2010/7/4

1573:大鷲  

 コンデンサー型スピーカーは平面的な造形である。それはその技術的な必要性からそういう形が必然的に導き出されたからである。そういった技術的な必要性に基づく造形ではあるが、その姿かたちと音の出方とが妙に一致している。

 APOGEEのDIVAも平面的な造形である。しかし、QUAD ESLのようなコンデンサー型とはその技術的な理屈は異なったリボン型スピーカーである。残念ながら技術的な知識は皆無に等しいので、どこがどう違うのかはよく分からない。

 しかし、その平面的な造形からなんだかQUAD ESLの親戚か何かのような気に勝手になってしまう。DIVAは大きい。その表面積はわが家のESLの3倍以上はあるのでないかと思われる。何せ人の背丈よりも高いのである。

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 今日はAPOGEE DIVAをお使いの松本さんのお宅を訪問した。ishiiさんとハンコックさんがご一緒であった。部屋の広さは10畳以上はあると思われる。横長に部屋を使われている。天井高は床面を下げることにより一般的な天井高よりも高くなっている。床は非常に頑丈に造られている。

 その部屋にDIVAは羽を休めている大鷲のつがいのようにとまっている。ハーマンカードンと無名のメーカーのパワーアンプでマルチ駆動。プリアンプとDAコンバーターはバクーン・プロダクツ製である。送り出しはPCオーディオ。その構成は非常に凝っているが、私はその方面の知識がまったくなく、説明する言語を持っていない。

 横長配置であるため、リスニングポイントとスピーカー位置はそれほど離れていない。DIVAの羽の羽ばたき音がダイレクトにリスナーに向かってくる。その音は、雄渾である。決して薄手ではない。むしろ厚みをも感じさせる量感を有する。

 非常に凝った構成のPCオーディオは、SN比が抜群の詳細なデーターをアンプに送り込んでくるはずであるが、情報量ばかりが先走った感がなく、音楽が置いてけぼりをくっていない。

 力のあるパワーアンプ2台で高域と低域を分担して受け持っている効果であろうか、この大鷲は主人の命令に忠実に従い、その飛行が乱れることがない。

 悠然と虚空を舞っていたかと思ったら地上へ向けて急降下してくるなど、俊敏さも十分に併せ持っている。APOGEEは今はもうない。大鷲は絶滅の危機に瀕しているが、ここのつがいは元気にその雄姿を翻していた。ご主人の松本さんが、その姿を愛情を持った眼差しで見つめられていたのが印象的であった。



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