2009/4/7

1117:カフェ・ド・ランブル  

 大井町駅の東口を出ると、線路沿いに品川方面に向かう小さな通りがある。右側が商店街になっていて、左側は線路。その線路側に桜の木が数多く植わっている。桜の花は多少花びらを散らし始めていたが、まだまだふくよかに美しく、暖かい風にそよいでいた。

 今年は3月に寒い日があったせいか、4月になってから桜が満開になった。ちょうど今は入学式の頃。桜をバックに写真を撮っている親子を数組見かけた。真新しく少し大きめの制服を着た中学生を見ていると、微笑ましい気分になる。

 大井町には月に1回来る。そしてこの小さな通りを通って顧問先の会社に向かう。車の通らないこの通りは、どこか時間の流れが止まったような雰囲気がある。寂れているといえば寂れている。しかし、懐かしく思われるのである。

 大井町での仕事を終えての帰り道、少しばかり寄り道をした。新橋駅で降りて「カフェ・ド・ランブル」に立ち寄った。ここは銀座で最も古くそして最も有名な喫茶店であろう。今年で61周年となる。創業者の関口さんは今も健在である。

 店に立ち寄って小さなテーブル席に腰を下ろすと、関口さんは少し離れたところで知人の方数名と歓談されていた。おそらく既に90歳を超えているはず。話し声が聞こえてきたが、実にしっかりされていた。

 その話題は当然コーヒーに関すること。吉祥寺の「モカ」は主を失い、閉店していたが、後を継いで店を続ける人もなく、結局この5月に取り壊されることについて話されていた。

 「もったいない・・・」と関口さんが話されていたことが印象に残った。伝説的な標さんの後を引き継ぐとなるとそのプレッシャーたるや相当なもの。伝説は伝説のまま終わらせる方がいいのかもしれない。

 さて、カフェ・ド・ランブルのブレンドを味わい、その複雑で熟成された味わいに伝統の重さを感じた。味わいは濃く深い。そして雑味がなく、後味が爽やかである。

 カフェ・ノワールと呼ばれるやや濃い味わいで小さめのカップで出されるものを頼んだ。カップが小さめであるので当然コーヒーも普通よりも少なめ。飲み終えてもう少し飲みたいような気にはなるが、この深い味わいは印象的である。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ