2009/6/24

1196:マークU  

 最近、東京の郊外でよく見かけるのがインド料理のレストラン。実際にインド人が調理や接客もしていて、なかなか本格的。何種類かのカリーから一つまたは二つ選択して窯で焼いたナンとサラダとドリンクが付いて1,000円前後と値段もリーズナブルなケースが多い。

 私の事務所の側にも1軒そのようなレストランがあり、ランチタイムに時々利用する。定番はチキンカリーやマトンカリーであるが、今日は少しばかり変わりダネである「なすとじゃがいものカリー」にした。

 ライスも選べるが、やはりナンにした。ドリンクはマンゴーラッシーを選ぶ。サラダが付いて970円。ナンは皿からはみ出さんばかりに巨大でボリューム満点。「なすとじゃがいもカリー」は、栄養バランスが取れている感じで味も良かった。

 この店のBGMは当然といえば当然であるがインドの音楽である。結構リズミカルで賑やかな感じでインド独特の旋律が絶え間なく流れている。

 そのBGMを聞くでもなく耳にしていると、ふと「魔窟」を思い出してしまう。秋葉原のカード下に一種怪しげな「魔窟」があった。そこは時代から取り残されたような、場末的な退廃感が漂っていた。

 その魔窟の一番奥に以前「ダイナミイクオーディオ アクセサリーセンター」があったのであるが、そこにたどり着くまでには、怪しげな数件の店の前を通り過ぎなければならない。

 旅行代理店と思しき店、インドの映画のDVDばかりを売っている店、いかがわしい宝飾店などが軒を連ねていたのであるが、そのインド映画のDVDを売っている店はインドの音楽をBGMとして流していた。インド料理店でインド音楽のBGMを耳にすると、その魔窟内の店がふっと思い浮かぶ。

 その店の前を通る時どうしても気になって横目でその店を眺めていた。店員の男性はインド系の顔立ち。たいがいは客はなく、所在無げに座っていた。映画のDVDが多数展示してあったが、どれも同じように原色系の派手な色使いのものであった。

 それらの店のいかがわしい雰囲気やカード下の建物の薄暗く古ぼけた空間、そこに漂う空気に混ざった種々雑多な臭い、そういったものを内包した魔窟の一番どん詰まりにあるオーディオショップには、何百万円という高価なプライスタグが付いたオーディオ機器がこともなげに展示されていたのである。

 人間の猥雑で下世話な欲望の吹き溜まりのような世界の一番奥にひっそりと人知れずAVALONやWILSON AUDIOが佇む空間が隠されている。その奇妙な対比に何かしら心ときめくものを感じた。

 ダイナミックオーディオ アクセサリーセンターは、島田さんが去った後しばらくして閉店してしまった。あのどん詰まりは今は何の店になっているのであろうか?

 この不景気でオーディオショップの売上げは当然思わしくないはずである。撤退はあっても拡大はないとは思うが、もしあのどん詰まりに新たにダイナミックオーディオが店を開くのであれば、その名称は「ダイナミックオーディオ アクセサリーセンター マークU」にして欲しいものである。



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