2008/6/11

817:CELLO  

 VIOLAは二人のベテラン・エンジニアによって興されたオーディオ・ブランドである。一人はトム・コランジェロで、もう一人がポール・ジェイソン。この二人はトムがマークレヴィンソン社のチーフエンジニアをしていた頃に知り合い、その後CELLO社でも一緒に仕事をした。

 そのトム・コランジェロ氏は、残念ながら昨年9月5日に自動車事故で亡くなった。2本柱の1本がうしなわれたので、今後のVIOLA社の行く末が多少心配にはなる。おそらく、会社としては残るであろうが、開発スピードやその音色については多少変化せざる得ないであろう。

 この二人のエンジニアがCELLO時代に開発したのは、有名な AUDIO PALETTE やAUDIO SUITE、ENCORE PREなどで、今でも傑作として有名であり、大事に使われている方も多い。

 同じエンジニアが開発したという意味で、VIOLAの製品は、実質的にはCELLOの製品の後継機ともいえる。残念ながら私がオーディオに興味を持つようになった時には、既にCELLO社は実質的に存続していなかった。

 なので、雑誌やオーディオ・ショップの中古コーナーでその容姿を見るだけであるのだが、その精緻な美しさには「このデザインだけでも十二分に存在価値がある」と思わせるものがあった。

 後継機としてのVIOLAの製品よりもそのデザイン的な精緻さ加減は、CELLOの製品のほうがあるような気がする。特にあのノブ・・・ついつい触ってみたくなる。カチカチと心地よい感触が親指と人差し指と中指に均等に感じられる。

 あのノブはぜひともその3本の指で回したい。親指と人差し指の2本だけではダメで、また5本全部の指を使うなどもってのほかといった印象すら受ける。VIOLA CADENZAに採用されたノブは、CELLOのプリアンプに採用されたノブに比べてしまうと相当部が悪い。なにせあのノブでは指が3本ではなく5本使うことが要求されてしまう。

 しかも、カチカチというクリック感がVIOLAの場合少し曖昧である。CELLOのクリック感はもっと正確で繊細である。同じエンジニアが開発したといっても会社が違うのでやはりその意匠も変更する必要があったのであろうが、あのノブについては引き続き使い続けて欲しかった。

 音のほうはVIOLAとCELLOではどうなのであろうか?いつか機会があったらCADENZAの一世代前のモデルとも言えるCELLO ENCOREとの聴き比べなどもしてみたいものである。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ