2010/9/20

1651:水風呂  

 家族を連れてよく行く日帰り温泉は、小平市にある「テルメ小川」である。自宅から車で10分程度の距離にあるので、手軽に行ける。

 日帰り温泉に家族と一緒に行くと必ずサウナに入る。温泉で体をひととおり温めてから、サウナに入り、10分ほどしたら水風呂につかる。これを交互に3回ほど繰り返すのである。サウナの中には「温冷交互療法」としてその効能が書かれている。疲労回復や自律神経の働きを活発化する効果があるようである。

 90度ほどに保たれたサウナ室では10分ほどで汗が噴出してくる。そしたら水風呂へ入る。熱せられた体には、冷たい水が心地良い刺激となる。1分ほど経過すると体の表面の温度は下がり始める。そして3分ほど経過すると、思考能力がきわめて緩やかになり、脳波が平坦になる。

 この水風呂に入っていて、徐々に気が遠くなるような状態が結構好きなのである。もしかしたら、脳細胞のいくつかがこの過程で死滅しているのかもしれない、とも思うが、一度味わうと病み付きになってしまう。

 こういった脳波の状態になると、まったく脈絡無く昔の記憶がよみがえってきたりする。普段の脳波の状態ではしっかり閉められている潜在意識の扉が、ゆっくりと開くのか・・・そのなかから流れ出してくるのである。

 記憶は楽しいものもあるが、いくつかの記憶は私を苛める。それらの多くははるかな昔のことである。私以外の人間がその記憶を呼び覚ますことは皆無であるような取るに足らないものである。

 潜在意識は無数の記憶を溜め込んだ深い沼のようなものである。その沼の中からときおり顔を出す蛙のような存在が、ふっと頭に映像として浮かび上がってくる記憶である。

 その蛙の薄い膜に覆われた目は、特別な感情の表出をすることなく、こちらを見つめている。その目を見ていると、自分の過去の行いや感情が、何十年も昔のことであっても鮮明に思い出される。

 短い時間でその蛙は、深い沼のなかに沈んでいく。すると先ほど顔を出した蛙とは別の蛙が顔を出すのである。「これは以前にも見た蛙だ・・・」と思うものもあるし、まったくの初見のものの場合もある。潜在意識の容量は無限なので、これらの蛙は決していなくなることはない。

 サウナの後の水風呂での楽しみのひとつが、この記憶の沼から顔を出す蛙である。これは一種の瞑想状態なのかもしれない。修験道ではよく滝に打たれて修行するが、サウナの後の水風呂も同じような効果をもたらすのであろうか?このまま水風呂につかり続けていたら悟りが開けるのかもしれない。



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