2010/10/8

1669:メープルシロップ  

 「思っていたよりもリアル・・・」ゴルフのシュミレーションシステムに対する「寧々ちゃん」の反応である。「寧々ちゃん」はシュミレーションゴルフは初体験である。

 SWING ARENA さいたま新都心店のVIPルームに着いたのは3時過ぎであった。名門コースの中から一つを選んでラウンド。二人は交互にショットする。まずはドライバーショット。そしてアイアンショット。アプローチしてからパターという順序である。もちろんOBもある。

 さらにラフに入ったり、バンカーに入ると、飛距離が落ちる。その落ちる割合が%で表示されるのである。「これならバンカーに入っても一発で出るから、これ好き・・・」「寧々ちゃん」は大のバンカー嫌い。しかし、このシュミレーションシステムでは実際に砂があるわけではないので、必ず一発で出る。

 実際のゴルフ場では平らな場所で打てるのは比較的少ないが、ここでは必ずフラットな足場である。そのため、ショットが安定する。しかし、パターは結構難しい。仮想のグリーンに毎回違うアンジュレーションが加わえらるため、なかなか入らないのである。

 「寧々ちゃん」は結構大はしゃぎであった。「これが家にあったら、相当上手くなるのにな〜」とつぶやいていた。「これが入る部屋は普通の家にはないですよ・・・」「それはそうね・・・大邸宅でないと」

 VIPルームには黒い皮の大型ソファが佇んでいる。OUTの9ホールを終えたところで、「冷たいものでも飲んで少し休憩しますか?」と「寧々ちゃん」に」声をかけた。

 「何かいいですか?」「アイスミルクティー」・・・ソフトドリンクを持ってきて、ソファテーブルの上に置き、「寧々ちゃん」の隣に腰掛けた。「どうです、面白いでしょう。しかも練習にもなりますよ・・・」「結構真剣になりますね・・・これなら飽きずに練習できます。欲しいな〜これ・・・」「これ一式で500万円です・・・あと相当広い部屋が必要ですね・・・」「とても無理ね・・・」

 ソファに座りながらたわいもない会話を繰り返す。二人っきりの密室ではあるが、怪しげな雰囲気にはなかなかならない。お互いそういった雰囲気に踏み込むのをあえて避けているようなところがあるのかもしれない。

 しかし、会話が少し途切れた瞬間に「もしかして、これって浮気・・・?」「寧々ちゃん」がつぶやくように言った。そして、ちょっといたずらっぽい目付きで私の目をのぞきこんだ。その目の輝きは、パンケーキにたらされたメープルシロップのように私の心にからみつく。そして淡く甘い香りを放つ。



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