2008/7/7

843:光明  

 「木曾路はすべて山の中である。あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた」

 島崎藤村の「夜明け前」の書き出しである。美しく流れるような文章である。夜が明ければ、深い森林地帯を貫く街道にも、ところどころには陽射しが差し込んでくるのであろう。

 我が家の2階のリスニングルームにも一条の光明が差し込んだ。セッティングを大胆に変更したのである。それが思いのほか好みであり、「これは可能性がある」と内心思った。

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 2階の部屋は本来の主目的は主寝室。広さは12畳。6畳間が二つ繋がったような形になっている。従来はその長辺の一部にスピーカーをセッティングしていたのであるが、今回はこの部屋を縦長使いにし、スピーカを部屋の中央付近にセッティングしたのである。

 なので、スピーカーの背後にはかなりな空間が広がっている。そちら側にはベッドが置いてある。リスニングポイントからスピーカーまでの距離は比較的近く、ニアフィールド的な位置関係である。

 このセッティングで聴くと、スピーカの背後に広大な音場が展開し、その広さや奥深さに少なからず驚く。そして音楽自体が悠然とした趣を帯び、自然な重厚感が感じられる。オフマイク気味に録ったクラシックのソフトとの相性はバッチリである。

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 駆動機器は従来どおり、Emm LabsのペアにQUADのペアである。近いうちにはこのラインナップにバージョンアップされたSD05も加わる予定である。

 PSDのスピーカーは、このようなセッティンッグをして初めてその本領が発揮されるのではないか、という気がする。いわゆる「カルダス・セッティング」に近いものがあるのかもしれないが、音場の拡がりが本当のコンサートホールを連想させ、私自身の好みからすると、かなり「ツボ」を押される感じである。



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