2008/5/31

806:久々の午前様  

 今日は久々の午前様となってしまった。日付が変わらないうちに帰ろうと思っていたのであるが、ついつい長居してしまった。今日は夕方からSTUDIO K'Sで行われた「音楽喫茶」に行ってきたのである。

 月に1回ほど行われる「音楽喫茶」、今日は日頃お世話になっている安西さんが選曲及び構成を担当されるというということで初めて参加してみた。今日のテーマは「麻薬的な音楽」。「音楽喫茶」は7時で終了。その後ビールと食事を交えての懇親会があったので、そちらにも参加。

 安西さんはじめ、ishiiさんやMさん、そしてJeyさんやNaruさんもお見えになっていらしゃって、いろんなお話をお伺いできた。さらにShuksさんも懇親会から参加され一段と賑やかに。初めてお会いした方ともオーディオという共通の趣味があるので、いろんな情報をいただけた。アルコールがはいったせいもあるが、いつのまにか時計は11時近くになっていた。場所が御茶ノ水であったので、家に着いたのは日付が変わってから30分ほどたっていた。この「音楽喫茶」の様子などは明日にでもご報告します。

 今日はこの「音楽喫茶」に参加する前に実は埼玉県のとある市にいたのである。午前中にpontaさんのお宅にお邪魔したためである。我が家からは車で1時間半。天候が悪かったせいか道は比較的空いていた。

 pontaさんのお宅に前回お邪魔したのはどれくらい前であったであろうか、半年ぐらい前だったような気がするが・・・そのときと比べてCDトランスポートがかわり、スピーカーケーブルやラインケーブルがかわりと、システム構成が変わっていたのであるが、一番変わったと感じたのは、そのセッティングである。

 随分とすっきり見通しの良いセッティングに変わった。従前はパワーアンプがリスニングポイントに対して背面を見せていたりと、視覚的にちぐはぐな印象を受けたのであるが、今日はラックに収まった機器は全てこちらを向いており、色合いもブラックで統一されていることもあり、リスニングポイントからの眺めは数段向上した。

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 そして聴かせていただいた音も見た目どおり、見通しの良い音場表現が素晴らしい。最初にバーバラ・ボニーを聴かせていただいたのであるが、ピアノの位置と歌い手の位置がきっちり定位していて落ち着き感がある。

 また諏訪内晶子のバイオリンも、艶やかな鮮明さをたたえた美音である。その音を聴きながら、スピーカー背後にある窓のカーテンに目が止まった。「もしカーテンを開けたらガラスで音が反射するはず、どれほどの影響があるのだろう?」と内心思った私は、聴かせていただいた「モスクワの思い出」が終わったところで、カーテンを50CMほど開けさせていただき、同じ曲を聴いた。

 響きが豊かになるせいか、ホールで聴いている音の質感に近くなった。私的にはこちらの方が自然で落ち着く感があるが、演奏者の立ち位置まで見えるような奥行き感のある空間表現は少しばかり後退する。一長一短というところか・・・

 このカーテンの開け閉めの具合で音色や音場にかなりな影響があることが分かり、音を調整する一つの要素であると感じた。

 続いて私が持参したいくつかのケーブルを使って聴き比べを行ったが、一番印象的であったのがNBS BLACK LAVEL 2であった。最近流行りの「品格」という言葉を使いたくなるような印象を受ける音に変わる。腰が据わっている感じを受ける。

 pontaさんは「考える人」である。非常に感度の高い耳をお持ちのようで、微細な変化にすぐさま反応する。反応するので、考える。そして考えた末いろんな手段を講じる。そうして自分の目指す音に向かって着実にステップアップされているようである。

2008/5/30

805:グリコのおまけ  

 グリコのおまけができたのはいつ頃であろうか?インターネットで調べてみると、1927年からおまけの封入がはじまった、と記されていた。とすると、約80年前からということになる。随分と長い歴史があるものだ。

 私が小学生の頃、近所の床屋さんで散髪すると、ご褒美というわけでもないのであろうが、終わった後にグリコをくれた。キャラメルはもちろん好きであるが、それよりもおまけで付いてくる小さなプラスチック製のおもちゃが楽しみであった。

 男の子用をくれるので、おまけの中身は大抵車か飛行機、電車など。小さなプラスチック製であった。大人の目から見るとかなりちゃちなつくりであったかもしれないが、小学生低学年の目から見るとキラキラ輝いていたのである。

 おまけの小さな箱を開けるときのドキドキ感は、床屋さんで子供に対しても必ず行われる顔剃りのムズムズ感を我慢した代償としては充分であった。最近下の娘が欲しがるおまけ付きのお菓子を見たりすると、お菓子が入っている箱よりも、おまけが入っている箱の方が大きかったりするが、「これではおまけではない・・・本末転倒だ!」とかすかな憤りを感じたりする。

 今日はAudio Accessory誌を買った。3ケ月に1回発行される季刊誌である。その名のとおりアクセサリーに関する記事が豊富であり、毎号買って読んでいる。

 最近Audio Accessory誌には「おまけ」が付いてくる。落ち込んでいる発行部数を少しでも回復させることが目的なのであろうか・・・まあ、何はともあれ「おまけ」は嬉しいもの。なんだか得したような気がするものである。

 最新号の「おまけ」は、まさに「おまけ」然としている。フォックというメーカーのディスクスタビライザー「REMASTE-RING DS-25」が一つ紙の袋に入っているのである。リング状のシールになっていて、これをCDの印刷面の中心に貼るのである。

 その効果は「楽器やボーカルの透明感が増して艶やかになり、S/N感と躍動感が改善されて、表情が豊かでパワフルでノリの良い音になり、再生音場が意外なほど生々しくなった」と雑誌には記載されている。

 「ほんまかいな・・・?」ということで早速実験・・・ANNE QUEFFELECが弾くJ.S.BACH PARTITA NO.2で試してみた。ピアノはベーゼンドルファー。

 「なるほど・・・透明感が増し艶やか・・・確かにそういった感じを受ける。しかし、ベーゼンドルファー製のピアノがスタンウェイ製のピアノになったような印象も受けるな・・・」といった感想を持った。

 11枚入りで1,680円。高いのか安いのかよく分からないが、全てのCDに貼るにはそれなりの出費と労力が必要になる。お気に入りのCDにだけ貼るのであれば、それほどの枚数はいらないが、使いまわしをすると粘着力が落ちてくるだろうからCD1枚にDS-25を1枚が基本であろう。

 まさに「おまけ」的なアクセサリーであるが、その効果のほどは結構あるようであった。しかし、子供の頃のグリコの「おまけ」並みのドキドキ感は味わえなかった。

2008/5/29

804:前後重量配分  

 BMWは車の前後重量配分に極めてこだわっている。前後重量配分が50:50になるように様々な配慮がなされたうえで基本設計がなされている。その結果非常にスポーティーな走りが実現しているのである。

 Dセグメントを代表するBMW 3シリーズは、スポーティーさでライバルを一歩リードしているが、MERCEDESやAUDIも新型を導入して、その実力に肉迫してきている。

 AUDI A4は従来より高いスタビリティをほこり、抜群の直進安定性を持っていたが、基本がFFであるため、前後重量配分は前輪に荷重が多くかかり、ハンドリングにおいては不利であった。また、荷重が大きくかかる前輪のセッティングを硬めにしていたため、不自然な乗り味が出る面もあったようである。

 しかし、今度の新型は、パワートレインを根本的に見直し、クラッチもしくはトルクコンバーターとデフの位置を従来と逆転させることでフロントアクスルを前進させたレイアウトを採用した。

 バッテリーをトランクへ移設したことも含めて、前後重量配分が適正化され、ロングホイールベースも達成したのである。前後重量配分が改善されたことによりハンドリングや乗り味が相当レベルアップを果たしたようである。

 また、AUDIのデザインアイデンティティーとして確立されたシングルフレームグリルに関しても、この新型A4以前の車種はどれもその奇抜さを消化しきれていない感があったが、この新型A4になってようやくさまになってきたようである。

 オーディオ・ライフにも車の前後重量配分のようにバランス感覚が大事なような気が最近している。オーディオを前輪として、音楽を後輪とした場合、その重量配分はできれば50:50になるようなバランスが丁度良いのではないか・・・

 オーディオをはじめた頃は、完全に前輪に荷重がかかりすぎたFF状態であった。オーディオ・ライフも2年を経過した頃から、前後重量配分に多少配慮すべきかな、という気になりはじめたのである。

 まだまだ、FF状態であり、FRではないかもしれないが、パワートレインを根本的に見直すことにより、ハンドリングが多少スムーズになったような気がしないでもない。やたらと高速道路を高いスタビリティに任せて疾走するだけでなく、曲がる快感やバランスの良い乗り味を楽しめるようになりたいものである。

2008/5/28

803:メール通信  

 エスアイエスは都内にあるオーディオショップ。ハイエンド機器の中古の流通量ではおそらく日本一ではないであろうか?店舗はそれほど大きくないのであるが、なかには所狭しと高額なハイエンド機器が無造作に置かれていて、結構迫力がある。

 店舗のほうには1度しか行ったことがないのであるが、メール通信を申し込んでいて、ほぼ毎日のように中古機器の新規入荷情報が流れてくる。なかには「おっと、もう中古が出てきたんだ・・・」といった感想を持つような最新鋭のオーディオ機器が含まれたりするので、毎回メール通信の中身をチェックしてしまう。

 このエスアイエスで少し前に購入したのが、VPI HW-17である。バキューム式のレコードクリーナーで購入金額は確か7万円程度であった。VPIのレコードクリナーは現在 HW-16.5しか日本には導入されていないが、このHW-17はその上級機に当たる。

 HW-17になると、スイッチ一つで回転を反転させることができ、さらにレコードクリナー液がボタン一つでレコードの上にかざされたブラシからでてくる仕掛けである。不精な私にとって、このHW-17は好都合である。これはメール通信を見て、すぐさま購入申し込み。

 またエスアイエスのメール通信ではないのであるが、少し前のサウンドハウス 上遠野さんからのメール通信(こちらは不定期でだいたい週に1回程度)に、最新中古情報としてQUAD 44が載っていた。

 ちょうど、その少し前QUAD 405-2をYさんからお借りしてその音に結構しびれていた。そして、その405-2は、無理を言って譲って頂いたばかりであった。その純正ペアといってもいいQUAD 44の中古情報に思わず「これは運命だ!」という雰囲気にのまれてしまい、すぐさまGET。

 中古というのは、ついつい思い入れがはいりやすい。最新情報には「これは、私のために、出てきてくれたのでは・・・運命のような気が・・・」という錯覚に陥りやすいのである。

 手作業でのレコードクリーニングにやや四苦八苦していたときに、VPI TW-17が、そしてQUAD 405-2にしびれていた時にQUAD 44が、それぞれ中古情報としてメール通信で送られてくると、ついついそういった「運命だ!」錯覚を感じてしまう。

 メール通信のおかげで、店舗に出向いて在庫チェックする必要性がなくなったから便利になったのであるが、ついつい出費が増える可能性も高まった。 

2008/5/27

802:PSD T3.6  

 大山さんのGOLF VARIANTは足回りが強化されていた。サスペンションが変更され、タイヤがインチアップされ、ホイールもスポーティーなものに変わっていた。さらにブレーキがBrembo社製の赤い大型のものに変更されていたのである。

 これだけ足回りが変わると、見た目的にもいかにも精悍でスポーティーになる。もちろん走りも変わる。このサスペンションはバランスが良い。しっかり感があるが、けっして硬さ一辺倒ではなく、低速時の不快な突き上げ感は少ない。このサスペンションならアクセルを踏んでぐんぐん加速していっても足回りの不安感がないので、躊躇することなくその加速を体感できる。

 100kmを超えるスピードから急ブレーキをかけてもBremboは全く余裕で制動する。がっしりとした腕でしっかり受け止めるかのようである。その妙に目立つ赤い色は伊達ではない。この車のエンジンのトルクと馬力からすると、このくらい高性能なブレーキが必要になってくるのかもしれない。

 我が家の2階のリスニングルームのメインキャストであるPSD T3は、そのしっかりした純正のスピーカーベースを得て、「これでT3.5になった・・・」と内心思ったほど、しっかり感が出た。

 その純正ベースは、フィンランドバーチ合板製でT3がすぽっと収まるように削り込みがなされ、そのためがたつきがない。今日はそのT3の足元を見ていて、「このベースとT3本体の間にアルミ製のインシュレーターを挟むとどうなるのであろう・・・?」と思いついた。

 足元が強化されたGOLF VARIANT同様、好ましい変化があるかもしれない、という期待感が起こったのである。ちょうど、ブルックナーの第1番の第3楽章を聴いていたのであるが、この第3楽章の躍動感が切れの良いリズムとともにアップするような予感がしたのである。

 作業はいたって簡単。SYMPOSIUMのボードに付属してきたアルミ製の丸いインシュレーターをボードとスピーカーの間に差し込むだけであるので、ほんの数分で完了。これでほんの少しばかりスピーカーの高さもアップ。

 「これはいいのでは・・・」というのが第一印象。音の立ち上がり感や抜けが向上したように感じられるのである。重厚なエネルギー感は多少軽減したかもしれないが、音場全体の見通しの良さが向上した印象を受ける。

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 写真ではほとんど分からないが、ほんの少しシルバーのインシュレーターが見える。スピーカー本体の底板の下に空間ができたこと、ツィーターの位置が少し高くなったこと、もちろんインシュレーターの振動処理が加わったことなどいろんな要素が変わった。今のところ良い影響の方が多いような気がする。これで「T3.6」ぐらいになったのかもしれない。

2008/5/26

801:ゴルフとパサート  

 ゴルフはフォルクスワーゲンの屋台骨を支える主要車種である。一方パサートはそのゴルフの上級車種に位置する車で、日本におけるフォルクスワーゲンのフラッグシップにあたる。本国では、この上にフェートンという本来のフラッグシップがあるのであるが、日本には未導入である。このフェートン、メルセデスのSクラスやBMWの7シリーズの牙城を崩すべく鳴り物入りで登場したのであるが、商業的にはあまり成功していないようである。

 これを日本に導入しても、フォルクスワーゲンのブランドイメージにそぐわないモデルであるので、売れないと判断されたのであろう。写真で見る限り、かなり精悍な印象で好きなのであるが、私も日本では売れないだろうな、というのが正直な感想である。

 さて那須での「集い」のもう一つの楽しみは「車」である。大山さんがお乗りのゴルフ バリアント 2.0TSI SPORTLINEとGRFの部屋さんがお乗りのパサート バリアント 2.0TSI SPORTLINEを乗り比べることができたのである。

 エンジンはどちらも2.0L 直噴ターボエンジン。同じコンピューターチューニングを施され、50馬力アップの250馬力仕様となっている。ゴルフ バリアントは6速DSG、パサート バリアントは通常の6速AT。

 同じフォルクスワーゲンであり、エンジンも同じなので、似た質感なのかと思っていたのであるが、その乗り味は全く異質なものであったので、少しばかり驚いた。最初に乗ったゴルフは、乗り込んだ瞬間からスパルタンな質感が随所に感じられ、アクセルを踏んだら途端に獰猛な脚力をこれ見よがしに表出するのであるが、その感覚はまさにスーパーアスリート。筋肉質な走りである。

 一方パサート バリアントは、乗り込んで走り出してもスパルタンな雰囲気は全くない。上質で滑らかなのである。アクセルを踏まない限り、その容姿同様穏やかな高級車で通すこともできる。ゴルフが少し走り出した瞬間からスパルタンな雰囲気が漏れでてくるのに対して、パサートはガードが固い。

 しかし、そのパサートもアクセルを踏むと爆発的な瞬発力ではないが、やはりトルクの上昇加減がぐいっと背中をシートに押し付ける快感が凄まじい。やはり同じエンジン、同じチューニングと思わせる加速感である。

 このパサート、かなり印象が良かった。日常的な速度域では、高級感が十二分にあり、アクセルを踏むと一気に別次元にワープもできる。獰猛なアスリート感覚度ではゴルフに分があるが、この振幅の広い両面性という面ではパサートが優れていた。

2008/5/25

800:弦楽亭  

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 サウンド・デザインの那須の試聴室のすぐそばに「弦楽亭」という名前の個人経営のホールがある。天井は最も高いところで7mあるとのこと。定期的にクラシックやジャズのコンサートを行うほか、一般にも貸し出しを行っている。

 那須高原の深い緑のなかに悠然とそびえる「弦楽亭」は、何か文化的な香りの強くする優雅さをたたえていた。

 木造の建物で、内装も木がふんだんに使われており、何かほっとする雰囲気を有している。響きは相当あり、かなりライブな環境である。

 昨日はこの「弦楽亭」で弦楽四重奏の生演奏を聴き、さらに夕食後サウンド・デザイン・ファン・クラブの懇親会もこの「弦楽亭」で行われた。

 コンサートは、前半はクラシック、後半はポピュラーといった構成で、衣装も前半と後半では雰囲気を変え、なかなか盛り沢山であった。演奏者の技量は超一流といえるレベルではなかったのであるが、生の楽器の音にふれることができる機会は貴重である。

 女性3名(バイオリン・バイオリン・ビオラ)男性1名(チェロ)の構成であったが、和気藹々とした雰囲気の、いかにも手作り感のあるコンサートであった。

 懇親会では、シャンパンで乾杯後、ワインやビール、ウィスキーの入ったグラスを片手にあちらこちらでオーディオ談義。とても賑やかであった。私は日帰りなのでウーロン茶なのであったが、いろんな熱い方とお知り合いになる機会が得られて有意義な一日となった。

 「9時を過ぎたので、そろそろでなければ・・・」ということで、チュ−バホーンさんと連れ立って、弦楽亭を後にしたのであるが、その頃には本降りの雨。帰りの東北道はどしゃぶりの雨の中、それなりのスピードで疾駆したので、多少疲れた。自宅に帰りついたときには、相当疲弊していた。どうにかこうにかブログの更新をした後は、ドタっとベッドに倒れこんでしまった。

2008/5/24

799:那須高原  

 今帰ってきた。どうにか午前様にならずにすんだ。今日は那須でサウンド・デザイン・ファン・クラブ主催の「集い」があったので日帰りで参加してきたのである。チューバホーンさん、hiroさん、Yさんをところどころでピックアップし、私の車で那須のサウンド・デザイン試聴室へ向かった。

 外環の和光インターで高速にのり、一路那須高原へ。道路は比較的空いていたので、ナビに表示される残り距離は、スムーズにその数字を減らしていった。後ろの席のhiroさんのウルトラハイテンションな話に押されるように、車は徐々にハイスピードな領域に入っていったからである。まるで、リアにV8エンジンを搭載した車のようであった。

 そのかいあってか、予定よりも若干早くお昼前に到着したのであるが、広いウッドデッキには既にバーベキューの用意が準備万端整っていた。石田さんが特性のタレに漬け込んだおいてくれた肉はコクがありとても美味であった。また地元産と思しき新鮮な野菜も炭火で焼いていただくと、滋味溢れる味わいが口に広がる。

 食事が一段楽したところで、試聴室で少しばかり時間を過ごさせていただいた。まずはPSD T4のプロトタイプを試聴。

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 T2、T3そしてT4と徐々にサイズがコンパクトになってきて、T4はかなりコンパクトな2ウェイである。そのユニット構成は仮想同軸配置ではなく、オーソドックスなもので見た目的な落ち着き感がある。プロトタイプはまた塗装がされておらず真っ黒の素っ気無い外観であったが、なかなかシャープで小気味良い、実体感のしっかりした音を放っていた。今後どんどん煮詰まっていって販売モデルが確定すると思われるが、これからが楽しみなニューカマーである。

 もちろん、T3も聴かせていただいた。色合いが我が家のT3と比べると濃い目の色彩で、スピーカーベースも我が家のものよりも薄手で色が茶色に塗装されており、洗練度がアップしている。

 そのせいか、音の基本路線は当然馴染み深いものなのであるが、より品よくまとまる感がある。ログハウスの落ち着いた木の質感ともマッチした音質である。スピーカーの真ん中に位置する窓の外に広がる那須高原の美しい新緑ともしっくりくる。

 その後は、弦楽亭での弦楽四重奏曲のコンサート。さらに夕食後は懇親会と続くのであるが、その様子は明日にでも・・・

2008/5/23

798:縦方向の構図  

 小津安二郎監督の「秋刀魚の味」や「東京物語」には、煙突がでてくる。特に「秋刀魚の味」の冒頭シーンでは、見事な構図でいくつかのカットが静かに流れ、とても効果的かつ印象的である。

 「東京物語」では灰色の煙突が数本白い煙を吐いていた。そしてカラーで撮られた「秋刀魚の味」では赤のラインの入ったモダンな煙突が現代アートを思わせる構図で連続的に挿入されており、何気ない工場の煙突が芸術的なモニュメントに仕上がっていた。

 小津安二郎監督の独特の構図は、その多くが垂直方向に画面が分割される。そこに横方向の装飾的なラインが美しく交差し、あの独特の美しさを演出している。煙突は都市部や経済発展する日本を象徴する風景であると同時に、そういった小津安二郎監督の好きな垂直方向への画面分割手法を象徴するものでもあるのかもしれない。

 昨日からEMM LabsのCDSDとDCC2を繋ぐSTケーブルを新調したが、その最初の音を聴いて縦方向に分割される小津安二郎監督の構図の妙を連想した。最初に聴いたのが弦楽四重奏曲であったのもその要因であったのかもしれないが、四つの弦楽器の音が横方向に混ざり合うのではなく、縦方向にたなびくような感じがしたのである。

 それは見透しが良くなる効果があるが、音楽全体の躍動感は少しばかりおとなしくなるような印象を受ける。「もう少し風にたなびく煙が欲しいところ・・・」という感想も持つのであるが、ケーブル類は大概おろしたての間は馴染みが薄いもの。

 きっとSTケーブルも、他のケーブル同様に使用時間に比例してその音の風合いも変化するはずである。昨日に続き今日もほぼ同様な曲を聴いたのであるが、たった一日しかたっていないのであるが、随分その表情が穏やかなものになった。

 「東京物語」での、都市を象徴する煙突ではなく、尾道の住吉神社の石灯籠のような表情を見せ始めるのである。「一日で変わるものだ・・・」というのが正直な感想である。EMM LabsのCDSDとDCC2の電源は入れっぱなしである。特にDCC2は発熱量が結構凄い。パワーアンプ並みの熱さになるのである。この熱は当然STケーブルにも伝わる。この熱の影響もあるのかもしれない。音が暖かみを増し、横方向にも揺れる。

2008/5/22

797:蝶の口  

 蝶の口は丸くうずを巻いている。花の奥にある蜜を吸う時にその長い口はすっと伸びて長いストローのようになって本来の機能を果たす。蝶の長い口はそのままだと飛ぶのにじゃまになり、おりたたむと管が折れてしまうから、丸まっているのである。

 我が家のEMM LabsのCDSDとDCC2を繋ぐSTケーブルも丸まっている。これは本来丸まっている必要はないのであるが、あまりに長いので(おそらく3メートルはあるはず)丸まるしかすっきりと収納する方法がないのである。

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 しかし、この蝶の口はどうやら不要になりそうである。Jeyさんのお知り合いのAさんからメールがあり、STケーブルを新調したのである。Aさんのお知り合いのNさんの取り計らいでアメリカの会社に依頼して作製していただいたSTケーブルは50cm。

 これでとてもすっきり。クルクルの3連発がラックの裏側を占領していたのが嘘のようなクリーンさである。いや〜部屋を片付けて掃除機をかけたばかりの時のようなすがすがしさである。

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 このSTケーブル1本6,000円。3本で18,000円。とても安い・・・と思うのだが。少なくとも、オーディオ専用に売られているデジタルケーブルの価格に比べるととてもリーズナブルに思う。

 そして、この新調ケーブルに換えての音は・・・音場空間がすっきりと澄み切り、音がとても凛とする。凛としてすっくと自分の足で立っている。膝は伸びている。背筋も伸びている。しかし、不要な力みはない。

 ハイドンの弦楽四重奏曲は、そのハーモニーが透明で繊細感あふれる表情を見せてくれる。味わいはより微細に表現され、大味なところは全くない。そして雑味がすっかりと漉されるため、演奏のリアルな質感がストレートに伝わってくる。

 一つの楽章を聴いて「これは、もとに戻せなくなる・・・」とつぶやかずにはいられなかった。その後、「蝶の口」はそっとEMM Labsと印字された段ボールにしまわれた。



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