2009/5/16

1157:映し鏡  

 甘泉園公園は、新宿区にある。唯一残された都電である都電荒川線の面影橋駅から徒歩数分の所に位置する。新宿区という都会にあってまったく異空間とも言える静かな時間が流れる、都会のオアシスである。

 甘泉園公園は、かつて徳川御三卿の下屋敷が置かれた土地であったところを新宿区が公園として整備開放している、甘泉園という名称は園内の湧き水が茶に適していることから名付けられ、園内の水稲荷神社にその碑が残っている。回廊式の日本庭園で、今の季節は新緑の美しさが池に映り、紅葉の時期とともに1年で一番すがすがしい季節である。

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 さて、その甘泉園公園のほど近くにPaoさんのお宅はある。周囲はここが新宿区かと思ってしまうほど静かである。そしてどことなく下町の風情がまだここかしこに残っている心落ち着く地域である。

 Paoさんとは1週間ほど前に始めてお会いしたのであるが、なぜか「他人」と思えない親近感を感じた。先日は短い時間でのOFF会であったが、初対面なのに結構辛口の批評もいただいた。

 「歯に衣きせぬ人だな〜」と内心思いながらも、指摘されることが的確というか、こちらの内心を見透かしたようなことばかりであったので、思わずうなずいてしまった。

 Paoさんのリスニングルームは6畳である。オーディオ用にだけ使われている。縦長配置でセンターラック方式により機器は整然とセッティングされている。

 スピーカーはPaoさん自作のもの。自作に関してはまったく知識がないので使用ユニット等は不明である。長岡鉄男氏の設計になるものでバックロードホーン型である。プリアンプはYAMAHAの古いものをお使いである。パワーアンプはLo-Dの古いもの。色はどちらも黒。

 CDプレーヤーはマランツのCD-34。こちらも色は黒でコンパクト。中身はかなり手が加えられているとのことであったが、外観はいたってシンプル。これらの機器が自作の三段ラックにすんなりと縦方向に並べられている。メーカーやサイズは違うがどことなく統一感があるのは、すべての機器が黒だからであろうか。

 このシステムの音を一言で表すなら「痛快」である。スパンとまったくけれんみのない音が俊足で耳に到達する。低音も早く、ゆるみがない。主にジャズやロックを聴かせていただいたが、150ヤードのショートホール、8番アイアンでナイスショットしたボールが緩めのドローでピン方向に飛んでいった時のような心地よさがある。

 中高音の質量感やキレもあり、スピード感が全域でそろっている印象である。何かしら地に足の着いたPaoさんのオーディオライフそのものを象徴するような音であった。「音は人なりとは言うが・・・その人の人生の映し鏡のようなものか・・・」と感慨深く帰路についた。



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