2009/3/3

1082:プロトタイプ  

クリックすると元のサイズで表示します

 TD-124に装着されているアームである。型番はSME2009。ショップの方によると最初期型でしかも「プロトタイプ」であるとのこと。

 「プロトタイプ」とは、量産前の試作品のこと。その試作品を使って問題点を洗い出して検討し、量産品においてはそういった問題点をつぶして製作されるために製造されるもの。

 試作品なので当然台数は少ないはずである。オーディオ機器の場合一般的にはプロトタイプよりも量産品のほうが品質が安定しているはずであるが、稀にコストを度外視して作られたプロトタイプのほうが優れている場合もあるようである。

 じっくりこのアームを眺めてみると、何十年という年月の経過を経ているはずであるがとても綺麗である。錆は全く見当たらない。ピカピカというわけにはいかないが、しっとりと落ち着いた光を放っている。

 インサイドフォースキャンセラーが付いていないシンプルな構造であり、その姿からは質実剛健さが垣間見れる。

 ショップのオーナーは、「プロトタイプのほうがしっかりした音が出る」とおっしゃられていた。その姿形を見ていると、比べたわけでもないのに、そんな感じがしてきてしまう。

 そのアームにオルトフォンのSPUを装着すると、違うメーカーではあるのであるが純正組合せかと思わせるものがある。

 今までに何人のオーナーに使えたのかは定かではないが、愛されてきたことは確かなようである。

 SPUとの組み合わにより奏でられる音は、線の細い繊細な印象ではなく、やや太めで小さなことには拘泥しないスムースさがあるとともに、渋めの明るさがある。それは蛍光灯的な明るさではなく、やや暗めの白熱灯といった風情である。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ