2008/4/13

759:深いみのある自然な質感  

 バーバラ・ボニーの自然で深みのある歌声が流れてきたとき、全く違和感のない人間の声の質感に少なからず驚いた。「う〜ん、浸透力がある、というか音にひっかかりが全くないのですっと入ってくるというべきか・・・」よくオーディオ誌で「音に浸透力がある」という表現を眼にすることがあるが、それを今日ははっきりとこういう音の質感を言うのだろうなと思い至った。

 今日は、pontaさんと一緒にゴローさんのお宅を訪問した。部屋の広さは16畳ほどであろうか、ゆったりとした皮のソファーに腰掛けて、部屋にしっくりと馴染んだ感のあるオーディオ機器を眺めていると、なんだかほっとする心地よさを感じた。そして最初に聴かせていただいたバーバラ・ボニーのリヒャルト・シュトラウスの歌曲にすっかり魅了された。

 ゴローさんは「このB&W 802Dも3年が経過して、ようやく人の声が自然に出てくるようになってきた」とおっしゃられていたが、バーバラ・ボニーの声の透明感だけでなく、ふくよかさや柔らかさも併せて表出する見事な音色である。

 「スピーカーは育てるもの」というのがゴローさんの持論である。その期間は数ケ月ではなく、年単位で考えるものなのかもしれない。私のHRS-120 CARBONも2年と数ケ月が経過したが、「まだまだ育て方が足りない・・・あるいは間違っているのか・・・」と少々反省モードに陥ってしまう。

 その後は、2チャンネルとマルチチャンネルを様々な曲で聴かせていただいたのであるが、マルチチャンネルの可能性の大きさというものにも改めて気付くこともできた。スーピーカーの数が増えたことにより1本のスピーカーにかかる負荷が軽くなり、スピーカの美味しいところのみを使って十分な音量が得られる。そのため、余裕があるのにダイナミックな再現ができるという印象を受ける。

 ストレスフリーな音の出方が、音楽をより伸びやかに再現してくれる。マルチチャンネルで聴いたギルバート・キャプラン指揮のマーラー第2番は、素晴らしかった。2チャンネルでも魅力的な演奏であるが、マルチチャンネルだとより広がり感のあるスペクタルさが上手く出てくる。まさに「マルチチャンネルの愉悦」を堪能することができた。

 さらに、マルチチャンネルで聴いた「アフロ・ブルー 」M.Sasaji & L.A.Allstarsも印象的であった。その演奏は「リアルだ・・・」というつぶやきが絶え間なくもれ出でる程ストレスなく伸びやかである。無理して頑張っているという背伸び感がなく、余力すら感じさせる。

 ゴローさんのお宅を訪問するのは2回目である。前回お邪魔したのは1年半ほど前であったはず。この間の時間の経過によりスピーカーのエージングが完全に完了し、より自然で深みのある音色になったような気がする。その響きに暖かみやまろやかさがさらに加わった。一緒にお伺いしたpontaさんも感心しきりであった。

 この深みのある自然な質感は、我が家のリスニングルームでは、ガックリくるくらいまだまだなレベルである。どうしても底が浅く感じられる。もっと時間をかけて育てていくしかないのであろう。



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