2010/7/9

1578:薄型  

 「MARK LEVINSONのNO.320はどうですか?色は黒で薄型、中古なら50万円程度でしょう・・・シンメトリックな配置で流麗なデザインです。」

 「マーク・レビンソンか、それなら知ってる。昔から非常に高いアンプを売っていたな・・・でも、マーク・レビンソンって奴はセックス気違いって聞いた覚えがあるな・・・」
 
 「セックスに関する本も確か出していますよ。まあ、天才と気違いは紙一重と言いますからね・・・」

 「あとは、同じMARK LEVINSONのNO.26というプリアンプが良いですね。これはぐっと時代をさかのぼってしまうのですが、デザイン的にはこちらの方がはるかに美しいと思います。かちっとした質感があって、黒で薄型です。電源部が別躯体となっています。中古であれば、50万円は切ると思います。」

 「それは見た覚えがあるな・・・結構古いモデルだろう。馬鹿高かった印象があるが、ため息が出るほど美しい造形だった・・・それが良いな。26か・・・どっかで売ってるかな?」

 「オークションにも出ていますし、ショップでも在庫がある可能性が高いですよ。製造されてから時間が経過しているので程度は差があるはずですが・・・」

 先日、Paoさんから携帯に連絡が入り、現在使っているAurexのプリアンプが故障続きで新しいものに変えたいけれど何かお勧めはないかと、訊かれた。

 そこで幾つか候補を挙げたのであるが、そのなかのMARK LEVINSON NO.26はPaoさんもご存知で心動かされたようである。

 Paoさんがあげた条件は三つ。色は黒であること。薄型であること。実買で50万円以下であること。

 「他の機器が黒だから、黒で統一したいのは分かりますが、薄型にこだわるのには意味があるんですか?」

 「プリは薄型にきまっとる。パワーはがっちりとした大型で筋肉質な感じ。男性だな。プリは薄型で繊細な感じ。女性だ・・・プリはパワーの影でひっそりと支えるんだな。表向きはパワーが前面に出るが、その実、裏ではプリがしっかりと手綱を握っている。そういう感じでないと家庭は上手くいかない。なあ、そうだろう・・・」

 Paoさんから家庭円満の秘訣を聞くとは思わなかった。何せPaoさんは独身。年老いた母親と実家で二人暮らしをしている。そう思ったとき、ふっと疑問が沸いた。

 「Paoさんって独身ですよね・・・もしかして昔は違ったんですか?」「そうだよ・・・15年前までは家庭持ちだったんだ・・・」「別れて15年ですか・・・子供は?」「一人いる。息子で今は丁度20歳だ。大学に通ってる。」「そうだったんですか・・・」「子供は妻が引き取った。それからは実家で母親と二人暮らしさ・・・」「まあ、今はオーディオが奥さんみたいなもんだ・・・飯は作ってくれないがな・・・文句は言わない・・・」

 「別れた奥さんは、薄型のプリアンプではなかったんですね?」「そうそう・・・上手いこと言うね・・・」
 
 お気楽な暮らしをしているのかと思っていたPaoさんであったが、これまでの人生でいろんな経験もされてるようであった。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ