のなかでこっそり聴いて、翌日クラスでその番組について級友としゃべったりしたものである。

 中一の頃仲のよかった友人が、私がこのICF-5300を購入した直後、SONYのスカイセンサーを買ったときには、軽いショックを受けた。ICF-5300は横型であるが、スカイセンサーは縦型でもっと大きく、様々なボタンや機能に溢れていた。

 そのスカイセンサーの姿を友人宅で目にしてしまうと、わが家のICF-5300はどうしても見劣りしたものである。それでも、愛機ICF-5300はわが家で活躍し続けた。

 店の主人に「このラジオまだ鳴るのですか?」と訊いてみた。「鳴りますよ・・・でも最近電源を入れたことはないですけど・・・まだ鳴ると思いますよ・・・」と答えた。

 私には特別な思い入れのあるICF-5300を目にしながら、「肉汁・あいもり」を食した。残念ながら味の方は本家の国分寺「甚五郎」に比べるとやや劣った。しかし、ICF-5300に会うためにだけでも、また来店しようと思った。



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