2008/3/9

724:Scarlatti  

 私がオーディオを趣味とするようになったのは、2年3ケ月前にふらっと島田さんが「主」を務めていらした「魔窟」に迷い込んだのがきっかけであった。その数年前からオーディオ機器は持ってはいたが、それらは部屋の調度品として、アンティークの北欧家具と全く同類、あるいはそれよりも下の位置づけで応接間に置かれていた。

 応接間の主役はピアノとアンティークのソファーセットやアームチェア、サイドテーブルであり、オーディオ機器はそれら引き立たせる脇役的な存在として、コンパクトでデザインセンスの良いものが壁に張り付く形で設置されていたのである。オーディオは音の出る家具としての存在に過ぎず、趣味として取り組む対象では全くなかったのである。

 その様相が変わるのが2年3ケ月前である。プリメインアンプをセパレートにしたらどうなんだろうと思いつき、たまたまインターネットで見かけた島田さんのお店に足を運んだのが運の尽きであった。

 足繁くかよった「魔窟」は「主」を失い、今はもうない。「恩人」である島田さんは、「魔窟」を去り、「Dear Audio」という名前でプライベート・ショップを展開をされていらっしゃる。その店舗兼自宅を今日再訪した。その目的はスカルラッティ。dCSの最新鋭機器である。試聴ラインナップは次のとおり。

 CD  dCS  Scarlatti Transport Scarlatti DAC Scarlatti Clock 
 AMP  darTZeel  NHB-18 NS NHB-108 model one
 SP  Avalon  DIAMOND

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 Scarlattiの見た目は、「ごつい・・・」というのが第一印象。そのデザインセンスには、正直に言うと首を傾げてしまった。従来のdCSの方が私は好きである。しかし、その中身はいかにも凄そう。

 早速聴かせていただいた。まずはpontaさんが持ってこられたCDから・・・諏訪内晶子のシベリウス:ヴァイオリン協奏曲。思っていた以上に素直というか、それほどの密度感が感じられない。明るく、軽快である。予想していたものとは多少の違いがあり、少しばかり肩透かしをくらった。

 続いて私が持ってきたモーツァツトのレクイエムを聴く。こちらはSACD。すると水を得た魚のように勢い良く泳ぎ回る。ぴちっと跳ねたりもする。断然SACDの音のほうが印象が良い。ディテール鮮やかに抜群の音抜けの良さで広いサウンドステージを展開する。

 その後何枚かSACDを聴くが、微小レベルの音も克明に拾い、ストレスのない爽快なハイスピードサウンドを堪能させてくれた。その後に再度CDも聴いたのでのであるが、スピーカーのエンジンがすっかり温まったのか、先ほどの軽めのサウンドではなく、dCSらしい密度感のある音を聴くことができた。AVALONはエージングが済んだスピーカーでも寝起きは良くないようで、ある程度聴き込んでからのほうが良い音がするようである。

 広いサンドステージの枠一杯までぴたりとピントが合った精緻な音情報が理路整然と流れ出してくる。「さすが・・・」とうならざる得ない。

 しかし、純粋な個人的な好みからすると「ちょっと違うような・・・」という気がしなくもない。その後ひととおり聴かせていただいた後に、島田さんが普段使用されているCARY CD306 SACDに送り出しを入れ替えた。そしてその音を聴いて、Scarlattiに感心しながらも、何故かしら違和感のようなものを感じた原因がはっきりとした。その詳細は明日にでも・・・



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