2009/12/20

1376:コンポジション  

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 モンドリアンの黒は空間をしっかりと仕切る。そして独特なリズム感をもたらし、赤や青、黄色といった原色のエネルギーをしっかりと区画する。

 その直線基調の造形美は知的であると同時にストイックな印象を受ける。その外面は冷たい。微笑み一つ無いような表情ではあるが、その実その内面は実に豊かなニュアンスを内包している。

 Wさんのお宅の黒のAnat Referenceはモンドリアンの黒のようにクールで知的である。しかし、その外観とは裏腹に実に豊かな音楽性を聴かせてくれる。

 Maria Bethaniaの最新作を最初に聴かせていただいたが、その声は1972年にでた「Drama」で聴いた声と同じように熱く憂いがちに湿っている。あれから30年以上経っているというのに、その声の質感は変わっていない。

 Anat Referenceは機能性を突き詰めたかのような姿をしているがMaria Bethaniaの褐色の声を質感豊かに再現してくれる。

 CDプレーヤーはPLAYBACK DESIGN、プリアンプはLINDEMANN、パワーアンプはHEGELというラインナップであるが、その全てに共通するのは黒が効果的に配分されているということ。

 Anat Referenceまで見事につながる黒のラインが生命感溢れる音楽を伝達しているようである。全ての機器が有機的につながりけっして音楽をやせ細らせない。その伝達効率の高さは特質ものである。太く豊かな音はやせぎすな繊細さをもたらすことはなく、リスニングルームに置かれたコルビジェのソファの沈み込み具合と連動するかのように音楽をぎゅうと心に沈みこませる。

 隣で聴いていたNaruさんも腕組みをしながら、真剣な眼差しで感じ入っているようであった。さらにその横にはWさんが飼われている猫が椅子の上でCの字になって寝転んでいたのであるが、その丸まり方が実に心地よさそうであった。

 アナログも聴かせていただいた。LINN LP-12、SPIRAL GROOVE System SG2 Phantomという蒼々たるメンバーである。そちらの印象は明日にでも・・・



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