2009/11/15

1341:Argilla  

 夕食は家族4人で「狼煙屋」へ行った。「狼煙屋」は近所のラーメン屋の中で依然一番人気を誇っている。とんこつと魚の合わせスープである。吉祥寺の「麺屋 武蔵」と基本は似ているのであるが、こちらの方がよりマイルドな味わいである。

 味わいはマイルドであるが、食べるとしっかりと胃にくる。多少もたれ気味になりやすい。今日も少しもたれた。そこで腹ごなしのために、既に夜となりあたりは真っ暗ではあったが、愛犬のメリーを連れ出し散歩にいくことにした。

 日中は良く晴れて暖かな休日であったが、夜になるとさすがに肌寒い。秋の虫もすっかり鳴き途絶えて、あたりは無音である。歩く靴音と愛犬のせわしげな足音が夜空に静かに響く。

 しかし、とある一箇所でコオロギの鳴き声が・・・「確かにコオロギである。一匹のようだ・・・」最後の力を振り絞っているのであろうか。一匹であるが、しっかりとした音を奏でている。

 その音を聴きながら、寒さに震えながらも黒く輝くコオロギの羽根を想像した。そのイメージした黒からの連想か、昨日ゴローさんのお宅で聴かせていただいたORNELLA VANONI「Argilla」の印象的なCDのジャケット写真を思い浮かべた。

 0RNELLA VANINOが全身を黒く塗り、前衛舞踏のようなポーズをつけているインパクトのある写真であり、一度見たら脳裏に深く刻まれる。そして、その写真のみならず聴かせていただいた楽曲も素晴らしかった。

 ゴローさんにとって、このCDは今年亡くなられた音楽評論家の黒田恭一氏との思い出の詰まった一枚であり、単なる愛聴盤を超える存在でもある。

 OFF会の楽しみの半分はソフトである。特に音楽に造詣の深い方の場合優れたソフトを聴かせていただけるという楽しみがとても大きい。
 
 そこで散歩から帰ると早速インターネットでこのCDを調べてみた。昨日ゴローさんがこのCDは入手困難になっている、とおっしゃられていたのが気になったのである。

 HMVでは欠品であった。Amazonでは新品は欠品であったが、中古で1点出ていた。しかしその価格を見て驚いた。「9,800円」と確かに表示されていたのである。「すごい・・・プレミアがついている・・・レコードのオリジナル盤なみの値段である・・・」

 Yahooオークションもチェックしたが形跡すらない。「9,800円か・・・」かろうじて1点残された「Argilla」は、秋も終り冬が始まった頃合に、1匹だけで健気に独奏しているコオロギのような貴重な存在のようである。



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