2010/4/29

1507:綱渡りOFF会  

 GRFの部屋さんのお宅に着いたのは2時を少し回っていたであろうか、呼び鈴を押すと奥様が出られた。「○○です。ご主人いらっしゃいますか?」と普通に切り出した。

 「今仕事で出ています・・・」とのそっけない返答であった。「あれ・・・一昨日メールしたはずであるが・・・」と側にいたpontaさんと顔を見合わせた。

 一昨日のメールにはたしか「29日の2時ごろお伺いします。」と打電したはず。その返信も「どうぞ、どうぞ・・・」といった肯定的なものであった。

 あわてて携帯に連絡してみると、私がメールした「29日」のことを「5月29日」に行われる那須でのオーディオ・イベントのことと勘違いされていたことが判明した。
 
 「しまった空振りか・・・」とあきらめかけたが、1時間ほどで戻れ、3時から2時間ほどなら空き時間が作れるとのことであったので、急遽時間を変更・短縮しての「綱渡りOFF会」となった。

 勘違いから空振りになりそうであったが、どうにかこうにか体勢を立て直し開催にこぎつけた。いつものように広いリスニングルームに案内されるとその両コーナーには、明るめの色合いのTANNOY GRFが佇み、そのずっと前、リスニングポイントに近い床にはインシュレーターの一点支持によりやや仰角を付けられて床に設置されたPSD T4がその端正な姿を見せていた。

 pontaさんはGRFの部屋さんのお宅を訪問するのは初めてである。私も1年ぶりくらいであろうか・・・「まずは定番から・・・」とGRFさんは何曲か交響曲をかけてくれた。

 「雄大で、ストレスフリー・・・広大な音場が実際のホールで聴く感じにきわめて近似している。久し振りに聴いたGRF・・・やはり伸びやかである・・・」という感想を持った。pontaさんもその表情からすると同様な感想を持たれているようであった。

 何曲か聴いてから「この小ささで良く鳴るでしょう・・・」とGRFの部屋さんが一言。私とpontaさんはほぼ同時に「え〜、こっちですか・・・」とPSD T4を指差しながら声を上げた。

 pontaさんが勘違いするのは当然である。初めてであるから・・・、しかし私はこのマジックは以前経験している。久し振りとはいえまたまた見事に引っ掛かってしまった。

 PSD T4の背後に広がるサウンドステージは広大である。駆動するアンプは当然SD05。そしてそのサウンドステージは見事にGRFの置いてある場所と一致する。視覚と聴覚の二重の錯覚からどう聴いても後ろのGRFが鳴っているとしか思えないのである。

 そして、その音の質感からは2ウェイのコンパクト・スピーカーが鳴っているという感覚が全くないのである。ここにも視覚の固定観念を打破するマジックが隠されている。

 後半は真打登場という感じでGRFが登場。「やはり、味わい深さという点ではGRFならではのものがある・・・」「T4も真に優れたスピーカーであるが、この滋味深い味わいはGRFにしか感じられない・・・」そんな感慨を抱きながら、心の中で3年前に初めてこの部屋を訪れた時のことを思い出した。

 3年前私は初めてこの部屋を訪れた。「何でこんな古いスピーカーからこんなに生々しい音がするのであろう・・・しかも50万円のプリメインアンプで駆動している・・・」と「オーディオ超初心者」でありかつ「急性ハイエンド病」であった私は、その歪んだ固定観念が木っ端微塵に壊れる音を聴いたのであった。



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