2007/9/15

549:組み手  

 私はアナログの音が好きなようである。真空管の音も好きなようである。そしてビンテージスピーカーの音も好きなようである。

 我が家のリスニングルームを見渡すと、アナログプレーヤーはあるにはあるが、ビンテージ的な雰囲気はまったくない。スピーカはパッと見、はたしてこれがスピーカなのかという印象を持ってしまうデザインである。アンプは巨大なシルバーの四角いパワーアンプがスピーカーの間にどっしりと鎮座している。

 我が家のリスニングルームの景色が嫌いなわけではない。しかし、使いならされたアナログプレーヤーや優雅さすら感じさせる真空管アンプ、そして部屋にしっくりと馴染む感のあるビンテージスピーカーが醸し出す独特の雰囲気には、その音色と共に強く惹かれるものがある。

 今日はY氏のお宅にお邪魔させていただいた。Y氏の使われているスピーカーはROCKWOOD。以前お邪魔した時よりもやや内振りが付けられたセッティングに変更されている。

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 そしてもうひとつ前回と違っているのはパワーアンプ。クウィックシルバーのパラレルだったのがシングルのオーダーメイドのパワーアンプに変わっている。季節によって使い分けてらっしゃるようである。

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 この二つの変更によって、前回のときよりも音の密度感が高まっているように感じた。低音の腰の落ち方がよりどっしりし、一音一音の描き分けの明瞭度も上がっている。そのうえで真空管アンプ独特の音の弾力感や暖かみが十二分に感じられるので、心から嬉しくなってしまう。

 アナログプレーヤはガラード。そのどっしりとした容姿同様、音も柔道の達人がしっかりと組み手を組んだ時のような磐石さを感じさせる。キャビネットは一から全て御自身が自作されたもの。その仕上げの素晴らしさから、Y氏の手先の起用さのレベルが分かる。

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 前半はジャズ、後半はクラシックと、アナログを聴かせていただいた。その音は心をつかむ握力がとても強い。この握力で組み手をしっかり組まれてしまうと、腰高な私はすぐさま投げ飛ばされ、一本とられてしまいそうである。



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