2008/7/19

855:ピアニスト  

 ピアニストが奏でる音の傾向は、当然そのピアニストの音楽性や嗜好性が反映されたものである。力強く音楽の骨格を描ききるのが得意なピアニストもいれば、繊細で柔らかなタッチでパステルカラー調の霧を撒き散らすピアニストもいる。

 本人の嗜好性が最も大きな要素であるが、同時にその体型や筋力などピアニストの肉体的な特質がその奏でる音色に与える要素も相当大きいはずである。がっしりした体型で筋力があるピアニストと、筋肉の筋の一本一本が柔らかく指の動きが実に滑らかに動くピアニストでは、その音色の差は相当なものがあるはずである。

 オーディオ機器も使いこなしで、かなりの幅での変化をもたらすことができるが、それぞれの機器の持っている基本性能というか、骨格や体型のようなものが、その音色に与える影響度合いは、ピアニストの場合と同様のはず。

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 今日はmiyaさんのお宅にお邪魔した。lmstさんもご一緒で3名でのOFF会である。miyaさんは、JBL Model 4333Aをメインにお使いである。マッキントシュのプリとパワーで駆動されている。送り出しはPCトランスポート。

 DACは、WADIAを普段使われているが、今日はJeyさんから一時借用中のdcs ELGARもそのラインナップに加わっていた。そして、この両者、その基本骨格が結構違っているという印象を持ったのである。

 まずはELGARで聴かせていただいた。まさにハイエンド的な音である。しっかり感がありクリア、情報量もこちらの受容能力目一杯に迫ってくる。その切れの良さは圧巻、オーディオ的な快感度合いは相当高い。

 DACをWADIAに換えると、がらっとその受ける印象が変化する。ボーカルはとても自然な質感となり、穏やかさがでる。ELGARの後に聴くと何かしらほっとできる居心地の良さが感じられる。耳馴染みが良いという表現をしたくなる。

 音のキレや情報量はELGARのほうがある。しかし、ボーカルの自然さや生身感はWADIAのほうがある。良いとこ取りができれば良いのであるが・・・ということで、lmstさんが持参された白いケーブルたちの登場の運びとなった。様々なシールド効果のある素材を複数使ったlmstさん特製のケーブルである。

 まずはXLRケーブル。DACをELGARにしてこのケーブルを使用すると、キレがにぶることなく、ボーカルの質感が向上。これは効いたようである。さらにパッと見ではみんな色が白いため区別がつかない3本の電源ケーブルも登場。それぞれにハッキリとした主張のある優れたケーブルたちであった。

 ELGARとWADIAは、白いケーブルたちに応じて色んな横顔を見せてくれるが、その基本的な性格はそれぞれしっかり堅持している。それは、着る服装によって受ける印象は相当変わるが、身長や体型など肉体的な特性が変わることはないのと似ている。いきなりもの凄く長身になったりすることはないのである。

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 広く、清潔で優れたセンスで統一された部屋のなかで、乾いたアメリカ西海岸の爽やかな空気を想わせるJBLの音を聴きながら、素晴らしく美味しいワインも頂いた。こういった午後はあっという間に時間が流れていくもの。実に楽しい時間を過ごすことができた。



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