2009/4/2

1112:モカ・マタリNo.9  

 コーヒー豆の名前は概ね産地を示している。しかし、モカは産地の名前ではない。モカはイエメンの南西岸、紅海に面する小さな港町の名前である。アラビアで産出されたコーヒーはこの港から船積みされてヨーロッパに輸出された。

 港は19世紀以降は、土砂が堆積してできた砂地のため閉鎖され、その後コーヒーは別の港から輸出されてるようになったが、モカの名前は今日でもそのままコーヒー豆の名前として使用されている。

 さらに多少ややこしいのが、かつてモカの港からはイエメン産のコーヒー豆の他に対岸のエチオピア産のものも一緒に輸出されたため、両国産のものを合わせて「モカ」と呼ばれている点である。つまり「モカ」と一言に行ってもイエメン産とエチオピア産とがあることになる。

 そこで、両者を区別するためにイエメン産のコーヒー豆は特に「モカ・マタリ」と呼ばれることがある。モカ・マタリはイエメン北西部の高地で産出される。さわやかな香りと強い酸味のある味わいが特徴である。

 最近、近所のコーヒー豆屋さんで購入するのは、「ケニア」と「モカ・マタリNO.9」である。「NO.9」は優秀な豆に付く記号のようである。この豆、この店のラインナップの中では値段は高め。

 豆は小粒でとてもかわいらしい。豆の状態での香りはとてもこうばしくすがすがしい気分にしてくれる。

 このモカ・マタリNO.9をネルでいれると、素朴な味わいが得られる。苦味よりも酸味が少し勝った味わいである。洗練されたコーヒーの味わいというより、自然で野性味溢れる印象を受ける。

 今晩もゆっくりこのモカ・マタリNo.9を味わっていたら、携帯が鳴った。そしてもたらされた情報は「タンノイのモニターシルバー15インチが、アメリカ・タンノイのキャビネットに納められ売りに出る、しかもステレオで・・・」というもの。

 「げげっ・・・シルバーがペアで・・・これは希少価値が桁外れに高い・・・」その情報を聞いてしまうと、コーヒーをゆっくり味わうどころの心境ではなくなった。



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