2010/3/30

1477:名作  

 私は映画マニアではない。映画館で年に数回映画を観るが、大概は子供たちにねだられて、家族サービスの一環として映画館に足を運ぶ。

 なので、映画館で観る映画は「ハリーポッター」であったり、「カールじいさんの空飛ぶ家」であったりするのである。これらの映画も観ている間はそこそこ楽しめるので、決して嫌ではないが、観終った後に心に染み込むような後味を感じることは稀である。

 そんな映画マニアではない私がもっとも好きな映画は「木靴の木」である。1978年のイタリア映画で、監督はエルマンノ・オルミ。約3時間の長編であるが、全く中だるみがない。ないばかりか、一気に観せてしまう。

 DVDで年に1回は観る。もう相当な回数観ているはずであるが、いつも新鮮な感動を覚える。観るたびに、煤にすっかりくすんでしまった私の心が生き返るのである。この映画は第31回カンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞した。その価値は十二分にある素晴らしい映画である。

 そして、「木靴の木」の次に好きな映画は「バグダッド・カフェ」である。こちらは1987年のドイツ映画。監督はパーシー・アドロン。ドイツ映画であるが舞台はアメリカ。ラスベガス近郊の砂漠にたたずむモーテルが舞台。

 この映画はシュールである。サルバドール・ダリの絵に代表されるシュール・リアリズムは神秘的でありながらどことなくユーモラスである。そんなシュールな雰囲気がこの映画の全編を覆っている。

 荒涼とした砂漠の景色、個性的で摩訶不思議な存在感を有する登場人物、ファンタジーといえるような物語の展開・・・その全ての融合が心に不思議な化学反応を起こさせるのか、心の奥底にじんわりと感動が広がる。

 「バグダッド・カフェ」も1年に1回はDVDで観る。この映画も観るたびに何かしら心に新鮮な風が吹き込んでくる。

 どちらの映画もハリウッド映画とは対極に位置する映画であり、多くの人にとっては刺激の少ない退屈な映画である可能性が高いが、私にとってはかけがえのない「名作」である。



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