2008/6/10

816:sweet machine  

 今どきの子供達でも、「おままごと」をするのであろうか?我が家では上の娘は全くそういった女の子ぽい遊びには見向きもしなかった。下の娘は小学生低学年のころ、一時こったことがある。

 ねだるおもちゃが「おままごと」系のものばかりなのである。誕生日やクリスマスといった記念日ごとにそういった「おままごと」系のおもちゃが増えたのである。この手のものは大概「〜セット」と命名されていて、ケースを開くとそこがキッチンになっていたりする。

 小さなテーブルや椅子、さらにお鍋やお皿、カップなどが揃っている。それに熱中している間は良いのであるが、飽きてくるとそういった小さなものが床に散乱していたりするので、買ってあげる際には、いまひとつ気が進まなかった。

 そういったプラスチックでできた鍋や皿などを拾い上げて、そのケースの中に戻すのが結構厄介なのである。休日に掃除機をかけたりすると、そういった小さなものが誤って吸い込まれたりするので、困ったものであった。さすがに今はそういった「おままごと」系のおもちゃで遊ぶことはなくなったものの、屋根裏のロフトにはいまだにそういったおもちゃが床に転がっていたりする。

 この手のおもちゃ、結構精巧に作られていたりする。鍋には蓋がついていたり、電子レンジの扉がちゃんと開いて中にものがいれられるようになっていたりと、「なるほど・・・」と、一瞬見入ったりするのである。

 「おままごと」系のおもちゃほどの小ささではなくても、コンパクトなオーディオ機器は素敵である。何故かしらイギリス製のオーディオ機器はコンパクトなサイズのものが多い。その小ささ加減が絶妙で素晴らしい。QUAD、LINN、MERIDIANなどが代表的なメーカーである。

 我が家には今QUAD 44と405-2があるが、そのコンパクトで精緻な造形はもの凄く求心力がある。LINNやMERIDIANも素晴らしいと思う。特に現在のモデルではなく、一世代前のデザインが私は好きである。

 LINNもMERIDIANも、一世代前のモデルはパッと見真っ黒で素っ気無いように見えるが、じっくり眺めると引き込まれるな造形美がある。そしてそのサイズが絶妙な具合なのである。

 単に小さければ良いというものではない。最近多い非常の小型のデジタルアンプに関しては、デザイン的に全く触手が動かない。ある一定度合いを超してコンパクトになると、私の場合全く反応しなくなるようである。横幅と奥行きは33cm程度、高さは9cmほどというのがスィートスポットのようである。

2008/6/9

815:パー45  

 雨をついて今日はゴルフ。私のような中級者ゴルファーにとってボギーが実質的なパーのようなもの。なのでハーフは本来のパー36ではなく、意識の上ではパー45でプレーしている。

 ハーフの目標というか一つの目安が45である。結局のところ、パーの数とダブルボギーの数の拮抗具合がその日の成否を決める。ハーフでパーが一つでダブルボギーが二つであると1-2で負け。逆であると2-1で勝ちとなる。

 もちろん時にはバーディーがあったりトリプルボギーがあったりするのであるが、概ねパーの数対ダブルボギーの数が決め手となる。

 ダブルボギーが先行するとあせる。意識の上ではダブルボギーは一つ先行するとワンオーバーとなる。二つ先行するとツーオーバー。だんだんあせってくる。どうにかパーを出して追いつかなければいけないのであるが、あせればあせるほど入れ頃はづしはずし頃のパーパットが入らない。

 今日は雨のせいも若干あったのであるが、そういったダブルボギー先行型の内容であった。パーが出てやっと追いついたと思ったら、またダブルボギーが出るといった展開で、午前はパー一つ、ダブルボギー二つの1-2でワンオーバー。午後も全く同様パー一つ、ダブルボギー二つのワンオーバー。

 どちらも私の中でのハーフのパーである45を切れずじまいであった。まあ、月に2回程度のゴルフ、この程度で一喜一憂しているのが一番楽しいのかもしれない。あまりにも熱を上げすぎて、仕事や家庭を顧みなくなってしまった方も知っている。

 と、自分を慰めてみるものの、やはりOUTもINも45を切りトータルで80台をコンスタントに出せるぐらいにはなりたいものである。

 何かしら、コツがあるはず、これさえクリアすれば抜群ではないにしても、そこそこショットが安定するというようなコツが・・・いろいろ試行錯誤するのであるが、練習場で「これはいけるのでは・・・」と思い至ったコツは、実際にコースに出てみると以外にもろい。

 そして、またまた思いなおしてあれこれ試してみるといった連続である。トッププロであっても調子を保つことは極めて難しいデリケート競技であるので、月2ゴルファーであればなおのことである。

 QUAD 44のティルト・コントロールの調整のようなコツが、ゴルフのショット・・・特にティーグランドにたった時のショットにも見つかれば良いのであるが・・・

2008/6/8

814:スライドパズル  

 このブログを「オーディオ・ブログ」と思っていらっしゃる方が多いようであるが、実はそうではない。確かに「趣味であるオーディオに関して体験したこと感じたことを思いつくままに書いたものです」とブログタイトルの下に書かれている。

 しかし、このブログはけっして「オーディオ・ブログ」ではない。少なくともオーディオ・マニアの方が読んでためになるとか有益な情報が得られるといった類のブログではない。なんせ、書いている人間がオーディオに関しては無知蒙昧状況から抜け出せないレベルであるからだ。

 さらに、決定的なことは、このブログは「オーディオ・ブログ」ではないということである。ではなんのブログなのか?表面的にはオーディオに関することが書いてある日が多いのであるが、実は「パズル」に関するブログなのである。

 「パズル」といってもいろいろある。ジグソーパズル、クロスワードパズル、スライドパズルなどが定番で、他にも様々なものがある。

 私が好きなのは、スライドパズル。空きスペース用のピースを一つ取り出し、他のピースを大まかにスライドさせてシャッフル。数字がバラバラになった状態からスタート。最終的には1から最後の数字までが綺麗に順序どおり並び終了となる。空きスペース用のピースを元の位置に戻し、蓋をする。

 数字を順序だてて並べるには、一旦はあるべき位置からわざと遠い位置へある数字を持っていき、廻りまわって本来の位置へ戻ってきたり、あるときは全く見捨てられたような感じで放置されていた数字がひょいっとキーポントになったりする。その変化具合が面白い。そして徐々に出来上がってきて、まだ流動的ながらゴールに向かっていく様は何かしらワクワクさせるものがある。

 大抵この手のパズルはプラスチックのケースに入っている、当然ピースもプラスチック製。利き手の人差し指を使ってピースをスライドさせるのであるが、そのプラスチックがこすれる際の音やピース同士がぶつかり合う音は、かすかな音であるが小気味良い知性の興奮を伝えてくれるのである。

 このスライドパズルを基本として、時にクロスワードパズルの要素を加味することにより、このブログは成り立っている。なので、一旦陰に隠れた言葉がいつのまにか決め手の位置に戻ってきたりする。

 そして、プラスチック同士がこすれあう音ではなく、同じプラスチック製であるが、パソコンのキーボードをやみくもに早く叩く「カチャ・・・カチャ・・・」という音が静かに響くのである。このパズルを解く制限時間は30分である。 

2008/6/7

813:ブリティッシュ・サウンド  

 腰の辺りはくびれている。わき腹から腰へのラインはなだらかに降りていき、やがて反転する。お尻に向かってそのラインは盛り上がっていく。そしてとある地点のピークを過ぎると急に収束するかのようにまろやかな降下ラインを描く。

 そのラインを右手の人差し指と中指の2本だけで触れるとも触れないとも言えないような微妙なタッチでそっとなぞっていく。しかし、そのアールの角度はしっかりと知覚しながら・・・それは至福の一時である。

 今日はそんな至福の一時を得るための特別の知識を習得した。その成果により達成された独自のラインがこれ・・・といってもよく分からないはずであるが。

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 今日はishiiさんとMさんが我が家に来てくれた。新着のLINN CD-12の音や、LP-12とXERXES 20との聴き比べなどを楽しんでいただいた。そして、この3名の共通点はQUAD 44であった。私はつい最近使い始めたのであるが、お二人は以前愛用されていたのである。そこでQUAD 44最大の謎であるティルト・コントロールについてお伺いしたのであるが、Mさんより、その明確で極めて分かりやすい説明を受けたのである。

 すっかり謎は解けた。そして、ティルト・コントロールの有効性・合理性そして視覚的な整合性を理解するにいたり、「奥が深い・・・」と感銘を受けたのである。QUAD 44を使いこなすうえで、この機能のことを真に理解しているか否かは、かなり決定的なことである。

 三つに分かれたティルト・コントロールのつまみを操作することは、ベッドにうつぶせに寝た女性の腰からお尻、そしてももへのラインを指でゆったりとなぞるかのような甘美な喜びである。そのラインを上手く描ければ、好みのブリティッシュ・サウンドが現出するのである。

2008/6/6

812:鼻の下  

 昨日の全仏テニス女子準決勝第2試合、アナ・イバノビッチ(セルビア・第2シード)vs エレナ・ヤンコビッチ(セルビア・第3シード)の試合は見ごたえがあった。結果として2-1でアナ・イバノビッチが勝ったのであるが、セルビア人同士の対決はまさに火花散らす激戦であった。

 私は、アナ・イバノビッチを応援していた。理由は簡単。明らかにアナ・イバノビッチのほうが美人であるからである。シャラポアに代表されるロシア勢の美人度とはまた質感の違う美しさである。

 ロシア勢の美しさは、妖精的である。しかし、アナ・イバノビッチはもう少し親しみやすい感じがする美しさである。昔の日本のアイドルは、いかにも美形というタイプではなく、どことなく親近感のあるかわいい感じの女の子が多かった。そういった親近感のあるタイプの美人である。

 そうは言っても身長は183cmの長身。恐ろしくスタイルは良い。ではるが、その笑顔はとても親しみやすい雰囲気をたたえている。

 今は女性であっても、ガンガンにストロークを打ちまくるパワーテニスの時代である。そしてロシアやセルビアなど旧共産圏の国が強い。以前は非常に選手層の厚かったアメリカは最近では影が薄いようである。

 この両者の対決を見ていて、「美人であるか否かということはやはり非常に大きい」という気になった。この試合に先立って行われた準決勝の第1試合は、ディナラ・サフィーナ(ロシア・第13シード)vs スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア・第4シード)のロシア勢同士の戦いであった。こちらは明らかにサフィーナが美人であった。なのでサフィーナを応戦していた。

 多くの男性がそうであるように、私は面食いである。それは女性に対してだけでなく、オーディオ機器に対しても同様である。我が家の1階のリスニングルームに佇む3台のラックに並んだ機器を見ながら、「やっぱり、美人は良いよな〜」と鼻の下を伸ばすのであった。

2008/6/5

811:往復  

 「ドドドドド・・・」「ダダダダダ・・・」「ツツツツツ・・・」「デデデデデ・・・」と、早足で駆け下りたり、駆け上がったり、今日は何回1階と2階を往復したのであろうか?

 昨晩から1階でもCDが聴けるようになった。なのでついつい、意味もないのに1階のLINNで1曲聴いてから、「2階のEMM Labsではどうなるのか?」・・・あるいは2階のEMM Labsで1曲聴いて、「LINNでは・・・?」といった思いが起こり、その都度CD片手に階段を昇り降りしたのであった。

 しかし、これははっきりいって意味のないことである。つまり新たに導入されたLINN CD-12と従来からあるEMM Labs CDSD+DCC2との厳密な意味での聴き比べでは全くないからである。

 なにせ1階と2階は部屋の状況が全く違う。1階の部屋はオーディオ専用に石井式リスニングルームに改装してある。対して2階の部屋は本来は主寝室であり、空いたスペースにオーディオを無理やり押し込んでいるに過ぎない。構造も木造軸組みのやわな構造であり、スピーカーの周囲には音響的な調整グッズは全くない。

 それにアンプも違う。スピーカーも違う。そのような全く違う環境で同じCDの同じ曲を聴き比べたところで、送り出し機器の正確な比較とはなり得ないのである。それでも、「意味ないよな〜」と頭で思っていても、ついつい体が動く。

 まあ、これはLINNとEMM Labsの比較というより、VIOLAとQUADの比較であり、HRS-120 CARBONとPSD T3との個性の違いを再確認する作業でもあった。

 2階のEMM Labs>QUAD 44+405-2>PSD T3は、豊かな質感を感じさせる芳醇な響きが特徴。スピード感や音の粒子の微粒子感覚は比較的低め。これはかなりQUADの音の個性が乗っているのであろうか?しかし、これは聴いていてとても気持ちが良い。

 1階のCD-12>VIOLA CADENZA+SYNPHONY>HRS-120 CARBONは、2階の音と比べると透明度が高い。これは部屋の構造が違うことと電源環境の差も相当な影響があるはずである。部屋自体の響きの粒子が一回り細かく表面が美しく磨かれている感じがある。そのためか、微細な音色変化が多彩で、演奏の細かな表情の差がはっきりとつかめる。

 この1階と2階の往復は、おそらくこれからも続くかもしれない。運動不足解消にはちょうどいいのかも・・・

2008/6/4

810:LINN CD12  

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 「出ましたよ・・・」電話の主はSOUND CREATEの花木さんであった。「出ましたか・・・」思いのほか、早く出たので少しばかり拍子抜けした。

 相当待たされるものと覚悟していたのであるが、「今はちょうどKLIMAX DSが出たので、買い換える方がいらっしゃるはずです」と花木さんは比較的早い時期に中古が出ると読んでいらした。その読みどおり早く出た。

 「出た・・・」といわれて「頂きます・・・」と即答。「聴かなくていいですか?」と問われても「いいです・・・」と答えていた。

 CD12を最初に聴いたのは2年ほど前であったろうかNAGRAさんのお宅であった。そして最近では安西さんのお宅で聴かせていただいた。いずれも好印象を持ったのであるが、いつしかLP-12とXERXES 20との間に収まるCDプレーヤーはCD12以外ないような気持ちになっていたようである。

 しかし、現行製品ではないので中古でしか手に入らない。中古市場に出てくるのは結構稀で、出ると比較的早く売れてしまう。なので実際に1階のリスニングルームに迎え入れるには、それなりの時間がかかるものと思っていたのであるが、KLIMAX DSの登場が思いのほか効を奏してくれたようである。

 その思いのほか早いタイミングで出た中古のCD12を、今晩花木さんが我が家に運んできてくれた。1階でCDを聴くのは何ヶ月ぶりであろうか?まだ運び込まれたばかりなので音については、これから変化するはずであるが、一聴した感想は「やはり、間違ってなかったようだ・・・」という気持ちであった。これで1階の「オーディオ桃源郷」は最後のピースがしっかりとはまり完成した。

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2008/6/3

809:堂々巡り  

 セッティングを少しいじって、「これは良いのでは・・・」と思い、しばらくその状態で聴いていると、数日すると何か落ち着かない感覚に見舞われることがある。何かしらしっくりこない、音楽を聴いていても入っていけない・・・となると、セッティングを元に戻さざる得ない。

 2階のリスニングルームのスピーカーのセッティングは数日前にいじった。スピーカー本体とスピーカーベースの間にアルミ製のインシュレーターを挟んだのである。変更直後は見通しがよくなり、解像度が上がり、と良いことのほうが多いような気がしたのであるが、数日聴いているとなんとなくしっくりこない印象を受けるようになっていた。

 一言で言うと「アルミくさい」のである。クリアで硬質感があり、くっきりした質感がいまひとつ好きになれないようである。そこでアルミ製のインシュレーターをはずした。そして単純に元に戻せば良いのであるが、ついつい「アルミがダメなら黒檀でどうだ?」と未練がましい調整を行う。

 「少し良くなったかな・・・やはり金属よりも木の方が良いみたいだ・・・」という第一印象を受けた。しかし、これも3日ほどすると「何かしっくりこない・・・」という感想が胸の奥底からふつふつと湧いてくる。黒檀というのは確かに木であるが、かなり硬い木である。黒檀を使って自分の好みになったことは残念ながら一度もなかった。

 やはり黒檀と私の好みとの相性は良くないようであった。結局スピーカーベースとスピーカー本体との間には何も挟まず、素直でシンプルなセッティングに戻った。こういった堂々巡り的な微調整は結構我が家では行われる。結局却下されることの方が圧倒的に多い。

 特に解像度を上げたり、音の質感がクリアになる方向での微調整は、「これはオーディオ的に良いのでは・・・」と最初のうちは歓迎されるのであるが、しばらく時間が経過すると「しっくりこない」と撤去される可能性が高い。

 そうして結局はよりシンプルにより何もしない方向に落ち着くのである。2階のオーディオ機器はCDトランスポートのみに足の下にカーボンのインシュレーターが用いられているが、それ以外の機器は全てラック直置きである。

 従前は「何か対策しなきゃ・・・」といった強迫観念にも似た気持ちがあったようであるが、最近は「対策が無いにこしたことはない」といった気持ちになってきた。堂々巡りの調整は形としては残らないのであるが、経験則としては少しは役立っているようである。

2008/6/2

808:原体験  

 「変わることは良いことである。」・・・私が少年期を過した時代は右肩上がりの時代であった。物価も賃金も上がり、10年も経つとすっかり時代遅れになってしまうほど社会の変化が激しく、何もかもがすぐに色あせてしまうような感じであった。そしてそういう時代には「変化」は奨励された。

 しかし、バブル崩壊後の20年は右肩上がりどころか、右肩下がりの時代となった。日本も成熟社会、あるいは飽和社会となったのである。人口が減少傾向を見せ始め、急激な高齢化社会に入り、物価も賃金も下がる傾向のデフレが長らく続いたのである。

 こういう時代になると「変わることは良いことか?」という機運になる。さらに、勢いがあり夢があった高度成長期を懐かしむ風潮も出てくる。私も人生の折り返し地点を過ぎ、ふと後ろを振り返ると、少年時代をすごした60年代後半から70年代にかけての頃がとても懐かしく、そしてまぶしく思い出される。

 ちょうど1970年ぐらいであろうか、父の会社の社宅で暮らしていた頃、我が家には、小さなステレオ装置があった。レコードプレーヤー、レシーバーそしてスピーカーの全てが一体となった装置で、足が4本付いていた。パッと見はこぎれいな家具で、表面の仕上げも木目調で、全ての蓋を閉じるとお洒落なキャビネットといった感じであった。

 そういった装置なので、本格的な音がするとか、その前に胡坐を書いて腕を組んで傾聴するといったものではけしてなかった。新聞を読みながら、あるいは、ごろっと畳に横になって何気に聴くのが相応しい雰囲気の装置であった。

 その当時としては、相当高価なものだったと思われる。普通のサラリーマン家庭であった我が家にとって、そのステレオ装置は相当思い切って買ったものであったはずである。なので、相当大事にされていたものと思われる。

 今、結構オーディオにはまっているが、「オーディオ原体験は何だったのであろうか?」と思う時、もしかしたらこの遠い昔の4本足の家具調ステレオ装置がそうだったのかもしれないと思い起こされる。

 引き違いになっている扉を開けて電源スイッチを入れると、オレンジ色のランプがともり、右側上部の蓋をぐいっと持ち上げるとそこにはターンテーブルが隠れている。10年以上、我が家の片隅に置かれて活躍していたステレオ装置は昭和の香りが色濃くする代物であった。実家にはその装置はもうないが、今になってとても懐かしく思い出される。

2008/6/1

807:未開拓地  

 STUDIO K'SのHPからプリントアウトしたアクセス地図を片手に持ちながら、御茶ノ水駅の聖橋口を出た。そして地図を確認しながら歩くこと5分程度。「ここかな〜」となんの変哲もないビルを見上げる。

 もう少しお洒落な建物かと勝手に想像していたのであるが、そのギャップは結構あった。先日SOUND CREATEが入っている銀座のビルに入るときにも、かってに想像していた「お洒落でモダンなビル」と現実とのギャップの大きさに多少つんのめったことを思いだした。

 しかし、建物ははっきり言ってパッとしない建物であったが、一歩ドアを開けて中にはいれば外観からは想像できない別世界の空間が広がっていた。これもSOUND CREATEの場合と一緒。ビルは「おいおい、銀座って言うから期待したのに・・・」という風体であったが、一歩中にはいるとそこは別世界。しかも超美人の女性スタッフが恭しく出迎えてくれた日には、「どんなローン契約書にもサインします!」という心境になってしまう。

 残念ながらSTUDIO K'Sのドアを開けても、超美人な女性スタッフは出迎えてはくれなかった。変わりにこのSTUDIO K'Sの主催者である山本耕司さんが出迎えてくれた。あくまで「音楽喫茶」なので、コーヒーとシフォンケーキを注文して、席に着いた。既に数名の方が座っていらして、安西さんがPCを操作しながら音楽をかけていらした。

 席に座ってこのSTUDIOを改めて眺めてみる。やや縦長で広さは結構ある。天井はそれほど高くなく、内装は白を基調としていて爽やかで清潔感がある。床は白木の穏やかな印象のものが使われていて、壁に掛かっている山本さんの写真作品が、で柔らかな質感とリズム感を部屋の空気に加えている。

 そして、実にさりげなく置かれた風に見えるスピーカーはJBLの古いモデル。型番は全く分からない。かなり小ぶりに感じる。かってにもっと大きなスピーカが置かれているのかと想像していたのである。ボードの上に置かれていたのであるが、椅子に座った状態での視線よりも低い位置にスピーカーがある。視覚的に慣れないせいか最初は違和感が少しあった。

 そして送り出しはターンテーブルはガラード、トーンアームはグラハム・エンジニアリング、カートリッジはZYX、プリはマランツ7、パワーアンプは真空管式のがっしりしたもの、メーカ名は失念してしまった。デジタルはPCからDAコンバータを経てプリへ。デジタルに関してはクロックなど相当手の込んだ仕組みがなされているようであったが、詳細は不明。

 コーヒーとシフォンケーキを頂きながら、安西さんの選曲でいろんな音楽を楽しませていただいた。頂いたコーヒーとシフォンケーキはいずれも、雑味やくどさのない爽やかに澄んだ味わいであった。ここで聴くことができる音の質感にも共通するものを感じた。さらにこの部屋の白を基調とした内装のセンスにも共通のテイストを感じる。山本さんの嗜好性が部屋にもコーヒーやケーキの味にも、そして音にもはっきりと現れているようであった。

 さて「音楽喫茶」後の懇親会ではお知り合いの方ともお会いできたし、また初めてお会いする方とも楽しく会話させていただいた。なかでも右隣にたまたま座られたIさんのお話は刺激的であった。そして以前にAUDIO BASIC誌に紹介された際のIさんのリスニングルームの写真を見せていただいて、口あんぐり・・・部屋がコンデンサーで埋まっている。さらにティールのスピーカは小さなタイルで埋め尽くされている。強烈にインパクトのある光景である。
 
 さらに初めてお会いしたmiyaさんのお話も興味深かった。ワディア、マッキントッシュ、JBLとかなり厚みがあり濃そうなオーディオ機器をお使いであるのに「音が厚くならないですよ・・・」「えっ・・・そんなはずは・・・ぜひ一度聴かせて下さい・・・」と「聴かせて下さい病」が勃発。コンデンサーだらけのIさんのお宅の音も一度聴いてみたい。「聴き歩き」が趣味の私にとっては、楽しみな未開拓地がまた増えた一日であった。



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