2008/3/15

730:春霞  

 今日はTANNOY GRF(シルバーモニター)をお使いのA氏のお宅にお邪魔させていただいた。A氏邸訪問は、今日で3回目となる。そしていつも、A氏邸を訪問すると「私のオーディオは、このままでいいのだろうか・・・」という思いが強くよぎる。

 オーディオ専用の瀟洒なリスニングルームにしっかりと根を下ろしたように佇むGRFを駆動するアンプはMARANTZ 7とMARANTZ 2。送り出しはアナログがXERXES 10+SME SERIESX+ZYX AIRYで、デジタルはLINN CD-12。

 その音は深い。滋味深く、味わい深い。古い音楽のもつ文化的な背景や、そこに込められた思考の蓄積の深さに思いを馳せさせるような深遠な透明度と温度感を持っている。

 それはアナログであっても、CDであっても同様である。極めて細心の注意と集中力持って調整されていらっしゃるのが、ひしひしと伝わってくる。A氏邸で音楽に浸っていると、「我が家のオーディオ機器で、こういう深さを出す術はあるのであろうか?」といった疑問も浮かんできたりする。

 「わが家の音など引き比べたくもなくなる・・・」というやや意気消沈した気持ちでいつもA氏邸を後にするのであるが、今日はその後我が家にも来ていただけるということになっていて、正直さらに気が重くなってしまう。しかも、同じく古いMARANTZとTANNOYをお使いのY氏も同席される予定なのである。

 「どうしたってこの深みは出ない」という焦燥感で表情がややこわばったまま、わが家の音も少しの時間聴いていただいた。

 まあ、わが家はまだよちよちの状態ということを認識していただけただけでも、良かったのかもしれない。

 ビンテージのオーディオ機器には、独特の風合いというか音の深みが感じられるのは事実である。それは銘機として何十年もの間、素晴らしい音楽を奏で続けてきたものだけが身に付けることができるの特質なのであろうか?

 今日はとても暖かい春の一日であったが、私の心の中には、幾つもの疑問符がならび、その春めいた陽気を心から楽しめる心境ではなかった。

A氏邸でアナログ・デジタルという垣根を越えて深い音を奏でていたCD-12
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