2008/6/27

833:ESLの足  

 魅力的な女性の足は、ふくらはぎから足首にかけるラインがなだらかにアールを描く。そこに重みが感じられてはいけない。あくまで軽やかなカーブでなくてはならない。当然足首は細みで引き締まっている必要がある。

 QUAD ESLには足が3本ある。その足の具合はとても良い感である。実に軽やかさを感じさせる造形である。まったく重さを感じさせる要素がない。そして全体のデザインは、パネル面に緩やかな仰角が付くようになっていて、角にも丸みが持たされているので、独特の気品ある雰囲気を醸し出している。

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 ESLはその後ESL63が出て、さらにESL988、ESL2805と引き継がれる。それらを聴いた経験はないのであるが、物理的な特製や強度はきっと改善されているはずである。しかし、物理的に優れていても、ESLのあの独特の気品を越えることはできていないような気がする。

 今日はビンテージレストラン「hiro」を再訪した。私と同じく最近QUADの扉を開きその魅力に取り付かれ始めているyy90125さんとご一緒である。オーナーシェフであるhiroさんは前回同様実に様々な料理を矢継ぎ早に出してくれる。

 どれも独特の味わいに満ちている。QUAD 22 U、33 303、44 405-2でいただくESLやチャトワース、レッドの入ったVLZなどなど、その全てがその持ち味を存分に活かされた音で、音楽の様々な横顔を見せてくれる。

 そのなかで、今日のメインディッシュはやはりQUAD ESL。33 303で聴くESLはやや明るめの色調を帯びた爽やかで自然な質感の音で、空間表現は当然のことながら、陰影表現の幅も広い。

 アンプを44 405-2に換えると、その広い空間表現や自然な質感は維持しながら、陰影感はより濃い色合いに振れる。アンプそのものの色合いと奏でられる音の色合いが見事に一致しているのに驚かされる。33 303で奏でるESLの音からは、淡いグレーとおだやかなオレンジの色合いが感じられるのである。

 そして44 405-2にすると、その色調はグレーの色合いがより濃いしっかりしたものになり、統一感が感じられる。QUADに嵌った方はその多くが、44 405-2 、33 303、22 Uと全てのペアを揃え、さらにESLやESL63に向かう。そのQUADマニアの方の心情が、今日は痛いほど分かる気がした。

 私はQUADマニアの入り口に立っている段階であるが、「QUAD」と実にさりげなく書かれた扉を開けたことを、全く後悔していない。今日ESLを聴かせていただいて、その扉の向こうにおおきく踏み込む決心をしたからである。



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